遅れてきたわが家の「性教育元年」
地域のママ・先輩ママさんと活動する「はぐママ」という会で、「性と生のワークショップ」を定期的に開いています。
先日のオンライン勉強会では、大学在学中に性教育学生団体”Palette”を立ち上げた宮坂舞花さんを迎え、人生ゲームのような「ブレイクすごろく」で盛り上がり、いつもは寝ている時間の娘も夜ふかしして参加。
誰もが通る道なのに、なぜ性行為を「秘事」として扱うのか。
私自身も子どもの前でストレートに語ることを避けていた・・という事実に改めて気づき、この日がわが家の「性教育元年」になったかも、と感じたのでnoteに書いておきます。
娘が8歳になった頃、「少女のための性の話」(三砂ちづる著/ ミツイパブリッシング)を手渡したのが「性教育」を意識したスタートなので、遅いといえば遅いわが家。
それまでも、男女の体の仕組みとか、毎月の生理のことなどは隠さず伝えていたが、『生殖のしくみ』についてはどうだったかなあ・・・。
「精子と卵子が出会ってね」
という一般的知識を伝えたときに
「で、どうやって?」と尋ねられた記憶がある。
その時、内心パニクって、早口になりそうなのをこらえ「男の子の性器の先っちょからね・・・」うんぬんと説明したような気がする。
うん。記憶が曖昧なのは、きちんとこの話に向き合おうとせず、なにかの「ついで」に話したからだろうと思う。
先日の勉強会では、すごろくが進むと「質問カード」というのが出てくる。そこに「赤ちゃんってどうやってできるの?」と子どもに聞かれたらなんと答えますか?と書いてあって、思わずドキリとした。
娘は、理科で習ったことをそのまま答え、私はしばらく悩んだ末「交尾をする」と答えてしまった。
「交尾」なんて言い方、ヒトの生殖を単なる動物的本能に限定しているように聞こえるし、ごまかしてるな、と自分でも思った。
親の口からではないとしたら、子どもたちはいったいいつ、どこで、誰から生殖の実態について知るのか?と考えるとやはり、家庭内ではっきり伝える必要がある。
質問カードには「回答例」がいくつか用意してあって、そのひとつに「生殖行為」が具体的に書かれている。それを読むことが、おそらく正解に一番近い。書かれている文章を読むだけなんだから簡単だ。と思ったものの、実際に読みあげるのは結構勇気がいる。
以前、noteでアクロストンさんの記事を読み、大人がきちんと性について話すには、ある程度の予行練習が必要だと思ったことがある。
私たちが脳内で「秘事」と考えている行為、単語を人前で口にするために、台本を覚えるようなつもりで何回か練習しておく。
そうしないと、肝心のワードをすっ飛ばしてしまったり、曖昧なまま説明を終わらせてしまい、子どもには伝わりにくい。
今回の勉強会では、大学生のお姉さんという親しみやすい存在から、性に関する知識をすらすらと「当たり前のこと」として教えてもらい、なんの抵抗もなく娘は受け入れた。こういうことが、親にもできるといいのにね、と思った次第です。
悲しいかな、私たちは日本で教育を受ける過程で一度も「包括的性教育」を受けてきていないのだから、子どもに教えられなくって当たり前。
教師養成のための教育機関でも「性教育」に関するカリキュラムは一切ゼロ、つまり、学校では教える項目として扱われていないという事実。
そうなると、いったいどこで学べばよいのでしょう?
友人は、Youtuberのシオリーヌさんから学んだことを子どもに伝えてる、と話していました。私も子どもと一緒に見ようかな・・・
「性教育」が生理と生殖と防犯の話だけで終わらないように、そして正しい知識はいくら待っていても与えられるものではない、ということを肝に命じて、これからも勉強していきたいです。