岡本拓士@ハロモナス

学術研究の支援に特化した(株)ハロモナス代表の岡本拓士です。noteでは、外部資金申請…

岡本拓士@ハロモナス

学術研究の支援に特化した(株)ハロモナス代表の岡本拓士です。noteでは、外部資金申請書作成のノウハウや科学技術政策などについて、代表個人の経験や考えなども含めて発信していきます。 仕事依頼等は halomonas.japonicaアットgmail.com まで

最近の記事

良い研究アイデアであることを示そう [Imbackプロジェクトその6]

目の前の仕事で手が止まってしまいました。同様の状況下で科研費の申請書を書き上げておられる諸先生方へ、深い敬意を表したいと思います。また、簡潔に書くつもりでしたが、やはりここが研究費申請の肝であると考え、また長くなりますが、どうぞお付き合いください。 あなたが良いと思ったことが良い研究アイデア いつも以上に個人的な見解となりますが、申請段階で研究アイデアの良し悪しを客観的に見分ける方法はない、と私は思います[1]。ただ、研究アイデアの良し悪し自体は、科研費の評価システム上も

    • 「良い研究準備ができている」ことを示そう[Imbackプロジェクトその5]

      さて、次は「良い研究準備ができている」ことです。分野にもよるのですが、この項目で何を書けば良いか今一つわからない、という方が結構おられます。多分、研究準備といった際の期間と内容が曖昧すぎるのではないかと思います。どう捉えると良いのか、はっきりとした正解がある訳ではありませんが、私からそういった方々にお伝えしていることが2点あります。 研究準備を良くみせるには - プロジェクトとしての準備 1点目は、この時の「研究」が示すのは、その申請書で計画している内容についてのみであり

      • 「良い研究実績がある」ことを示そう [Imbackプロジェクトその4]

        前記事の各項目それぞれについて、これから取り上げていきますが、ここで示す対処法は、基本的に、どうにかして手札を揃えるための方法です。すでに強い札を持っている項目は、あまり考えなくて良いと思います。そしてこの記事では、「良い研究実績がある」ことを、どうにか示す方法について説明していきます。 この一年で学術論文のある方は、素晴らしい。次の項目へ行きましょう。なお、申請書の記述にあたっても、その論文を中心に組み立てると良いです。そうではない(大多数の)方々は、この項目が何を求めて

        • 研究資金申請はゲーム(的な面もある)[Imbackプロジェクトその3]

          科研費の具体的な話に入る前に、学術研究の競争的資金において、どうすれば採択されるのか、一般的な話を少ししたいと思います。科研費は科研費独特のルールに(半ば無意識に)従うだけで採択されうるのですが、我々は中々採択されていない訳で、競争的資金への一般的理解を深めて外堀を少しでも埋めていく訳です。またこのノウハウは、他の競争的資金の申請書作成にもきっと役立つでしょう。 私が申請書作成支援を行うにあたって、大きく分けて次の項目が書き込まれているか、評価者が読み取れるようになっている

        良い研究アイデアであることを示そう [Imbackプロジェクトその6]

          はじめのエッセイ[Imbackプロジェクトその2]

          20230904追記 気が付けば、このエッセイを書いた翌年の科研費申請も、ほぼ終わってしまいました。しかし、自分の頭が科研費向きになっているうちに、加筆修正して完成させたいと思います。また特にこの「エッセイ」は、自分で読み返していても、長くなってしまったと思います。申請書作成に向けて急ぐ方は、読み飛ばしてください。 Imbackプロジェクトについて このコロナ禍で、研究に大きな影響を受けた研究者の方も多いのではないかと思います。特に、「教育を重視する」大学の教員、つまり

          はじめのエッセイ[Imbackプロジェクトその2]

          はじめに[Imbackプロジェクトその1]

          [Imbackプロジェクト]のコンテンツは、以下のような方々を主な対象として、公的な競争的研究資金制度、特に科学研究費助成事業の基盤研究(C)、若手研究、研究活動スタート支援において、採択されうるために重要な点とそのためのプロセスを示そうとするものです。  ・科研費やその他の競争的研究資金制度には申請しているものの、採択されたことがない、あるいは、何年も不採択が続いている方。  ・様々な事情により研究が止まってしまったものの、立て直そうとしている方。 ・実務家出身で大学教員

          はじめに[Imbackプロジェクトその1]

          はじめに

          株式会社ハロモナスの代表の岡本拓士と申します。独立系研究支援職の肩書を名乗ることもあります。様々な狙いをもって学術研究の支援を中心とした会社を立ち上げたのですが、その中には「研究支援や科学技術政策の知見やノウハウについて、組織に縛られず積極的に発信を行い、循環させ、日本の研究の活力をあげよう」といった野心的なものもありました。しかし、生来の発信への苦手意識やら物ぐさやらで、ほとんど行わないまま今にいたり、書きかけの文章もそれなりに積もったままどんどん古くなっております。これで