一品一品が芸術品!何度通ってもまた来たくなる「鮨大門」春の章
冬にご紹介した富山県魚津市の「鮨大門」さん。
待ちに待った春の予約の日が来たので行ってまいりました。
あいかわらず目くるめく極上鮨の世界を堪能させていただいたのですが、来るたびにまた次回も、と楽しみに思える場所ってそうそう多くはなく、大門さんはその中のひとつとして自信をもってお勧めできるお店です。
さて、富山で春、そしてすしネタになる海のものといえば、やっぱりほたるいかを想像されるのではないでしょうか。
はい、ちゃんと出てきましたよ。それも期待以上の形で。
もう蒔絵のような、芸術品のような風格のほたるいかの登場です。
釜揚げしたてのほたるいかの下には肝と卵黄のソース。こっくりとしたソースとぷりっぷりのほたるいか、そしてさらに中の肝がさらに絡まり、何とも贅沢な味わいに。ああ、肝のソースが残ってもったいないと思いきや、そこは大将の仕事、すきがない!
シャリを残ったソースに投入!3種の赤酢をブレンドした酢飯は上品で濃厚なソースにしっかりと絡み、なかなか他ではお目にかかれない珍味鮨に。
獲れちゃったズワイガニ。禁漁期間だけれど、網にかかってしまったら仕方ない、美味しくいただきます。時期外れとはいえ、身はしっかり甘く、蟹味噌ジュレといただけば、お酒が何杯も進みます。
生からすみをトロリとかけた炙り白身。生からすみ登場の衝撃に、魚の名前を聞き流す。炙った身は脂がのって、トロンと味わい深いからすみとよく合うこと。福井のお酒、黒龍のクリスタルドラゴンとともに。
マグロのヅケ。口に入れるととろけてあっという間に喉を通り過ぎる。ああ、この時間こそ、至福。
さあ、握りです。ひかりもの好きな友人のために大将がセレクト。
ニシン。ひかりもののトップにこれが出てくるとは、恐れ入りました。脂の乗り具合がちょうどよく、これまた歯で噛まなくてもするっと消えていきます。
さかなへんに春と書いてサワラ。富山に来てよく食べるようになった魚のひとつがこれ。すっきりとした脂、美しい見目でつい食べるときに背筋を伸ばしてしまう。もちろんこれもあっという間に胃の中に。
小肌。意外と富山のお寿司屋に置いている店は少ないのだけれど、ひかりもの好きにはたまらないネタ。さすがです、大将。
ノドグロこと赤むつ。日本海側の寿司ネタの定番、そしてこれを食べに来る人がなんと多いことよ。でも実は私、赤むつより黒むつが好きです。とはいえノドグロもやっぱり美味しいよね。
大門さんの締めは手巻き。今回はウニ。美しいものって、基本味もよい。このウニもとっても美しく、ねっとり、だけどするりと心地よく口の中から消えていきました。
たっぷりと大門ワールドを満喫したあとは、話は次の予約のことに。
「最近夏のネタも結構いいんです。今までは夏以外でといっていましたが、ぜひ夏にもお越しください」と大将。
確かに、夏に大門さんに伺ったことは一度もない。これはこれは、興味深いことを聞いた!
はい、もちろん予約させていただきました。
次は大門さんの夏の章。その日を楽しみに待つことにいたしましょう。
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