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【プロジェクト紹介】図図倉庫『ヒカリノトリ-観測者たちの集い-』公演レポート(飯舘村)

全国・世界・地元から、福島県12市町村に、芸術家が集まり、滞在制作をするハマカルアートプロジェクト(経済産業省令和5年度地域経済政策推進事業(芸術家の中期滞在制作支援事業の採択プログラム。
滞在制作の成果のひとつとして、採択者である合同会社MARBLiNGによる『めぐりあるきレストラン ヒカリノトリ-観測者たちの集い-』が、2023年11月11日(日)~26日(日)までの木・金・土・日、飯舘村の図図倉庫(ズットソーコ)にて開催されました。

滞在制作作家による演劇と現代アート、食と飯舘村が融合した
アート&サイエンス&風土の没入体験レストランとは?


『めぐりあるきレストラン ヒカリノトリ-観測者たちの集い-』とは、約1,000平米の空間を持つ、ホームセンター跡地を利活用した、飯舘村の「環境づくりの秘密基地 図図倉庫(ズットソーコ)」を舞台に、観劇者自身も地球・自然環境のリサーチを行う“観測者”となり、道中で出会う”観測者”である表現者たちの実験のようすや研究成果を見たり、ふれたり、聴いたりしながらをめぐりあるき、多様多彩な形の表現と演劇、飯舘村出身のシェフが地元食材を用いた”創作郷土料理”を味わう、食を介したサイエンスコミュニケーション体験、「めぐりあるきレストラン」です。

めぐりあるきレストラン ヒカリノトリ-観測者たちの集い-

セットや小道具は、ホームセンター跡地、仮設住宅、廃校となった小学校、農作業道具の廃材などを再利用したそうです。

図図倉庫内部
廃校となった小学校の資材を利活用した舞台道具
会場をご案内いただいた、画像左:MARBLiNG共同代表 矢野淳さん 右:演出・構成 野宮 有姫さん
めぐりあるきレストラン ヒカリノトリ-観測者たちの集い-
めぐりあるきレストラン ヒカリノトリ-観測者たちの集い-
めぐりあるきレストラン ヒカリノトリ-観測者たちの集い-
公演内で提供される料理を説明するLa Kasseシェフ佐藤 雄紀さん
La Kasseシェフ佐藤 雄紀さん創作郷土料理
めぐりあるきレストラン ヒカリノトリ-観測者たちの集い-
めぐりあるきレストラン ヒカリノトリ-観測者たちの集い-
めぐりあるきレストラン ヒカリノトリ-観測者たちの集い-

公演の終わりには、図図倉庫内のキッチントレーラーがBARとなり、参加された方々はオリジナルドリンクを飲みながら、公演の余韻など、思い思いのおしゃべりを楽しまれていました。

キッチントレーラーで、ZUTTO LOUNGE
公演終了後はZUTTO LOUNGEで、おしゃべり

開催告知のフライヤーには、「土、水、植物、森、微生物、原子、宇宙、エネルギー……。わたしたちの暮らしは、こうしたさまざまな地球・自然環境とかかわり、影響しあいながら日常がかたちづくられています。
きっと皆さんも、「宙のむこうでは、どんなことが起こっているんだろう」と想像をふくらませた経験があるのではないのでしょうか。
(中略)
皆さんの心の深いところにある好奇心を刺激しながら、ひとと地球・自然環境のかかわりを見つめ、気づき、考えるきっかけになれば幸いです。」
とあります。

公演の中に「環境世界」という言葉が、たびたびあらわれます。
聞き慣れない言葉だったので調べたところ
「動物がそのなかで生きる特定の世界。すべての動物は、それぞれに種特有の知覚世界を持って生きており、それを主体として行動しているという考え方。動物主体にとってはそれぞれ独自の時間・空間として知覚されている。」

飯舘村で、だからこそ。飯舘村で考えなければならない環境問題の課題。
『めぐりあるきレストラン ヒカリノトリ-観測者たちの集い-』は
そう感じさせられる公演でした。

めぐりあるきレストラン ヒカリノトリ-観測者たちの集い- 演者のみなさん

演出・構成:野宮 有姫
料理:佐藤 雄紀(La Kasse オーナーシェフ)
出演:武井 希未(TEAM waqu:iraz)
   中澤 ナオ
   西尾 佳那
   渡邉 塊 
   (50音順)
企画:合同会社MARBLiNG