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読書感想文 『センス・オブ・ワンダー』

 子どもと関わる仕事をしているのに恥ずかしながら読んだことがなくて、ずっと読みたいと思っていた本『センス・オブ・ワンダー』。

わたしたちは、嵐の日も、おだやかな日も、
夜も昼も探検にでかけていきます。
それは、なにかを教えるためにではなく、
いっしょに楽しむためなのです。

センス・オブ・ワンダー レイチェル・カーソン

最近私が思うのは、どうしたら人は幸せに生きられるのかなということで。
変わりゆく世界の中を生きていく、作っていく子どもたちが、幸せに生きるために今私にできることは何なんだろうと思っていて。
難しいことはよく分からないのだけど、
生まれてきたことを、生きることを、幸せなことだと思っていて欲しい、と思う。この本から、そのヒントをたくさん受け取りました。

生まれつきそなわっている子どもの「センス・オブ・ワンダー」をいつも新鮮にたもちつづけるためには、わたしたちが住んでいる世界のよろこび、感激、神秘などを子どもといっしょに再発見し、感動を分かち合ってくれる大人が、少なくともひとり、そばにいる必要があります。

「知る」ことは「感じる」ことの半分も重要ではないと固く信じています。

子どもたちがであう事実のひとつひとつが、やがて知識や知恵を生み出す種子だとしたら、さまざまな情緒や豊かな感受性は、この種子をはぐくむ肥沃な土壌です。幼い子ども時代は、この土壌を耕すときです。

消化する能力がまだそなわっていない子どもに、事実をうのみにさせるよりも、むしろ子どもが知りたがるような道を切りひらいてやることのほうがどんなにたいせつであるかわかりません。

センス・オブ・ワンダー レイチェル・カーソン

「センス・オブ・ワンダー=神秘さや不思議さに目を見はる感性」は、幸せを感じる心に繋がっているのかなと思います。子どもたちは、人は、皆生まれながらにして「センス・オブ・ワンダー」を持っている。でも、いつの間にかそれを失っていってしまう。幸せを感じて豊かに生きていく感性を失ってしまう。だから、大人になると苦しい人が増えていくのかな。
レイチェル・カーソンが言っているような「子どもといっしょに再発見し、感動を分かち合ってくれる大人」に私はなりたい。

本の後半には、「私のセンス・オブ・ワンダー」と題して、福岡伸一さん、若松英輔さん、大隈典子さん、角野栄子さんの文章が載っています。角野栄子さんの文の中で、物語に入り込むことで生まれる「センス・オブ・ワンダー」、想像と創造について触れていて、自分が物語が好きな理由が分かったような気がしました。文の一番最後には「人は何歳からだって、好奇心を持ち、想像力を育み、創造することができると、私は信じています。」とあって、未来の子どもたちを思うのと同じくらい、自分のセンス・オブ・ワンダーに心を寄せていきたい、と思いました。
この本を読んだだけで、もういつもより世界が輝いて見える。
何度も読み返したい本でした。


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