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「辻占根性」

 民放各局の朝の情報番組には占いコーナーがある。「毎分視聴率」では各局とも明らかにそこがピョコっとハネ上がるそうで、「占いをハシゴしているお客さんは一定数いる」と聞いたことがある。

 けさの某局では私のおとめ座が1位だった。「蓄えてきた知識や経験が役立つ予感」とあって、「ふむ、なるほど」などと考えている。逆にいずれの局であっても最下位を見せられてしまうと、なんとなく気分が悪い。

 「辻占根性」というタイトルの説教を思い出した。

「宿なし興道」との異名で尊敬された明治生まれの禅僧・澤木興道師「禅談」の一章だ。うろ覚えで申し訳ないが、「おみくじなどで吉だの凶だのが出るたびに一喜一憂することの馬鹿馬鹿しさ」を説いている。なるほど、このあたりは禅僧ならではの冷徹さだな。

どうせテレビの占いなどは新人ディレクターがひーこら泣き言をこぼしながら書いている程度のものなのだから(情報源は秘す)、こうした冷静さを見習いたいと思う。
(22/10/21)

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