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静謐にして荘厳

今月の高野山参拝はさっぱり気分が乗らず、さらに気候にも恵まれないという散々なまま終わった。 

前回の記事がこちら。 
 
それでも、根本大塔の大日如来さまはやはりすごかった。記事に記した通り、内部に入ってお像を見上げた瞬間、その荘厳で静謐なたたずまいにこころも身体もシャキっとさせられたのである。 
 
内部は撮影禁止なのでネットからお姿を見せられないのが残念(>_<)
 
頭に浮かんだのは、明治時代に日本美術を“発見した”フェノロサが薬師寺東塔を見て述べたという「凍れる音楽」という言葉。私の場合は仏像の印象、他方あちらは建築なので方向性が違うのかもしれないが。 
 
薬師寺は40年ほど前に訪れている。ちょうど西塔が再建された直後だっただろうか。上記のフェノロサの名言も知っていたが、まだ佛縁に恵まれていなかったため、東塔についてあまり印象が残っていない。 
 
「美しい」「ありがたい」「尊い」という心情が身体の底から湧いてくる、そんな感覚はなんとも不思議なものだ。わずか半世紀ほどにしかすぎない自分ひとりの知識だけではなく、そこには連綿と続いてきた先人たちの記憶があるのだろうか。ユングの提唱する「集合的無意識」とはこれのことなのだろうか。すこしはお勉強してみたい。 
(21/12/28) 
 

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