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広告業界は今こそ「シャッフル」を。私たちの願いは、クリエイターが再び輝ける場所に立つこと。

株式会社ホールハートエージェントではこの度、広告業界への新たな支援として「広告業界からの転職支援」を開始しました。業界を取り巻く大きな変化の中で悩んでいる方々に、事業会社へのキャリアチェンジなど新しいキャリアの選択肢をご提案させていただきます。

なぜ広告業界の転職を支援してきた私たちが、今改めて「広告業界からの転職支援」に注力するのか。まずは大手クレジット会社、帝国データバンク、そして宣伝会議とマスメディアンを経験してきた私小野のキャリアの背景と広告業界との関わりからお話しします。

宣伝会議での人材紹介事業立ち上げは苦難の連続

私が帝国データバンクの調査員として働いていたのは90年代のこと。当時、人材事業といえば人材派遣を想像する人がほとんどで、人材紹介もそのほとんどが外資系企業役員のヘッドハンティングを対象としていました。今のような人材紹介というビジネスは、まだ世の中に浸透していなかったのです。

そんな中で、調査先のひとつとして出会ったのが宣伝会議です。代表の東英弥さんとさまざまな話をさせていただくうちに、「広告業界を中心とした人材紹介事業を始めるから一緒にやらないか」とお誘いいただきました。転職活動をしていたわけではありませんでしたが、「30歳前後で独立したい」という思いも持ち始めていた頃。東さんの「1年やってうまくいったら社長にするから」という言葉に惹かれて入社することにしました。

入社して最初の1年は、私も含めた3人で事業の立ち上げを行いました。宣伝会議が主催する「コピーライター養成講座」や自社の雑誌への出稿など、独自ルートを通じて広告業界の方々がどんどん集まってくるものの、広告業界のことをほとんど知らず、話を聞いてもその内容を理解できていなかった私は、ここで大きな苦難を経験します。職種はコピーライター、アートディレクター、CMプランナーなど多岐に渡り、所属も広告代理店、制作会社、PR会社などと幅広い。そんな中でクリエイティブのセンスが高いのか低いのか、現状の能力で希望する会社に行けるのか難しいのか、見極めるのはとにかく難しかった。紹介してもほとんど落ちてしまうなど、本当に日々苦しみの連続でした。

実際、2001年3月に入社して事業を始めたものの、8月時点で数百万円しか売上があがっておらず、東さんはもちろん求職者の方々の期待にも答えられていないのではと悶々としていました。

クリエイターの能力に徹底的に向き合うことで、急成長を遂げたマスメディアン時代

そうして事業が伸び悩んでいた頃に、紆余曲折を経て立ち上がったのがマスメディアンです。当初は他社との合弁で人材紹介事業を行う会社を立ち上げる予定だったのですが、土壇場で独自に会社を立ち上げることになり、私が代表を務めることになったのです。結果的にマスメディアンは、後に社長を勤める加藤をはじめとする優秀なスタッフが入社してくれたこともあり、2年目で約1.7億円、6年目には約12億円の売上をあげるまでに成長しました。

マスメディアンでは当時、年間1,000人近くの人材紹介が決定していました。やはりCMプランナーやコピーライター、グラフィックデザイナーなどの仕事内容が特殊であるがゆえに、私たちのように転職活動を支援できる人がほとんどいなかったのです。決定率も高く、3,4人面談したら1人決まるような状態でした。

それができたのは、最初の2,3年で徹底的に彼らのアウトプットや能力に向き合い、「この人はこの絵の何をデザインしたのか」「このコピーはどういう流れで出来上がったのか」など、一般の方にはわからないであろうことまでクリエイティブに対する理解を深めていったからだという自負があります。

当時最も多かったのは制作会社のデザイナーの転職ですが、彼らの能力を見抜くには、広告会社や制作会社の関係性、発注経路、それぞれの中にいる営業やクリエイティブセクションの関わり方なども考慮しなければいけません。広告代理店の営業から発注されるケースもあれば、クリエイティブディレクターから発注されるケースもあって、それを直で受けるケースもあれば、間に自社のクリエイティブディレクターが入るケースもある。その上でそれぞれの案件における役割や関わり方を細かく聞かなければ、彼らの真の能力やセンスは見えてこないのです。

このようなことを積み重ねた結果、マスメディアンはクリエイターの能力を判断する力を磨き、それを強みとして大きく成長してきました。

長期的にブランドを育てるクリエイティブの力が、今再び求められている

その後ホールハートエージェントを立ち上げて今に至るまで約20年の間、数多くのクリエイターにお会いし、2万人以上の転職支援を行ってきた中で感じるのは、やはりその才能は生まれ持ったものであるということ。私はその才能に強い尊敬の念を抱いています。

ただしこの20年の間に、デジタルの台頭によってクリエイターに求められるものは大きく変化してきました。スマホで見るような小さなメディアばかりになり、表現できる面積がなくなってリスティング広告へと置き換わっていく中で、主流となったのは中長期的に認知をとるような情緒的な表現ではなく、不安を煽ることで瞬間的に反応を獲得するような広告です。

そのため、長いスパンでブランディングを考えていくからこそ強いコピーや映像、デザインが求められ、それらを生み出すクリエイターのセンスとパワーが輝いていた頃と比べ、彼らが能力を発揮できる場はほとんどなくなってしまいました。5歳の頃に見たCMで「いつかあの車を買いたいな」と感じさせ、30歳になった頃にそれが実る……なんてことが、起きにくくなってしまったのです。

しかしここ最近、さまざまなメーカーやブランドで、長期的な視点に立ったブランディングができる人がいないということが問題になりはじめているのをご存じでしょうか。短期的な獲得に対する施策は打っていたものの、長期的にブランドをつくっていくための取り組みを怠っていたために、簡単にブランドスイッチが起きてしまっているのです。しかし、この20年のデジタルが牽引した広告業界では、そういった表現ができるクリエイターが育っていないため、現状のメンバーでは太刀打ちできないのです。

そのような状況を受け、従来の広告会社のクリエイターが持っている、長く売れ続けるための仕組みとして広告をつくる能力やその経験が、今再び求められはじめています。それらを持ったクリエイターの中には、広告代理店や制作会社の中で獲得型の広告になじめずに苦しんでいたり、会社の状況が悪化して先行きに困っている方もいるかもしれません。しかし、必要とされる場所に移ることができれば、能力を活かして売れる仕組みづくりに貢献することができるはずです。

広告業界の輝きを取り戻すために「シャッフル」を

正直な話、私は「このままでは広告業界は終わりを迎えてしまう」と危惧しています。大手代理店は残るとして、それ以外はすべてなくなる可能性さえあると感じています。

私が願うのは、そうなる前に事業会社、デジタルマーケティング会社、そして広告会社で「シャッフル」を起こすこと。広告会社にいる方々も、ブランディングに課題を感じてその能力を求めている会社に移ってみたら、再び輝ける可能性がおおいにあります。お互いがそれぞれのテリトリーの中で考えているだけでは、広がりは生まれません。シャッフルすることこそが、今この広告業界には必要なのです。

私は宣伝会議、そしてマスメディアンの時代から、毎日クリエイターの皆さんの話を聞いて、彼らがどんな能力を持っているのか理解できるように努力してきました。やっとそれが分かるようになって、そのキャリアを支援する中では、彼らが転職後に素晴らしい仕事をしているのを見かけると本当に嬉しかったものです。駅に大きなキャンペーンポスターが貼られたり、渋谷の街をジャックしたり、そういった仕事ぶりを見ては心を震わせていました。

そんな自分に今の立場があるのは、やはりマスメディアン時代があったから。だからこそ、その頃から業界をつくってきたクリエイターたちがどんどん悪い状況に追い込まれているのをただ指をくわえて見ているだけなんて、できるわけがありません。沈みゆく広告業界に引きずられることなく、元気な会社、求められている会社への転職を支援することで、恩返しがしたいのです。

ホールハートエージェントでは人材紹介はもちろん、広告業界を中心とした事業継承・M&Aの仲介事業も行っており、さまざまな形で広告業界の輝きを取り戻すための「シャッフル」に本気で取り組んでいます。本来輝ける能力を持っている方々が、その居場所によってくすんでしまっているのであれば、一緒に輝きを取り戻すために汗を流したい。それはもう、「私がやらなければ」という使命感のようなものだと思います。

まずは私小野と、どこであなたの能力を輝かせるかお話ししましょう。無料のキャリア面談は、以下の公式LINEから友だち登録の上ご予約いただけます。

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