バブルの相似形
中国の不動産大手「恒大集団」の経営不振については、大げさに言えば世界中が注目している。
好景気に乗ってイケイケドンドンと不動産投資を繰り返し、サッカービジネスに乗り込んででは金の力で有力選手をかき集める。電気自動車事業への進出は失敗したという。
デジャヴュである。ニューヨークの土地を買い漁ったり、派手なF1チームを持ったりしていた我が国のかつての狂乱ぶりの再現フィルムを観させられるのか。
世界の経済の歴史はバブルの歴史でもあるらしい。
17世紀オランダの「チューリップバブル」では球根1個が家1軒の値段になったというし、18世紀イギリスの「南海泡沫事件」は泡沫=バブルの語源になった事案だ。
バブルの恐ろしさは「調子に乗っている時はそれがバブルだと気づかない」「あ、これはヤバ
いぞと気づいても、もう引き返せない」ということなのではないだろうか。そして、山が高いほど次にやってくる谷の深さに苦しむことになる。
中国政府は都市部に“固定資産税”を試験的に導入する、と報じられた。ハードクラッシュではなくソフトランディングを目指そうとしているのだろうが、巨大船は舵の方向を変えるのにも時間がかかるだろう。
シロウトなりに考えてとりあえず中国関連の投資信託を解約してみたのだが、「下手の考え休むに似たり」、抜本的な対策にはなっていないだろうなあ。
「○○ショック」などと歴史に名を残すような事態がやってこないように願うばかり。
(21/10/24)