ゆめとうつつの冒険
(という名の、私によるポポローグ語り)
ポポローグ、というゲームの話をしようと思う。
ポポロクロイス物語シリーズの2作目。前作で母親の魂を氷の魔王の手から救い出したピエトロ王子が、今度は夢の世界で父を探して冒険をする。そんな物語。
私が好きなゲームを3つ挙げるとしたら、必ずこれを入れる。それくらい大好きで、大事な、物語なのだ。
※以下、ポポローグについてのネタバレを含みます。
冒険の舞台は夢幻世界。
この世界は、夢幻魔王が様々な世界から切り取って集めてきた町のコレクションでできている。ポポロクロイス王国もその一つ。町と町の間は不定形に形を変える空間でできていて、夢幻ダンジョンと呼ばれている。
ピエトロが元の世界に帰る術を探し始めた矢先、父王パウロが姿を消した。何かを知っているらしい父王は、城の誰にも何も言わず、一人で解決に乗り出したようなのだ。
だから、このゲームのキャッチコピーは、「お父さんのバカ!」なのである。
ピエトロは、父を探しながら、元の世界に帰る術を探す。道中で待ち受けるのは、奇妙なダンジョンと見たことのないモンスターたち。一人ではとてもなし得ない。
しかしこの不安定な世界では、森の魔女の力は弱まるらしい。そのためヒロインであるナルシアは仲間にならず、森でピエトロを応援するのみだ。白騎士は旅の空だし、ガミガミは行方不明。つまり、前作の仲間は一緒に冒険をしてくれない。
けれど、安心してほしい。代わりに14人+αにもなる傭兵の中から、2人までをパーティに加えることができるのだ。傭兵たちはみんな個性的で魅力的で、絶対に寂しくはならないことを保証する。それに、そこから2人選ぶのだって大変なのだから、ナルシアたちがいなくて逆に良かったのかもしれない。
夢幻世界は様々な世界の寄せ集めなので、町ごとの文化はまちまちだ。西洋風のポポロクロイス、中華風の港町トンクウ、砂漠の集落コロモック、ギラギラとしたカジノの町ガバス。それらが夢幻ダンジョンを挟んで隣り合っている。
まるで、とりとめのない夢のような世界。
夢幻ダンジョンは入るたびに形を変える。連れて行く傭兵の組み合わせは膨大だ。だからきっと、同じこのゲームをやった人の間でも、受けた体験は一人ひとり違うのだろう。同じ夢を見る人が、決していないように。
―――
さて、ゲームの紹介はこれくらいにしよう。この程度の情報なら、少し探ればすぐに手に入るのだから。そして、気になったならぜひやってみてほしい。
そんなことよりも、ここから先は私の好きなポイントをたくさん語るつもりだ。どうぞお付き合い願いたい。
世界観
夢幻世界は夢の世界。傭兵たちも、様々な世界から来た様々な種族たち。果たして彼らは実在するのか……? この世界で起きた出来事は、本当にあったことか……? エンディングを迎えても、その疑問に対する明確な答えは得られない。もしかしたら、全部ピエトロが見たただの夢だったのかもしれない――そんなあやふや感が、この物語の魅力だと思っている。
ここで登場した傭兵たちは、後の作品にはほとんど出てこない。
PSP版の「ピエトロ王子の冒険」には、アイテムで召喚できるお助けキャラとして登場するが、セリフもイベントもなんにもないし、ストーリー的にはなんの意味もない存在である。
「ポポロクロイス物語Ⅱ」にはかろうじて一人、本人の可能性が高いキャラがいるが、顔も出ないし隠しキャラ扱いのゲストに過ぎない。
昔一瞬だけ存在していた「夢と絆の冒険」というゲームは夢幻世界が舞台だったけれど、やはり傭兵たちとピエトロは初対面風だった(いちおう夢幻魔王はピエトロを知っていたから、完全になかったことになっている、というわけではないようだが)。
また前述のナル笛にも、イベントの一つとして夢幻世界が登場した。夢幻魔王かもしれない謎の存在も登場したし、短いながらストーリーもあった。しかし、それでもってあやふやが少しでも解消されたかといえば、NOだ。むしろ、謎が深まったと言っていい。
だから、やっぱり夢幻世界と現実の世界のつながりを保証するものはなにもないのだ。
そのあやふやで曖昧な夢幻世界という存在は、想像の余地を広げてくれる。
あやふやであるということは、そこに余白があるということだ。この物語に関して色んな人がそれぞれに考察や解釈をしているし、考察、というほどでなくても、自分なりの設定でもって創作をする人は数多いだろう。もちろん私にも、私なりの「ポポローグの世界」がある。
そして、そのどれもが否定されないということだ。だって答えはあやふやで、ないに等しいのだから。どんな考察・考えにだって、(妥当か否かはあるにせよ、)否定される根拠がないのだ。
夢幻魔王は、謎に魅了された私たちの夢を養分にして、夢幻世界を広げようとしているのかもしれない。
傭兵たち
※注 この先は筆者の妄想が大量に含まれており、公式設定との区分けができていない状態です。ご了承のうえ、お読みください。
ポポローグのことを語るにあたって、この個性豊かな仲間たちのことを外せるわけがない。私がこのゲームを好きな理由の1番目は、彼らの存在だ。
実は、彼らの素性については、ゲーム内ではほとんど語られていない。仲間になるときの少しのイベントと、傭兵所に待機させたときのセリフ、それから戦闘ボイスから、性格やキャラクターが推察されるだけだ。
だと言うのに、彼らの個性は際立っている。私の頭の中には、傭兵所を走り回る双子、一緒に遊びだすミーシャと遊ばれるロビン、たしなめるラウラ、たしなめる側なのに笑いをこらえきれないメル、振り回されて疲れた顔のレパルド、同情するダイソン、おろおろするゼノンと楽しげに眺めるドグマ、我関せずといちゃつくユキとムサシ、それら全てを見守りながら記憶に焼き付けようとするボリス、そして響くザッパのいびきが、確かにある。
白くてふわふわな猫の獣人メル。初めて見たときは怪我をした犬を癒やしていた。ああよくいる心優しい系のヒロイン枠かな、との第一印象は、今思えば甚だ失礼で申し訳ない。
第一印象は即座にひっくり返った。上記イベントの直後、元気になりすぎた犬が吹っ飛んでいったことで。味方を癒やしつつ、敵を光魔法で殲滅する頼もしい姿は、色んな意味で天使である。
傭兵所ではお世話したがり期のおませなお姉ちゃん(10歳(かどうかは知らないが))という感じだろうか。やっぱり天使である。
木こりのダイソン。初プレイのときは、彼の加入前イベントを見逃してしまったから、急に出てきたいかついあんちゃんだった。二周目ではちゃんと見た。ごめんね。
気は優しくて力持ちな彼は、ほかのメンツと比べるとやや地味である。けれど、そんな彼を決定的に印象付ける特別なイベントが、存在する。詳細は書かないけれど、彼の不器用な優しさと、それに絆されるラウラの様子は、一見の価値がある。――当時この言葉を知っていたなら、間違いなく叫んだだろう。「てえてえ!」と。あの一事をもって、彼は私の特別なのである。
そんなダイソンと対になるのが、女盗賊のラウラ。男勝りの金髪美女で、報酬目当てで仲間になった口だ。このタイプのキャラに漏れず情には厚くて、私は彼女を傭兵所の姐御と呼んでいる。個性がぶつかり合う傭兵所の面々をまとめ上げる彼女の姿が目に浮かぶ。あと、そういう気の強い女性がふと見せる少女みたいな部分って惹かれるよね。
取説では相棒みたいな書き方をされていたラウラとダイソンだけれど、実は、上記イベントがなければこの二人に接点はない。逆に言えば、このイベントは物語にとって重要なものに違いない。物語がダイラウを推しているんだと、わたしはそう信じている。
狩人のロビンは、初登場時からインパクトが強い。だってピエトロを矢で射るのだ。イノシシと間違えて。そしてキョトン顔で「俺の矢、なんでそんなところに?」である。
颯爽と町へと去っていったはずの彼は、その後ダンジョン(ですらない場所)でひたすらぐるぐる回っているところを発見される。そしてキョトン顔で「あっれ〜、町はどこだ?」である。
このおっちょこちょいで、方向オンチで、自信家で、人懐こい、どうにも憎めない狩人は、なにを隠そう私の一番の推しだ。いつまで見てても飽きない。
なお、彼はナル笛で性格の変わったキャラの一人だ。あちらでは、凛々しく、厳しい、森の守護者ロビンが見られる。あれはあれでかっこいいけれど……やっぱり、私の推しは彼ではなく、彼なのよなぁ。
破戒僧ドグマは、妖怪みたいなじーちゃんだ。年齢は確か100を超えていたはず。初遭遇が踊り子の控室というのだから、いろいろお察しである。僧侶だが、得意なのは闇魔法で、そのへんも破戒僧ぽい。
とっくに悟りは開いていそうな彼なので、傭兵所ではきっと悩める若者たちを、その歯に衣着せぬ物言いで、厳しく優しく導いてくれていたに違いない。亀仙人のような、頼りになるじーちゃんだ。
時代がピエトロの息子の代に移っても、彼は変わらない姿でいてくれそうな気がする。その一方で、人間の理を外れることを嫌って、自然体のままこの世からいなくなっていそうな気もする。とらえどころのない人。
レパルドとミーシャは二人組の旅人。英雄譚に憧れる、ある意味純粋な戦士たち。生真面目で誠実なレパルドとお調子者で胡散臭いミーシャは対照的だが、ベストコンビだと思う。悪態も軽口も叩きながら、いざというときは全幅の信頼を寄せる仲っていいよね?
傭兵所では、ミーシャはきっと他の仲間を巻き込んで悪ふざけ。それを諌めて首根っこ捕まえるレパルド。そんな光景が日常茶飯事なのではないだろうか。二人のお陰で傭兵所はいつだって明るい空気が流れている。
ナル笛でも二人は出演しているけれど、こちらはまるっと別人だった。凸凹コンビは変わらず、ただミーシャが石頭でレパルドが俺様。それでもナイスコンビに違いはない。
クルトとミルト、妖精の双子。魔法のエキスパートとして頼りになる以上に、トラブルメーカーな二人。見た目も性格もそっくりだけど、クルトの方がやんちゃで怖い物知らず、ミルトはちょっぴり泣き虫、だけど二人とも本当にかわいい。ピエトロとの冒険も、二人にとっては遊びの一環なのかも。
イタズラが生き甲斐で、傭兵所での騒動は、いつだってこの二人から起こるのだ。ターゲットは反応の面白いロビンやレパルド。一方で、ラウラやダイソン、ドグマの言うことはよく聞く。たぶん傭兵所では一番か二番目に歳上なのに、みんなからは末っ子扱いされていたり。本当にかわいい。
ザッパは初遭遇のイベントがすこく好き。カバのような見た目の竜族で、とことんぬぼーっとしている。寝ることと食べることが大好きで、必殺技ですら、寝る。傭兵所でも、常に寝ていると言っても過言ではない。
けれど彼は傭兵なのだ。与えられた役目は、雇い主を守ること。ときには仲間を守る盾となって、傷ついて、でも「心配いらないだあよ」ってにこにこして。拠点に帰れば、何事もなかったかのように食っちゃ寝するのだ。なんと健気なことか。彼の腹の上で一緒にお昼寝したい。
ユキとムサシは忍者で夫婦。もっとも、ムサシはダンジョンの中で発見してやらねば仲間にならないし、仲間にならなければユキと結ばれることもない。初回はもうちょっとで仲間にしそびれるところだった。危ない危ない。
結婚前のムサシは修行バカでユキから逃げ回っていたくせに、結ばれたとたんデレデレのラブラブになるのが面白い。そうしたら二人を引き裂くのがかわいそうなので、二人同時に雇いたいところだけど……忍者二人もパーティにいらないので、いつもお留守番だった。まあ、二人の時間が増えるんだから、彼らも満足でしょう。たぶん。
記憶喪失の魔剣士ボリス。柔和クールな美青年。なぜか、「王子の剣」なる武器を、ピエトロのほかで唯一装備できる、謎めいた人物だ。その正体は……いや、ここでは言わないでおこう。
最初にパッケージを見たときは、小さな術師かな、と思っていた。だってピエトロより小さく描かれていたし、顔が見えなかったから。それはそれでかわいいと思っていたのに、実際ゲームで出会ったら渋い声(子安さん!)のイケメンで、そのギャップにやられてしまった。
彼を好きな人は多いのだろう。もちろん私も好きだ。ナル笛では、夢幻世界イベの主人公に抜擢されていたし、彼だけのヒロインも現れたし、公式側もきっと彼が好きなのだろう。
ゼノンはロボットだ。ポポロクロイスの世界においてロボットと言えば、ガミガミ魔王ロボとデフロボたちがいるが、それらとはまた趣が違う。彼の起源は不明なまま。ダンジョンに落ちているパーツを集めることで仲間になってくれるけれど……ごめん、一周目は仲間にできなかった。
人間臭いと評される彼は、ロボだからか忠誠心が高く、ロボゆえに慈善の精神に満ちていて、ロボだけど感情豊かで、ロボのくせにユーモアを解す。ロボだから魔法は使えないが、そのかわりにミサイルだのロケットパンチだの、ロボらしいタフな技をたくさん覚える。自爆技のメルトダウンは、私じゃ絶対に使わない。けれど、彼自身は、味方の危機を救うためなら躊躇しないんだろうなぁとか。
彼はある意味隠しキャラの一人だが、ぜひ紹介させてほしい。魔術師タモタモ。クリア後に仲間になる、怪しい男――いや、男かどうかすら明確ではない。シャーマンのような衣装で全身を隠し、見えるのは奇妙な模様の描かれた細い手足だけ。仮面の下から覗く双眸は星の光を宿し、口を開けば意味の判然としない予言めいたものを発する。……うん、書いていて思ったが、怪しいところしかないなこの人。
それでも彼は、我々ポポロファンにとっては特別な存在だ。なぜなら彼は、原作者である田森庸介先生の、分身なのだから。
ローグではひたすら怪しい謎の呪術師だった彼は、ナル笛で「導く者」としての役割が与えられた。ある意味、物語という箱を超越した存在と言えよう。まさに、物語を紡ぐ者である田森先生そのものではないか。
最後に、パウロのことを。言わずと知れた、ピエトロの父親だ。けれど、仲間として共に戦ってくれるのは、髭を湛えた老王ではなく、ピエトロと同年代の少年――過去の世界から来た、パウロ王子なのである。
彼は、ポポローグを象徴する存在なのかもしれない。物語の始まりであり、ピエトロの目的であり、時間も空間もめちゃくちゃな夢幻世界を端的に表している。
そんな彼と共に冒険できるというのは、驚きとともにわくわくを私にもたらした。それから、現在の父王とは打って変わってやんちゃな性格のパウロ王子のお陰で、厳しくも見えたパウロ国王が可愛く見えてくるのだからいけない。
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さてここに、ローグとナル笛の傭兵たちについて、私の解釈を詰めた文章を置いておく。よかったら見てもらえるだろうか。
NPCと旅人さん
ポポローグには、仲間になる傭兵さんの他にも、魅力的なNPCがたくさんいる。しかもそのNPCの一部は、冒険についてきてサポートしてくれるというのだから、楽しくてしょうがない。
トンクウのロミジュリ、ライアンとメグ。見習い鍛冶屋ハンスの大冒険。ダイジュウジロのお兄さん。謎の歌姫。天空城の大臣。スタビン野郎。姓名判断士のおっちゃん。売れないよろずやイムジー。売れない宿屋のノース。胡散臭いワトソン。袋マニアボルク。肝っ玉母さんイメルダ。
名前のあるキャラもないキャラも、相変わらず個性的なのは、さすがポポロクロイスといったところである。
なかでも私のお気に入りは、よろずやのイムジーである。彼について少し語らせてくれ。
イムジーは砂漠の村コロモックでよろずやを営んでいる。彼が属するカチコチ族は、全員獣の頭骨を頭に被っているため、顔がわからない。イムジーも例外ではなく、ステータス画面で見る彼の正面顔は、獣の骨の中で光る二つの瞳、というなんとも恐ろしげなものだ。
だけど、彼自身はどこにも恐ろしいところなんてなく、どちらかといえば陽気でお茶目でお調子者。腹をくくれば男前。冒険についてくるのも、辺鄙なコロモックではお客さんが来ないから、自らお客さんのところへ行こうというもの。非常にアグレッシブである。でもそれは強がりの面があったりして、本当は自分を変えたくて旅に出てて、よろず屋が流行らないからという理由は60%くらいで。人を嫌いになるのが苦手で、一度受け入れたものはずっと好きで、だから同じ村に暮らしてたみんなが大好きで、そこにはソシムじいさんも含まれてて。だからこそミーソスの天敵で――ああ、好きだなぁイムジー!
連れていけば、どこでも商品を売ってくれる。たとえダンジョンの中でも、ボス部屋の手前でも! 彼の売るありがたい水に助けてもらった人は、多いのではないだろうか。だって魔法使い放題なのだ。節約とか考えることなく、ぶっぱし放題。絶対楽しい。
そうだ、私がイムジーを主人公にして書いた短編があるから、ぜひ読んでほしい。
ああ、あとなにを語ろうか。イベントの話をしてもよい。メインストーリーのイベントももちろん好きだし、サブイベもそれぞれ素晴らしい。
もしゲームをやってくれる人があるなら、トンクウの駆け落ちイベはぜひ最後までやってほしい。ノリノリのギルダ姉さんが楽しいから。
過去のポポロクロイス探索もとても良い。隠し要素がたくさんあるから、隅々まで探索すること。そして、会議室の隠し部屋や開拓村のちびっ子にクスリとするがいい。
ガミガミに会えなくてがっかりしていた人がいたなら、安心してほしい。仲間にこそならないが、行く先々でおちゃめな姿を拝めるので。個人的には、天空城のガミガミが好き。
天空城と言えば、そこの夢魔を倒したあと、ぜひある人を連れてもう一度訪れてほしい。あのイベントは、必見……というか、見なくてはならないと思う。見たら泣いちゃう。
それからもちろん、ダイソンとラウラのあれ。あれは見ろ。見なさい。見方がわからない? ならダイソンとラウラを仲間に加えた状態で、大十字路方面から大氷穴へ向かうんだ。すると……
それとも夢魔たちのことを話そうか。夢幻魔王の配下たち。もちろん敵だし、邪悪な存在だが、私には彼らを否定することはできない。だって、憎悪も欲望も恐怖も怠惰も、私の中にある感情だ。やな奴らなのだが、なんだか憎めない(ああ、ミーソスには怒られそうだが)。
そして、夢幻魔王。人の悪夢を食べて成長する夢魔。故に、人がいる限り消滅することはない。ピエトロは最後に夢幻魔王を倒すけれど、奴は消えない。小さな小さな存在となって、復活の時を待っている。そしてそれは、ナル笛の夢幻イベへと繋がっていて――。
ああ、語る話題は尽きないぞ。ダンジョンの話、モンスターの話、町の話、音楽の話。どれだって一くさり話せる自信はある。幽霊城がいかに怖いか。アイスマンと火だるまのトラウマ。まがどり。ムーンスターの美しさ。それと対比されるような失われた町の様子。憎悪のコロモックのBGM。そして怠惰なコロモックのBGM。
けれど気がつけばこんな長さだし、読む方も疲れてはいないだろうか。そろそろ終わりにしたほうが良いのではないかね? もしまだ聞きたいと思ってくれたら、何らかの意思表示をしてくれるとうれしい。
ここまで読んでくれてありがとう。私も、思う存分ポポローグの話ができて満足だ。
了