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“いまどきネーム”と“古い名前”

記憶に残るオリンピックになった

メダルラッシュに沸いた東京オリンピックが閉幕した。名シーンばかりだったが、後年になってこの五輪を思い出すのは「コロナ/無観客」「ソフトボール決勝戦:奇跡のダブルプレーと上野の涙」「フリークライミング:野中・野口のWメダル獲得」「名古屋市長の金メダル噛みつき」といったキーワードになるのか。

いまどきの名前が多かった女子スケートボード選手

新競技スケートボードの日本勢の活躍も心に残った。そして気がついたのは、いずれも10代の女子選手にいまどきの名前が多かったということ。椛(もみじ)、楓奈(ふうな)、碧莉(あおり)、碧優(みすぐ)、心那(ここな)。おぢである当方としては、ふりがななしではどの名前も読めないものばかり。みんなきれいな漢字だし、いわゆる「キラキラネーム」だと批判するつもりもなく、ただひたすらに「今っぽいお名前だな」と思うのだ。それにしても五輪とは無関係だが、「光宙」(ピカチュウ)などという名前はネタでなく、ホントに存在するのか?

名前は当人がつけるものではないし(当たり前だ)、10代ということは親御さんも揃って若い世代なのだろう。スケートボードはいわゆるストリートスポーツ系なのでそこに相関関係があるようにも思えるが、まあこれだけの母数で判断するのは難しい。そういえば解説者の“らしからぬ”フランクな言葉使いも話題になった。

昭和は遠くなりにけり・・・

昭和30年代生まれおぢの当方としては女性の名前といえばやっぱり「○○子」が当たり前のような気がしてしまうが、実はクラスでもざっくり半数程度だった感覚だ(私の祖母・母・義母は4人とも「子」だが、ヨメは「美」)。さらに上の世代では「ウメ」「トメ」になろうが、それは流石に我が世代にもいなかった。

改めて東京オリンピック選手団の名簿を見ると「子」という名前はほとんど「絶滅危惧種」だ。たまたまバスケットボールは12人のうち3人が「子」だが、これはかなりの例外。あ、池江璃花子さんというビッグネームもいますね。いま10代の子どもたちはまだ社会に出てきていないだけで、きっとスケートボード選手たちのような名前がいっぱいいるのだろう。「○○子」という名前の子はちょっぴり居心地悪く感じているかもしれない。繰り返すが、それがいいとか悪いとかではない。日本語だって名前だって時代とともに変わってゆく、ということだ。

野口啓代選手の銅メダル

スポーツクライミングではこの大会で引退することを明らかにしていた第一人者の野口啓代(あきよ)さん(32)が銅メダルを獲ったのが嬉しかった。古風なお名前も印象的。この種目では銀メダルの野中選手と野口選手がそっくりさんなのが前から気になっていた。というか、馴染みが薄い競技でしかも苗字の1文字目が同じということもあり、長らく区別できずにお一人と認識していたのである。すみません。競技上はライバルでも実生活ではとても仲が良いようで、閉会式では並んで入場してきたのを見かけた。ちなみに野中選手は24歳、名前は「生萌」(みほう)。いまどきである。
(21/8/9)

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