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赤字だった塗装工場を黒字化させるまでの道のり③

工場の専任技術員として

工場に転籍をして、早1ヶ月
普段着がスーツから作業着に替わりました。
当時生産をしている製品の改善を行いました。
現場のメンバーとQCサークルを行ったり
改善活動に従事をする事になりました。
そんな時に、当時の工場長から他の仕事を手伝って欲しいとの話がありました。

仕事を依頼されたらとんでも無い事に

転籍から3ヶ月程度経過した時に、そんな依頼をうけました。
はっきり言うと、工場の技術だと、忙しかったですが、
1ヶ月に数時間程度の仕事でしたので、了承しました。
依頼されたのは、経費の確認でした。
事務が作った経費集計と、請求書のチェックでした。
これが、後に大事に繋がるとはこの時は思っていませんでした。
チェックをしていると、
ふと〇〇運送の請求書が目に入った。
当時約10万円の請求書であった。
その時思ったのは、
(傭車ってあったかな。)
傭車(ようしゃ)とはトラックを借りた配送の事をいい、
この時に頭に浮かんだのは5t車なら3万円(3回分)、10t車なら5万(2回分)
しかし、工場から一歩も出ない自分が、一度も傭車を見ていない。
そこで何気なく、事務の担当者Hに尋ねた。
「これって何の請求書?」何気なく聞いた。
答えとしては、(傭車です)と返ってくると思っていたが、
違う答えだった。
「それは、外部倉庫借りてるんです。」
「は? 何故?」
現場に置き場所はかなりスペースがある、しかも赤字で改善活動やっているのに何のために借りてんだ。
「いや 前から借りてるんです。」
業務のHは若干口ごもった
「じゃ見に行こうか」
横から、当時の工場長Yが声を挟んできた。
正直そこまで、係わるつもりは無かったが、Y工場長と車で出かける事になった。

在庫の山を発見

工場から15分ほど走って、近くの倉庫に到着
倉庫の中では、パレットが積み上がっていました。
上の方は判らないが、数えたら20パレットはありました。
そしてパレットに乗っていたのは、PC(ポリカーボネート)やエラストマーなど、それと段ボールなどがありました。
中身を見れないので、
Y工場長と相談の上、すべての在庫を工場にもどす事になりました。
次の日に工場にすべての在庫がもどってきました。
調査した結果わかったのは、すべてデットストックだったという事です。
つまり、必要の無い在庫だったとの事です。
何故外部の倉庫に使わない材料を保管していたかは、正直どうでも良いので追求しませんでしたが、
まあ、工場内で在庫をしておくと都合が悪かったという事でしょう。
次の日になり、在庫が帰ってきた。
やはり調べたら20パレットありました。
材料も未使用未開封の在庫が10tありました。
それと 段ボールを開いてみるとすべて、出荷品の返品つまり不良品でした。
つまりすべて デッドストックだったという事でした。
赤字の工場だって言うのに、在庫がいっぱいある事に
若干怒りを感じた気がしました。
そんな使わない在庫に毎月10万支払っていた事に。

デットストックの売却

結局 未使用の材料が全部で10t以上あった。
使わない材料ですので、捨てるしか無かったのですが、
産廃として廃却するのも、お金がかかる。
見積もりをしたらなんと100万近い費用がかかる事が判明
確かに10t以上あるのだから仕方が無い
でもそんなに費用をかけられない
どうしようと思った時に発見したのが、
有価買取という制度でした。
近場で無かった事で、知り合いに片っ端に連絡をして
神奈川にある業者を探し出しました。
買取費用としては、10万位でした。購入費用を考える安くなりますが、産廃費用から考えると幾分ましと考え実行しました。
実は、有価買取はその後も産廃費用を大きく低減するために、その後も積極利用する事になったのです。

余計な事をしたかもしれない

経費のチェックから始まって、デッドストックの発見や買取等を行いました。それによって少しではありますが、経費を下げる事に貢献したかと思います。
ただその後経費チェックなどの業務はその後自分が工場長になるまで、やる事はありませんでした。
当面は当時の本業である、商品毎の改善活動に注力をしていく事になったのですが、自分のやっていた改善活動が、利益に直結していない事が判明。新たに、悩みが発生していくのでした。 


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