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同一労働同一賃金によって働き方は変わるのか?

ども、其田です(@haletoke)。ニュースでよく聞く「同一賃金同一労働」ですが、本当に給与や待遇は改善されるんでしょうかね?きょうは同一賃金同一労働によって日本はどうかわるのか、解説していきます。

同一労働同一賃金ってなに?

そもそもどういった制度なんでしょうか?厚生労働省の特集ページをざっくりまとめました。

・同じ職場で同じ仕事をする正規雇用の従業員と、非正規雇用の従業員間の待遇や賃金格差をなくすことが目的
・大企業は2020年4月、中小企業は2021年4月に施行
守らなくても罰則はない
参考:厚生労働省 同一労働同一賃金特集ページ

契約社員や派遣社員、バイトでも正社員とおなじことやってるなら福利厚生や給与を同一にしましょうね」という制度ですね。

どうかわるの?

重要なのは「一企業が保有しているお金の総量は変わらない」ということです。つまるところ、契約社員や派遣社員やバイトの給与や待遇を充実させるとその他のどこかを削らないといけないんですよね。

例えば

・管理職5人(年収800万円)
・正社員10人(年収500万円)
・契約・派遣・バイト30人(年収300万円)

みたいな会社があったとすると企業が人件費として確保している予算は「管理職分4000万円」+「正社員分5000万円」+「契約・派遣・バイト9000万円」で合計すると1億8000万円なわけです。

どこ削るの?

単純に契約・派遣・バイト30人(年収300万円)の給与を正社員(年収500万円)に引き上げたとすると差額200万円×30人=6000万円をどこかから捻出しないといけません。経営者的には人件費は継続してかかる固定費的な側面が強いので単純に引き上げるのはムリなんですよ。

で、どこを削るかというと

A:管理職と正社員の給与や待遇を削る
B:45歳以上の管理職と正社員の人数を削る

の2つが主な削減部分になります。それぞれ具体例をまじえて解説していきます。

A:管理職と正社員の給与や待遇を削る

資本主義社会はとっても単純に解説をすると

・階層の低い人たちに低賃金で長時間働かせる(バイト・派遣・途上国)
・階層の高い人たちがその利益を得る(正社員・先進国)

という仕組みで成り立っています。経営者的にはこの仕組みを壊さないようにうまいこと対応していきたいんですよね。で、社長がどういう思考パターンになるかというと

・給与水準の高い方にあわせるのは難しい
会社の利益が減る、自分や株主の取り分が減ってしまう
・給与水準の低い方によせてバランスをとろう
格差是正を掲げて待遇の悪い方にそろえて乗り切る

まぁこれが自然な流れなわけです。これもう実際に現実社会では起きていまして、日本郵政(郵便局)の労働組合が正社員に支給されている「扶養手当」「住居手当」など5つの手当を非正規社員にも支給するように要求したんですが、反対に一部の手当が減額・廃止されることになっちゃったんですよね。

さらに中堅小売り業の人事部長の言葉を引用します。

「非正規社員の処遇の改善は労組とも協力し、改善を図ってきています。ですが、月給制の正社員と時給制の契約社員の給与や諸手当てを同一賃金にする作業は手付かずの状況です。仮に正社員とまったく同じにすれば人件費が増大し、5年後には経営が持たない事態になりかねません。ただし、正社員の処遇を一方的に切り下げることは許されず、難しいところです。正社員と契約社員の双方が納得できる形で、今後話し合いを進めていきたいと思っています」引用:BUSINESS INSIDER

前述の仮想企業を例にとり人数はそのままで年収だけをトントンにしようと思うと

・【管理職】年収を800万円から600万円に減額
・【正社員】年収を500万円から380万円に減額
・【契約・派遣・バイト】年収を300万円から380万円に増額

すると人件費の総和はだいたい1億8000万円になるのでいい感じです(実情は反発が大きく実現は難しいでしょうけど)。

つづいてプランBです。

B:45歳以上の管理職と正社員の人数を削る

これから先を見すえている経営者はドストレートに言うと

・使えない高給取りな中高年層を減らしたい
・優秀な若手はベース年収をあげてでも採用したい

と考えています。で、どうするかというと高給取りな中高年層に早期退職を促すわけですね。こちらも大企業でドンドンすすんでおります。

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管理部門としても知恵を絞る。絶対に残さなければいけない人と、できれば手を挙げて欲しい人を事前にリストアップしておいて、面接をする人間が微妙に態度を変え、“はい”というまで何度も実施する。あるいは“セカンドキャリア開発支援センター”みたいな部署を作り、そこに集めて面談や再就職支援のセミナーを受けさせるという企業も多い」と話す。引用:AbemaTIMES 2019/12/3

早期退職って優秀な人ほど抜けて、そうでない人ほど会社に残りがちになってしまうのも難しいところですね。くわえて「従業員を70歳まで雇用することを企業へ義務化することも検討する」と政府が成長政略に入れているのですが、経営者としてはたまったものではありません。「そんなに面倒見切れないっす」というのが正直なところ。

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(出典:日経新聞2019/05/15

ちなみに年金は75歳から受給すると84%上乗せする案を審議しています。そのうち80歳とか85歳とかまで後ろ倒し案が出たり、資産○○円以上の人は年金受給額を20%減らします、みたいな感じになっていくのではないでしょうか。

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長寿化で元気な高齢者が増えるなか、政府は企業に70歳まで就業機会を提供するよう求める法改正をめざしている。厚労省は同時に受給開始年齢の選択肢も広げ、70歳を超えても働き続ける高齢者を後押ししたい考え。日経新聞 2019年10月18日

僕たちはどうやって生きていけばいいのか?

Twitterでたまたま早期退職に応じた方のブログを読みました。心に響いた部分を少し引用します。

たまたま私は仕事に隠された誤解・無駄・嘘に気づくことができた。自分にとって大切なもののためにこれからの時間を使っていきたいという思いが沸騰してきたちょうどそのタイミングで早期退職募集がかかったわけだ。好きなことのために費やす努力は全く苦にならない。自分が本当に価値ありと思えるものを発信していくことを生業にしよう。「そういう生き方だってアリじゃないか。」引用:早期退職応じました

一般的に会社員の役割は企業の利益を最大化することが目的なんですよね。個人の幸せやキャリアアップは自分で作るしかないのです。自分ではコントロールできないストレスフルなこともたくさんあります。

そんな日本で僕たちはこれからどうやって生きていけばいいんでしょうか?方法はたくさんあると思うのですが、個人的には会社員をしながら複業することをおすすめしたいです。詳しくはこちらの記事で解説しています。

で、どれだけ稼げるの?という部分も気になるかと思います。2019年の収入の内訳はこちらで解説しています。

28歳になりまして、リアルな悩みや課題を分析し、目標設定をしました。会社員をしながらもフリーランスとして生きていく中で、其田が何を感じ、どう考え、動いていくのかを書いています。

それではきょうはこのへんで。またおあいしましょう:)

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