懺悔の夜

6月5日
午前中、友人の誕生日プレゼントを彼女の自宅に届けてから、ライブ会場に入るつもりだった。

寝床にて、ヴーヴーというスマホのバイブ音が響き渡る。
アラームか……?と思いながら画面を開くと、友人からの着信だった。それと同時に色々察し、電話に出て開口一番
「ごめん今起きたわ」
と謝罪した。時刻は昨日友人宅に伺うと設定した時間。そう、完全なる寝坊である。
「全然大丈夫!昨日『劇場の入りが13:30』って言ってたから、今起きないと間に合わないだろうと思って電話したわ」
と彼女は言ってくれた。優しさがありがたいし、気の利かせ方がもはやオカンである。彼女とはライブ終わりにごはんを食べることを約束し、そこで渡せるようにプレゼントを持って家を出た。おかげで遅刻することなく劇場に入れた。

本日は新宿の劇場でライブを2本。漫才のマイクやコントの道具の出しハケをする場転の仕事だ。
何度となくライブスタッフをしているが、机と椅子の量が多いコントは、出しハケに手惑いもどかしい気持ちになる。今日のライブは優しい演者さんが多く、「椅子、自分たちで出しますよ」と協力的な方が手助けをしてくださって大変助かった。ただ、スタッフとしてはダメダメなので、素早く静かな場転を心がけようと思う。

夜、彼女とサイゼリアで食事を摂っていると、2人のスマホにLINEの通知がやってきた。受信したメッセージを読み、そして食事をやめた。
一緒に携わっている案件に関するものだった。それも、自分たちのミスに関わる話。とにかく悔しかった。彼女もそうだと思う。
悔しくて、悲しくて、自分が嫌になるが、でもここで立ち止まるのはもっとダメだろう。最善を尽くすために今後どうすべきか、彼女と別れた私はひとまず終電車に乗り、自己反省の旅に出た。

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