見出し画像

「将来的には撲滅していただきたい」

 けさの某局のニュースを見ていて違和感があった。ニュース原稿で「将来的には●●する方針」というやつである。

 思い返すと自分も現役時代にニュース原稿で使っていたかもしれないが、いかにもくどい表現だ。「に」も取れる。「将来は」でまったくいいではないか。しゃべり言葉ではほとんど使わないので「書き言葉でもったいつけたいとき」につい使ってしまうのではないか。それとも「将来は」と「将来的には」を明確な理由をもって使い分けている記者さんはいるのかな?

 記者になりたての際の原稿指導で「で」を撲滅するように言われたことを思い出した。「自民党では」と書きがちだが「自民党は」でまったく問題ないのである。「で」については、意識するといろいろなところで「ここでこの“で”は不要だな」という場面が出てくるのだが、いまは思いつかないないや。

 私の文章修行のスタートは放送原稿だったので、「耳で聞くだけでもすぐにわかる平易な文章」が基本になっている。そしてそれは放送原稿に限らずあらゆる文章作法の基本。応用として流麗な文章を書くなら、基礎がしっかりできてからやらねばならないのである。

 とにかく。

 「的」を省けばすっきりすることが多いはず。その感覚だけはしっかり持っていたい。テレビ局さんも「将来的には」きっちり撲滅していただきたいことである。
(24/2/19)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?