🔥 リトル・ファイアー〜彼女たちの秘密

母親の評価は子で決まる現実


アメリカのTVドラマシリーズで1990年代後半のオハイオ州シェイカー・ハイツを舞台にあるWASP一家のワーママが、同情したホームレス親子(ミアとパール)に寝場所と仕事を提供した挙句、ミアに逆恨みされて家の物を盗まれ家庭を崩壊させられる話。出鱈目の身元紹介先を教える不審者の犯罪歴を調べた事が、偽善だの人種差別だのと評価されるのには違和感しかない。終始嘘つきで泥棒は自称アーティストのミア(有名アーティストの撮った作品の被写体ってだけで彼女自身の作品ではない)の方で、金持ちで白人ってだけでエレーナが悪者にされて視聴者に責められるのは、白人の元妻とその恋人を滅多刺しにしておきながら、人種問題にすり替えて無罪放免になったOJシンプソンを彷彿とさせる。

年中反抗期で母親を苦しめるばかりの子が「あんたが親よりミアの方が良かった!」と毎回暴れては喚くのは子どもだから良くて、「こっちだってあんたなんか最初からイラない!」とミアに地獄に引きずり込まれた母がキレて初めて口にしたこの台詞はそんなに責められる程悪いのか?これで毒親認定されてしまう母親は家族のドアマットか?

「親が完璧を求めるから息苦しい」って文句を言う子ども達は、豪華な家で美味しい食事と清潔な衣服を与えられて育ち、好きな事を学べさせてくれる親には暴力も振るわれてもいない。結局のところたまたま三人とも自分達が好きな人に振られて傷心💔なのを、これ幸いとばかりに完璧な母親のせいにして家に放火した正真クズ人間。赤ちゃんを極寒の中放置して凍傷にした癖に、育ててくれている白人宅に押し掛けて「私の子を返せ!」と感謝の言葉もなくひたすら暴れて罵倒する女も人種以前に人として最低のマナーも常識もない。それさえも人種問題にすり替える。

多くの視聴者が人種差別という観点に注目しているが、このドラマの真のメッセージは人種問題ではない。代理出産契約をしている実の親から逃げ回って各地を転々とするこんなイかれた母親の下で育っても問題を起こさない聡明で優秀な学生であるパールと、典型的なWASPの恵まれた家庭に育っても失恋を拗らせて家に火をつけた子ども達との比較で、「ほら!結果的にどっちの子育てが良かったか一目瞭然でしょ。結局は母親そのものより、子どもの出来で母親は評価されるもんなのよ!」って身も蓋もない現実を炙り出した。綺麗事を言う人や子どもがいない人や高学歴の子どもを持つ親は絶対認めないけれど、これは世界共通の事実。母親になって将来抱えるリスクを女性は知っておいた方が良いだろう。

尤も私自身が親戚の家を転々として、まるでパールのような生活だったのに、偏差値の高い学校に入った私の努力は、母の子育てが間違っていなかった事の証明にされてしまう。母の親友は上京して子持ち男性と見合結婚しコツコツ働き乍ら二人の子ども達にそれぞれ部屋と教育の場を惜しみなく与えたのに生憎子どもは成績がふるわなかった。母親業を全うしている自分の子が低学歴で、子どもを毎年転校させたり親戚に預ける母親失格の女が偏差値の高い学校に通っている子どものお陰で母親として高評価される社会の理不尽を彼女が不快感に思ってたのは子ども心にも理解出来た。かたや子どもの教育も将来も眼中になくて、男作って離婚して同棲して重婚して離婚して、と終始無計画で恋愛優先で生きて来ても、グレる事なく一流校に通っている子どもの存在で一気に母親としての自分を正当化できた母を間近に育ったから、「教育なんかいいじゃない。学歴にこだわるママじゃ子どもが可哀想」と綺麗事を言う人が大嫌い。


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