見出し画像

プロのデザイナーが教えます。 商品PRのデザインの作り方(一般の人向け)

こんにちは、東京 文京区のデザイン事務所 Half Moon Journey です。

Half Moon Journeyでは商品やイベントのプロモーションデザインを多数制作しておりますが、今回は僕の経験からのコツみたいなのを少し書いていきたいと思います。特にデザイナーではないけれど自分でデザイン作ってるよ!という方にはお役に立てる内容だと思います。


商品PRのデザインの作り方3つのポイント

(その1.)販売者側の言いたいことをすぐ言わない
よく経営者自らが作ったりするチラシにありがちですが、いきなり自分の考えるメリットをどーんと書いて、あとはそれを補佐するように横に写真を置くパターン。もうね、あぁ…という感じです。
これはいきなり家に入って「買って!買って!!」と連呼してくる営業マンと同じです。そういう人が来たら「嫌だな」とは思うけれど、「買おう」という気分にはならないはずです。ただ、このチラシデザインではそういう風になってしまってます。

じゃあ、どうすればいいのか?
まずはお客様に興味を持ってもらえそうなイラストやビジュアルを使うのです。野菜なら畑で収穫した直後の新鮮そうなシーンとか、野菜を使った料理の写真とか。コーヒーマシンなら挽きたてのコーヒーを入れるシーンやコーヒーのある豊かな生活みたいな情緒系の写真を大きく載せるのです。

これによって興味がある人は見てくれるようになります。いきなり「うちの商品良いよ!」みたいなことを販売者側が大きく言っても「売り込み感」が強く出て見てくれないのです。まずは相手の興味になりそうなことを打ち出す。これがとても大事です。

値段とか商品名は最後に。大きく記載する必要はないのです。興味がないのに大きく書かれたところで買うことはない。あなただっていらない物の商品名を大きく見せられたって購入しようという気分になった事は一度もないでしょう?逆に欲しいと思ってもらえれば商品名が小さくても買うのです。
とても当たり前の心の動き方ですが、いざ販売する側になるとなぜか商品名や値段を大きく見せたがる人が一定数います。断言しますが今すぐやめてください。意味ないどころか大きなマイナスにしかなりません。押し売りと同じやり方は広告では絶対通用しません。まずはお客様に興味を持ってもらう。これが一番重要です。


(その2.)お客様にとってのメリットを訴求する
例えばチョコレートのwebサイトやチラシなんかで「彼女が買ってきたお菓子を見て「チョコなんてみんな同じだよ」と彼氏が言った。でも食べたら違った。それ以来彼はそこのチョコしか食べなくなった。」みたいなキャッチコピーを書く人がいます(マジで)。残念ですがそれは自分に都合よすぎです!買わないでしょ、こんなんじゃ。

作った本人はチョコ製作に自信があり、うちはよその商品とは違う!という自負があると思うのでこんなの書いちゃうと思うんですが、それは作ってる本人の都合であり、(特に初見の)お客様は販売者の思いなど知る必要はありません。「商品」だけを見て買うかどうか決めるのです。思いの強い・弱いでは購入検討にすら値しないのです。

また、一般のお客様ほど品質の微差などわからないことが多いし、特に気にしませんが、一生懸命やる製作者ほどその微差に凝ることが多いです。そんなに凝ったってそもそもそこが商品購入の決め手とならないのであれば、大きな声で訴求されても困るのです。

例えばチョコレートの場合100〜200円の低価格商品も多く、ここで満足するこだわりのない人にこういうキャッチコピー書いたって反応しません。そもそもチョコに興味ないもん。この場合まず買っていただけそうなのは「既にある程度チョコに興味がある人」が対象になります。

全く興味のない人に商品を購入してもらうのはとてもハードルが高く、デザインでもマーケティングと同じくペルソナ設定が重要です。まずは「告知すれば興味を持ってもらえそうな人」を洗い出し、そこに打ち出す広告内容を考えましょう。お客様起点のメリットを考えるのです。リサーチするのです。逆に販売者のこだわり全開で作ってしまうとお客様を見失いやすく、独りよがりのデザインが高確率で出てきてしまうので注意しましょう。


(その3.)言いたい事に言いたい順番をつけましょう。
これもデザイン自作してる方に多いんですが、書いてる内容を全部大きく書いたり、はたまたみんな同じサイズで書いたりしてるパターンです。コレ、純粋に読みにくいです。あと、情報に強弱がないので目線が泳いでしまいどこから読めば?になりがちです。
デザイナー視点から言うと、情報を全部同じ大きさで書いたり、強弱が弱いと素人丸出しのデザインに見えて、一発で「あっ、その辺のおっちゃんが作ったな」とわかります。素人感出ると商品自体が舐められて見られる回数減りますよね…。

では、どうすれば改善されるか?
チラシの場合、大抵はA4サイズで紙面に限りがあります。webサイトのランディングページの場合、書きたいことを書きすぎちゃうと辞書みたいな文字量になるので誰も読まないですよね。
だから言いたい事に順番をつけるのです。地味に見えるかもしれませんがとても大事な事です。デザイン業界では情報整理と言いますが、伝えるべき事から順番をつけていきます。

なぜこんなことをするかと言うと、お客様の興味が持たないからです。はじめてチラシやwebを見たお客様は、商品に興味が高い状態ではないので、長いと途中で飽きて見なくなってしまうのです。

具体的には…、
1.お客様に興味を持ってもらえそうなキャッチコピー&メインとなる写真やイラストなどのビジュアル。
2.商品説明文要約
3.商品名・価格

をとりあえず書いといて(↑上は絶対見て欲しいラインですね)、
それから…、

・商品の詳細説明
・店舗名
・URL
・地図

等、2番手となる情報を書いていきます。

こうする事によってお客様が飽きても絶対見て欲しい情報は見てもらえますからね。情報記載の順番も地味に大事だったりします。また、情報自体にメリハリがついて断然読みやすく、しかも紙面にリズムがつくので素人感がだいぶ減ります。


デザイン事務所時代に「デザイナーの実力が知りたいなら商品スペックを見ろ」と上司のデザイナーに言われた事があります。商品スペックというのはお菓子のパッケージなんかの裏に書いてある「ナトリウム00g、カラメル00gとか、企業名、住所、お客様相談室のTEL」とかああいうやつです。あれって文字情報ばっかりですよね。しかも誰も見ない。

ああいうつまらない情報をお客様が見た瞬間に必要な情報に素早くたどり着き、しかも情報に強弱をつける事によって紙面に緊張感が生まれ退屈にならない。その上で見やすい。パッケージの表側はデザイナーなら誰もがやりたいから一生懸命頑張るけど、誰も見ない裏面の情報整理にこそデザイナーがどれだけちゃんとやってきたか、油断しやすいその部分にこそ実力が出るというお話でした。

僕はその話を聞いて「なるほどなぁ」と思いましたが、デザイナーにとって文字の強弱、情報整理というのはそのくらい大事な事なのです。なので、「言いたい事に順番をつける」こともぜひ気にしてやってもらいたい部分です。ここを意識してやるだけでだいぶプロっぽいデザインになりますよ!


以上、デザインのコツを書いていきましたが、上記の3つ、たった3つを守るだけでかなり良いデザインになると思います。自分で見返して見てもコツというか、新卒のデザイナーに教える内容になってましたからね(笑)参考にされても損はしない内容になってると思うのでぜひやって見て欲しいです。

ちなみに…、うちはデザイン事務所なので難しかったり、デザイナーに頼もうと思ってる場合はぜひうちに頼んでくれると嬉しいよ!

最後までお読みいただきありがとうございます。励みになりますので「スキ」ボタンも押してもらえると嬉しいです。