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「紫陽花少女」解説補足入り全文 by OBA

各サブスクにて配信中
「紫陽花少女」HALF LEAF
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ハーフリーフ新曲「紫陽花少女」
新曲とありますが5年前の2015年にすでに製作・録音済みのものです。
この曲の解説として、現ボーカルOBAが2015年6月25日に書いた解説を掲載いたします。(紫陽花少女は当時のボーカルshu takahashiが歌っています)

音楽的な事が一文字もないので付け足しますと、アレンジって大事って事です。

数値化できない「センス」はその人特有の物。

ハーフリーフというバンドのセンスを1番分かりやすく表現してる曲ですのでこの曲が良いと思った方は他の曲もお試し下さい。


halfleafの新曲「紫陽花少女」解説


「四季」を強く意識し始めたのはいつ頃からだろう。

暑い寒いという話ではなく、その時期にしか見ることができなかったり感じることができない事象に対して、思いを馳せ尊いと感じ愛でる今日この頃。

家と職場を往復するだけの毎日。電車に揺られ視線はいつの間にか下に下に。

これまでもそこにあった筈なのに、視界に入っていなかった花や風そして、匂いまでも身体に入ってくる感覚に感動すること位しかトピックスを感じなくなってる自分にちょっと違和感を感じて、喉の奥が少しむず痒くなったり。

そんな毎日の繰り返しの中で、世の中には驚くほど沢山の人が暮らしていることも実感するわけで。

まるで鏡を見るかのように自分と同じような境遇にあるであろうサラリーマン。

産まれたばかりの赤ちゃんを見つめ、自分以外に大事な何かがないと出てこない自然を超えた笑みを浮かべる若い母親。

長い年月が作り出した美し過ぎる皺を芸術的に映し出す老夫婦。

かつては自分もそうだったように、全てが新鮮で、全てが分からなくて、全てが楽しくて、全てにムカついている高校生。


その中で、眩しすぎる位に映る高校生の男女の姿に昔の自分を照らし合わせてみる。

遠い記憶を手繰り寄せてみるけれど、断片的にしか思い出す事ができなくなっている事実。

その断片もきっと自分の都合で書き換えられていることは薄々勘付いはいるけれど、書き換えたところで誰かを傷つけるわけでもないし、この際綺麗に塗り直し。

けど、どうしたってネガティヴな映像が浮かんでくる。

あの映画のセレクトはなかったな。

あの店のオムライスはきっとあの娘の口にあってなかったな。

あのプレゼントは箪笥で熟成された後、引越しのどさくさに紛れて捨てられたな。

あの日言われたあの言葉の意味はなんだったんだ。

あの頃と何も変わってないじゃないか。

今また、あの頃に戻ったとしても、きっと同じようにあの坂道をただただ並んで歩くことしかできないし、音楽室から聴こえるクラリネットの音色を聴いて待ってるしかできないだろう。

ただ言えるのは、聴こえてくるクラリネットの音色やあの娘のなびく髪、そこに咲く花や流れる空気を愛おしく感じるだろう。

それはその時にしか味わい感じることができないものだと分かったから。

6月に顔を出す夏をフライングするかの様な空と、それを嘲笑うかのように降る雨の下に咲く紫陽花を見つめながら。

そんなあの娘は紫陽花少女。


「紫陽花少女」


作詞 shu takahashi
作曲 makoto obiya
編曲、演奏 yusuke nakazawa

細い雨が 続いていたんだ
もう何日も 飽きずに止まずに

光を染み込ませてるみたいだ
濡れた緑は 暗いのに 鮮やかに

映り込む 窓ガラス溶けてく
混ざり合う 懐かしい遠い記憶

ありもしない 姿を見る

咲く場所や時の経過で 花の色を変える 紫陽花のよう
付箋をつけてた 場面をひらいた
そこにいる 君をこう呼ぼう 紫陽花ガール

深いところまで 根は拡がっていた
君と過ごした 短い間に

覚えてる 駅までの坂道
笑い合う 別れがたいベンチ

初めてのこと ばかりだった

小さな萼をたくさん集めてひとつとなる紫陽花のよう
6月とクラリネット 低い空の下でも 強い陽射しでも 紫陽花ガール

しまっていた傘は なくしてしまった

君から見れば 僕は 少しも進んでいない カタツムリのよう
だからこそ この季節の雨は 悪くない って そう思うんだ 紫陽花ガール


「紫陽花少女」視聴配信中

YouTube「紫陽花少女」MV 
https://www.youtube.com/watch?v=l8MKX0zQKGQ


各サブスク「紫陽花少女」音源
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