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親子でプロ野球を観る時間

 昨夜は次男と一緒に神宮球場でヤクルト対DeNA戦を観戦した。アニメなどオタク系の大学生の息子はプロ野球にまったく興味がない。それなのにどういうつもりか「行ってみる」と言い出した。WBC準決勝における村上の逆転サヨナラ打で号泣していた私の姿を見たのがきっかけになったのかもしれない。
 
 プレイボール前に地下鉄の改札口で待ち合わせだ。球場内の食事は高くて美味しくないというのが“お約束”とあって、路上で売っている餃子・唐揚げ・焼きそば・たこ焼きとお茶を買い込んで座席に陣取る。
 
 私は大洋ホエールズ以来のDeNAファンだが、息子は去年の三冠王・村上のこともあまり認識していないようす。横目でチラチラ観察すると、プレイボール直後からいかにも退屈そう、眠そうなようすだ。「三冠王ってのはホームラン・打点・打率で1位になることで、前者2つは似ているけど、打率との両立は難しいから、何十年に1回しか出ないんだぞ」「申告敬遠ってのは」「リプレイ検証ってのは」「2ストライクからバントをしてファウルになると三振になっちゃうんだ。だからバントの構えだけでヒッティングに切り替えただろ」。面白がってもらうための解説がなかなか忙しい。
 
 試合はDeNAがボカスカとヒットやホームランを量産したほか、7回裏にはヤクルトの無死満塁を0点に抑えるなどして、快勝。リプレイ検証も3回あり、「これは、めったにないほど面白い試合のひとつだぞ!」と力説して帰路につく。
 
 私にとってはなんといっても息子と並んで観戦したという思い出が一番だ。こちらの気持ちがわかっているのか、息子も「父親と観れたのがよかったよ」と言ってくれる。「また来ような!」「そうだね」というやりとりになったが、果たして本当にまた付き合ってくれるかどうかは、心もとないところである。
(23/4/13)

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