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はじめてデザイナーを雇う会社はいきなりデザイナーを雇ったら失敗します

時々「今度会社ではじめてデザイナーを雇うんです」といったような話を聞くのですが、デザイナーがいない、もしくは自社がデザインを扱ったことがない場合にとてもよく起こるミスが「デザイナーを雇う」ことです。

本当にこれは昔からずっと変わらないのですが、いきなりデザイナーを雇ってはダメです。こういった会社は得てしてデザイナーさえ雇えば自分好みのかっこいいデザインができて、周りも「あの会社かっこいい!」と言って売り上げも上がるとなぜか思ってますがそんなに都合よくいきません。


じゃあどうすればいいか?
まず雇うのはデザイナーではなく、デザイナーに適切に指示できる「アートディレクター」です。アートディレクターを雇って社内で大幅な権限を持たせて(デザイン部 部長くらいの)他の社長・役員・営業と適切に話ができる状態を作り上げてからでないとデザイナーは雇っても効果を出しません。

なぜ上記のような状態を作ってアートディレクターを雇わないといけないかというとアートディレクターはデザインの「監督」だからです。

例えば野球の監督は野球やったこともない、ルールも知らない人がいきなり監督をやることはありません。「野球なんか知らないけど監督やります。誰でもできるでしょ?」と言った人が出てきたら「コイツなに言ってんの?」となってみんな無視すること間違いなしです。

デザインも同様でデザイナーは野球における「選手」です。実際にPCでデザインを作る役割を担います。じゃあ監督は誰かとなるとデザイナーに「こんな感じのもの作って」と指示する人が監督になるわけです。これ誰でもできると勘違いしている人が多いですが、結構ハイレベルな作業で社内の意見をまとめ、商品の価値を定義し、お客様の視点から見て求められるデザインを脳内で定義してはじめて「(思考の結果)こんな感じのものを作って」と言えます。

素人だとこの考えに及ばない人がほとんどなので、全部デザイナーがなんとかするものだと勝手に思い込んだ上で、自分の好きな(趣味みたいな)デザインを作れと言い出す。そして何も考えてない指示を出しておきながら、結果はこれじゃないとデザイナーの責任にして作り直しを命じる(以下エンドレスリピート)

また、もちろん本来ならばデザイナーから上がってきたデザインを見てコンセプトの整合性やクオリティチェックも判断しなければいけないのですが、できるはずもなく自分の好き・嫌いのみの判断で個人の趣味みたいな修正を出す...。これを延々繰り返すので大体デザイナーも辞めて、会社としてもうまくいかないことが多いです。

なのでまずは社内の意見を適切にまとめて、正しくデザイナーに指示できるアートディレクターが必要です。デザイナーはそれから。
その2つがうまくいくと劇的にデザインが良くなります。
ほとんどの会社が実践してませんが、本当に上記2つで良い方向に進んでいきます。

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