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GPTに根拠に基づいて4人のパネリストに討論をしてもらう(外部toolを使うagent同士の対話)

概要

LangChainのドキュメントページは、頻繁に例題を追加してくれるので、とても勉強になります。というわけで、以下リンクに掲載されたコードを一部書き換えながら試してみました。

  • 全てのエージェントが外部ツールにアクセスできる、マルチエージェント・ダイアログをシミュレートする例題

  • 検索エンジンやwikipediaの記事などをつかって、自分の発言内容について事前に調べたうえで、根拠がある発言内容を作成するエージェント

  • それぞれ別の立場のエージェントが根拠に基づいた討論を行い、双方の着地点を模索

例題からの変更点

  • 使用言語:英語→日本語(プロンプトは英語、出力・発言は日本語で指定、外部検索時の使用言語は英語を推奨)

  • エージェント数:例題2→今回4

  • 討論テーマ

登場人物と討論テーマ

names = {
    'うどん 推進派': [
        'arxiv', 
        'serpapi', 
        'wikipedia'
    ],
    'パスタ 推進派': [
        'arxiv', 
        'serpapi', 
        'wikipedia'
    ],
    'ラーメン 推進派': [
        'arxiv', 
        'serpapi', 
        'wikipedia'
    ],
    '日本蕎麦 推進派': [
        'arxiv', 
        'serpapi', 
        'wikipedia'
    ],
}
topic = "どの麺類が世界最強か!"
word_limit = 50 # word limit for task brainstorming

メンバーの立場と、使えるtoolを指定しています。メンバー毎にアクセスできる外部ドキュメントなどを変えたりしても面白そうです。

登場人物のキャラ設定(gpt-4の生成結果)

うどん推進派の貴方は、古くから日本人に愛される滑らかな食感と優しい味わいが魅力のうどんを気高く擁護する存在。地域ごとのバリエーションや多様なトッピングを楽しみながら、うどんのシンプルで深い魅力を広める活動に熱心に取り組む。その情熱は、日本の食文化を尊重し続ける姿勢を表している。

パスタ推進派のあなたは、イタリア料理に情熱を持ち、多様な種類とソースの組み合わせを楽しむ世界中の人々を引きつける魅力を感じています。あなたはパスタが豊富な栄養で、さまざまな文化や地域に適応し、どんな食卓にもマッチすると信じており、この素晴らしい料理の普及に努めています。伝統的なレシピから創意工夫されたアレンジまで、パスタの魅力を積極的に広めましょう。

ラーメン推進派の皆さん、こんにちわ!あなたたちは、ラーメンの豊富なバリエーションや濃厚なスープに魅了され、日本だけでなく世界の多くの人々に愛される食文化を広めています。ラーメンの成り立ちや地域ごとの特徴に対する深い知識を持ち、他の麺類と異なるラーメンの魅力を語ることに熱心で独自の視点を持っています。

日本蕎麦推進派さん、伝統的な和食の代表格であるそばを愛していますね。装いは四季を感じさせる着物に、ろうけつ染めの帯を締めている。おおらかな笑顔で、そばのひとつひとつに込められた風情を大切にし、麺類の食文化の平和な共存を信じている。老若男女問わず、日本蕎麦の魅力を伝えていくことに情熱を傾けている存在です。

どのメンバーもなかなかのキャラクターに仕上がりました。

討論テーマ(gpt-4の生成結果)

Original topic: どの麺類が世界最強か!

Detailed topic: 各推進派の皆さんへ:「日本料理での麺類ベスト3における順位付けをして、各自の推進派が提案する麺類(うどん、パスタ、ラーメン、日本蕎麦)が、どれだけ日本の食文化に貢献しているか議論しましょう。」

ちょっと煽り気味の無理めな原案😗から、討論に適した感じのテーマに修正してくれました。😄

討論の実況

今回は、最大トークン数の関係でもとから優秀なgpt-4を用いているので、外部toolを使わなかった素の場合と、toolを使った場合での差が見えにくいですが、適宜ググってデータを発言に織り込むなど、討論に深みを与えてくれている感じです。

各エージェントの動作も含めた動作にご興味があれば、添付のログをぜひご覧ください。適宜、Wikipediaやgoogleを駆使してくれています。今回のテーマでは、さすがにarxivは使っていませんでした😅

なお、今回の討論会では、参加者は順番にまんべんなく3回ずつ発言してもらうようにしています。

Moderator: 各推進派の皆さんへ:「日本料理での麺類ベスト3における順位付けをして、各自の推進派が提案する麺類(うどん、パスタ、ラーメン、日本蕎麦)が、どれだけ日本の食文化に貢献しているか議論しましょう。」

パスタ 推進派: 私はパスタ推進派として、パスタが日本の食文化に大きく貢献していると主張します。イタリア料理の一部であるパスタは、多くの人々に愛される料理であり、数多くのバリエーションが存在します。また、パスタは簡単に作れるレシピがたくさんあるため、家庭で手軽に楽しむことができます。さらに、和風パスタなど日本独自のアレンジが加わることで、日本の食文化とも親和性が高くなっています。このような理由から、パスタは日本料理の麺類ベスト3に値すると考えます。

ラーメン 推進派: 私はラーメン推進派として、ラーメンが日本の食文化に大きな貢献をしていることを主張します。ラーメンは、様々な地域ごとに独自の味わいがあるため、日本全国で楽しむことができます。また、ラーメンは多くの外国人にも愛され、日本の食文化を世界に広める役割を担っています。具材やスープのバリエーションが豊富であり、味付けやトッピングの自由度が高いため、食べる人それぞれに合った美味しいラーメンを見つけることができます。このような理由から、ラーメンは日本料理の麺類ベスト3に間違いなく入ると考えます。

日本蕎麦 推進派: 私は日本蕎麦推進派として、蕎麦が日本の食文化に大きく貢献していると主張します。そばは、そば粉を使った日本の伝統的な麺類で、冷たいつけそばや温かいそば汁として楽しまれています。また、そばは健康志向の方にも適しており、タンパク質のアミノ酸バランスが人間にとって理想的で、米や小麦のアミノ酸不足を補完できるとされています(Wikipedia: Soba)。一方、ラーメンは中国起源の麺類で、日本各地で独自のバリエーションが楽しめるものの、ラーメンはインスタントラーメンとしても広まった食品であるという事実を無視できません(Wikipedia: Ramen)。そばは日本独自の食文化を代表し、健康にも良いため、日本料理の麺類ベスト3にふさわしいと考えます。

うどん 推進派: 私はうどん推進派として、うどんが日本の食文化に大きく貢献していると主張します。うどんは、日本の歴史ある麺類であり、シンプルながらも深い味わいが魅力です。各地で独自のうどん文化が根付いており、讃岐うどんや稲庭うどんなど、地域特色あふれる麺類が楽しめます。また、うどんは低カロリーで、ダイエット中の方にもおすすめです。さらに、うどんは天ぷらやおでんといった具材との相性が抜群で、日本の伝統的な味を感じさせてくれます。このような理由から、うどんは日本料理の麺類ベスト3に値すると考えます。

パスタ 推進派: ラーメンやうどん、日本蕎麦も素晴らしい日本の食文化を代表する麺類ですが、パスタも日本で非常に人気があります。実際、2020年の日本のパスタ市場は、グローバル市場の10.3%、アジア太平洋市場の18.3%のシェアを占めていました。このデータからも、パスタが日本の食文化において大きな位置を占めていることがわかります。パスタは多様な料理が楽しめ、独自のアレンジも加わることで、日本の食文化との親和性も高まっています。このため、私はパスタが日本料理の麺類ベスト3に値すると主張します。

ラーメン 推進派: それぞれの麺類には魅力がありますが、ラーメンは日本全国で人気があります。調査によれば、うどんは日本の西部で、蕎麦は東部で人気があります。しかし、ラーメンは特に北海道で大変人気があり、日本全国で愛されています。また、ラーメンは多彩なスープと具材で、食べる人それぞれに合った美味しいラーメンを見つけることができるため、日本料理の麺類ベスト3に間違いなく入るべきだと考えます。

日本蕎麦 推進派: 各推進派の皆さんが述べたように、それぞれの麺類には独自の魅力があります。しかしながら、日本蕎麦の健康面での優れた点や日本独自の食文化を代表する要素は他の麺類と比較して特筆すべきです。調査結果によると、ラーメンやうどんも日本で人気がありますが、蕎麦もまた人気のある麺類です。そんな中、日本蕎麦はその風味豊かな味わいや健康志向をアピールする点で、他の麺類と一線を画しています。このような理由から、私は日本蕎麦が日本料理の麺類ベスト3に値すると主張します。

うどん 推進派: 各推進派の皆さんが述べた通り、それぞれの麺類に特徴がありますが、うどんも日本で大変人気があります。特に、四国では73.9%、九州では70.3%の人々がうどんを好んで食べています。また、日本の食文化に貢献している点や、天ぷらやおでんといった具材との相性が良いことから、うどんは日本料理の麺類ベスト3に値すると考えます。

パスタ 推進派: パスタは日本の伝統的な料理には使われていませんが、第二次世界大戦後の食文化の変化により、普及が広がりました。実際、1980年代以前には「パスタブーム」が起こりました。ただし、日本のパスタ消費量の約50%は輸入されています。これらの情報を考慮しても、パスタは日本の食文化において大きな位置を占めており、多様な料理が楽しめることから、日本料理の麺類ベスト3に値すると主張できます。

ラーメン 推進派: ラーメンは、特に第二次世界大戦後の食糧難の時期に日本で人気を博しました。さらに、1958年にインスタントラーメンが発明されたことで、ラーメンはますます広まりました。現在、ラーメンは日本の文化的アイコンとなっており、多くの地域固有のバリエーションや幅広いトッピングが楽しめます。ラーメンは日本全国で人気があり、文化的な影響力も大きいため、日本料理の麺類ベスト3に間違いなく入るべきだと考えます。

日本蕎麦 推進派: 各推進派の皆さんが述べた通り、それぞれの麺類に特徴がありますが、日本蕎麦は日本独自の食文化を代表し、健康にも良いという点で他の麺類と一線を画しています。蕎麦にはタンパク質のアミノ酸バランスが人間にとって理想的で、米や小麦のアミノ酸不足を補完できるとされています(Wikipedia: Soba)。また、そばは風味豊かで、冷たいつけそばや温かいそば汁として楽しまれています。このような理由から、私は日本蕎麦が日本料理の麺類ベスト3に値すると主張します。

うどん 推進派: 皆さんが述べた通り、それぞれの麺類に特徴がありますが、うどんも日本で大変人気があります。特に、四国では73.9%、九州では70.3%の人々がうどんを好んで食べています。また、日本の食文化に貢献している点や、天ぷらやおでんといった具材との相性が良いことから、うどんは日本料理の麺類ベスト3に値すると考えます。うどんは柔らかくてモチモチとした食感が魅力で、栄養豊富な小麦粉を使っています。さらに、各地で独自のうどん文化が根付いており、讃岐うどんや稲庭うどんなど、地域特色あふれる麺類が楽しめます。これらの理由から、うどんは日本料理の麺類ベスト3に値すると主張します。'

gpt-4による判定!

今回の議論で最も説得力のある発言をしたひとはだれですか?

日本蕎麦推進派の発言が最も説得力があります。日本蕎麦の健康面での優れた点や日本独自の食文化を代表する要素を他の麺類と比較して特筆すべきであると述べています。また、風味豊かな味わいや健康志向をアピールする点で、他の麺類と一線を画していると主張しています。これらの理由から、日本蕎麦が日本料理の麺類ベスト3に値すると主張しており、説得力が高いと考えられます。

2位はラーメン推進派だと考えます。ラーメン推進派は、ラーメンが日本全国で人気があり、特に北海道で非常に人気があることを強調しました。さらに、ラーメンが多彩なスープと具材で食べる人それぞれに合った美味しいラーメンを見つけることができるという点や、インスタントラーメンが発明されたことで広まり、文化的な影響力も大きいと述べています。これらの点から、ラーメン推進派の発言も説得力があり、日本料理の麺類ベスト3に入るべきだと主張していると言えます。

3位はうどん推進派だと考えます。うどん推進派は、うどんが日本で大変人気があり、特に四国や九州で高い支持を受けていることを強調しました。また、日本の食文化に貢献している点や、天ぷらやおでんといった具材との相性が良いことを挙げています。さらに、地域ごとに独自のうどん文化があり、讃岐うどんや稲庭うどんなど地域特色あふれる麺類が楽しめることを指摘しました。これらの点から、うどん推進派の発言は説得力がありますが、日本蕎麦推進派やラーメン推進派と比較すると、健康面や文化的影響力などの点で若干劣ると言えるため、3位となります。

どうすれば、パスタ推進派が上位に食い込むことができたでしょうか

パスタ推進派が上位に食い込むためには、以下のような点を強調し、説得力を高めることが必要です。
1.日本の独自性を強調: パスタが日本でどのように独自のアレンジを受け、日本独自のパスタ料理が生まれているかを具体的な例を挙げて説明し、日本の食文化との親和性を強調する。
2.栄養面や健康面でのメリット: パスタの栄養価や健康面でのメリットを具体的に示し、他の麺類と比較して優れている点をアピールする。
3.ジャンルの多様性: パスタが多様な料理ジャンルに対応できる点を強調し、その幅広さをアピールする。例えば、イタリアン、フュージョン料理、カフェメニューなど、多くのジャンルでパスタが楽しめることを説明する。
4.日本国内での生産: パスタ消費量の約50%が輸入されていると述べましたが、日本国内で生産されているパスタのシェアや品質について言及し、日本の食文化におけるパスタの価値を強調する。
5.日本のパスタ市場の成長: 日本のパスタ市場がどのように成長しているか、またその成長の背景にある要因を説明し、パスタが日本料理の麺類ベスト3に入るべきだと主張する根拠を補強する。

これらの点をうまく取り入れ、他の麺類推進派の主張に対抗できるような強力な根拠を提示することで、パスタ推進派が上位に食い込む可能性が高まります。

蕎麦派のエージェントさんおめでとうございました。
ちなみに、わたしはうどんが好きです。🍜

感想など

  • 問題解決に向けた検討を行う際に、事前調査としてAIに検索エンジンなどから気が済むまで課題出しをしてもらうなど、業務にも使えそうです。

  • 他の立場のエージェントの発言を参考にする今回の方法でも十分有用になりそうですが、一定の方向性を出したい場合は、議論をコントロールする役がいても良さそうです。

  • injectメソッドをつかって、討論の途中でユーザーが発言できるようにしても、面白いかもしれません。


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