僕の好きな詩について 第二十一回 三好達治

僕の好きな詩について語るノート、第二十一回目は「三好達治」です。三好達治と言えば「雪」、と言うくらい太郎と次郎の屋根に雪が降りつんでますが、今回は別の詩です。

では。
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「憩ひ」三好達治

ふつくらとした雪の面の 疎林の影の美しさ

ここに私は彳(た)ちどまる 聖なる正午

この丘のほとりにあつて 歩み去る時を感ずる

旅人の 年老いて疲れた心の 沈默(しじま)の憩ひ

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奇しくもこちらも雪の詩ですが、他意はありません。詩人の人生の小休止を描いているようで、シンプルに綺麗だなと思います。

この詩の初出は1936年、氏36歳の作品です。三好達治は萩原朔太郎の弟子で、師である彼の年の離れた妹とかなり無理矢理な結婚をして失敗したりしています。

三好達治の本と言えば、僕の中では「詩を読む人のために」が本当におすすめです。日本の現代詩の流れと「詩の読み方」が丁寧に書かれていて、詩を書く方は皆様是非一度読んでいただきたい名著です。

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