刹那と永遠

旅先で写真を撮る。
雄大な自然。美しい建築物。美味しい食べ物。
様々な写真を撮るが、その中でも特に好きな被写体は一緒に旅行する友人たちだ。

友人と旅行すると、行く先々でたくさん集合写真を撮る。
みんなでポーズを決めて撮る集合写真も好きだが、「はい、チーズ」の掛け声でシャッターが押されるまで、なんだか妙に構えてしまって。そこ写る皆も楽しそうで良いが、ちょっぴり作り物の表情に思ったり思わなかったり。
それより、何気なく撮った顔に趣を感じることがある。何かに集中してこちらに全く気づいていない顔。予告なしで撮った気の抜けた顔。笑いすぎて少し崩れた顔。
どれも不意打ちとしか言いようのない、飾り気のない表情。だが、そんな偶然の一枚の方が旅行をよりリアルな思い出にしてくれることもある。

何気ない刹那を、写真はかけがえのない永遠にする。
だからついつい、今日も旅行での写真を眺めては、あの時の楽しさを鮮明に感じるのだった。