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「できません」と言えた自分を、褒めてあげたい

ここ1ヶ月、生きた心地がしなかった。

時計の針に鉛が付いてるじゃないかってくらい、1日1日が過ぎ去るのが遅い。

朝が来るたび、「今日は生き延びれるだろうか?」と不安になる。

これはあれだ、前にやった陥ったやつだ。

私はあれから何も変わっていなかった。

昨年4月に10年勤め上げた「ザ・日本の大企業の縮図的なお堅い企業」をやめ、「外資でITでイケイケドンドンだぜー!いえふー!」と、転職をした。

前の会社が石橋を叩いて叩いて渡る前にぶっ壊す体質だったとしたら、今の会社は吊り橋が崩れる前に渡り切ればいいと。何なら落っこちても泳いで渡って向こう岸に行けばいいんじゃん☆的な体質で。

これまでと何もかも違いすぎて、今までずーっと嫌だったことが全部ひっくり返ったような面白い環境で。

もちろん自分の不甲斐なさに打ちひしがれることは幾度となくあったけど、新しい環境で、新しい私で、ここまで乗り切ってきた自負があった。

それなのに。

少しずつ溜まった澱は、いつの間にか私の心を埋め尽くし、真っ黒に染めていた。

新しい環境で、新しい私で、この新しい居場所で、みんなの役に立ちたい。

一見前向きに見えるその思いはコンプレックスの裏返しだと、気づいたのも束の間。

いやきっと、気づく前から既に散々溜め込んでいた負債のせいだろう。

明日が来るのが、怖くなった。

朝になっても、1日が始まるのが怖くて、布団から出られない。

朝起きたらコツコツ書き溜めていた、人生の最も重要な一部とまで思っていたnoteを書くことでさえも、いつの間にかできなくなってた。

新しい環境で、新しくなったつもりの私は、全然新しくなんてなってなかった。

頑張って、期待されて任されて、その思いに応えたくてまた頑張って。いつだって、「まだ足りない」って思ってた。

誰かが期待して任せてくれようとする仕事を、「できません」って断ったら、自分の価値は無くなると思っていた。

どんな時でも結果を出して、「できる」自分でいたかった。

つまり私は、自分のことを許せないままだったのだ。

そして、あんなにワクワクして飛び込んだ会社を、もう辞めたい、とまで思ってしまっていた。

日曜になると、胸が不安に浸食されていって。
月曜になると、ああまた今日も1日生き延びれるだろうかって、不安に埋め尽くされた。

そんな私を見兼ねた夫に、慰められ、怒られ、促されて、ついに私は崖っぷち立たされた。

「もうできません」って言うんだ、と。

振り返ってみれば、私のスケジュールは毎日打ち合わせでびっしり埋まっていた。

お客さんのミーティング、社内プロジェクトのミーティング、勉強会、定例会…

夫は「貯金ができない子みたい。どんどん使っちゃうんだね」と言った。

時間貯金を、あったらあっただけ使い果たしてしまっていたのだった。

お客さんとの案件も、社内プロジェクトも、少しずつ歪みを見せ始めていることに、見て見ぬふりをしていた。

これは、「できません」って言うしかない。

まず針治療に行って心身を整えて、上司に30分だけ時間をもらった。

怖かった。けど、正直に話した。そしたら、怒られた。

「あなたは仕事をする社会人である前に、家族を持つ妻であり、母である。家族に代わりはいないんだよ」と。

そして上司は迷うそぶりもなく、「誰かに渡せる仕事はある?自分にしかできない仕事以外、渡して」と言った。

「頑張ってくれるのは嬉しいけど、体調を崩されたらもっと悲しいから」と。

それが本音なのか、はたまた管理職として社員を病気にさせるわけにはいけない建前なのかは、わからなかったけど。

それでも私の「できません」は、いとも簡単に受け入れられたのだ。

言えない、と思ってたのは、私だけだった。

いつも自分のことを、足りない、足りないって思っていたから、できないって言ってしまったら、マイナスだと思ってた。

だけど、できないことはマイナスじゃなくて、0でしかない。

代わりに誰かがやってくれれば、それは1以上になる。

私は、私にできることで、1以上になればいい。

ただ、それだけのことだった。

頭も内臓もずっと、ギューっと萎縮していたものが、弛緩していくのを感じた。

前の会社でつまづいた失敗に向き合って、今度は一歩前に進めた。

よく頑張ったね、私。

そうやって自分自身のことを、認めてあげることもなかったし、できない自分を許すことができなかった。

他の誰でもない、私が私を、許して受け入れてあげること。

まだ小さな一歩だけど、これからも私の側で私のことを許して、認めて、励ましてあげられるように。

これからの私、頼んだよ。

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