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大人になること

今日は成人の日。
新成人のみなさま、おめでとうございます。

いつもの年なら、艶やかな晴れ着姿の二十歳の皆さんにたくさん眼福賜る日。今年は、ウイルスに、豪雪に、とお祝いごとには手厳しい天からの贈り物が届いたなぁ。

トップ写真は昨年の七五三晴れ着姿の娘と、父。このとき、「大きくなったなぁ」と同時に「ゆっくり大きくなったらいいよ」と思ったのを覚えている。

人はいつから「おとな」になるのだろう。

おとな【大人】
①十分に成長した人。(元服または裳着もぎが済み)一人前になった人。成人。↔子供。
②考え方・態度が老成しているさま。分別のあるさま。
③女房などの頭かしらに立つ人。
④子供がだだをこねたりせず、おとなしいさま。
⑤痘瘡の異称。〈日葡辞書〉
(デジタル版 広辞苑より例文除き抜粋)

このエントリでは①②について触れます。成人式は①、「あの人、大人だよね」「大人気ない」とか言うときは②かな。カタカナで「オトナ」と書くと、また少し違う意味合いもあったりして。。

「おとな」になったと感じたとき

①では本人としての実感はなかったなぁ。私は1月生まれなので、誕生日直後に成人式だったけど、どちらの日にも「大人になった」感じはしなかった。焦りもない残念にも思わない、ふーん、はたちか。って感じだったな。

じゃどんな時に感じたかというと、いくつか場面はあるのだけど、まとめると二つ。

1.味覚の変化を感じたとき
2.税金とか年金、「大人料金」などの支払いまわり

1.味覚の変化

ピーマンやカキフライを「美味しい」と感じられるようになったのはいつだったか。高校生くらいかなぁ。

こどもは、苦味に敏感で、苦味の強いもの(ゴーヤやピーマンなど)を口にしたがらない傾向がある。毒を判別できず口に入れても、その苦味を感じ取り本能的に吐き出すことで、危険を避けられるようにするためだそう。成長過程で、安全、楽しい、健康的、というイメージとともに苦味を口にする経験を重ねると、苦味は、おいしさの範囲を広げて食生活を豊かにする「大人の味」として受け入れられるようになります。
(日本成人病協会のHPより抜粋引用)

ここにも「大人」が!
我が子たちはピーマン大好き。おとなか!

2.税金とか年金、「大人料金」などの支払いまわり

これはもう言わずもがなで。学生料金って、なんて安かったんだろう〜社会人になる、バイトではなく本業?でお給料を頂くってこういうことか〜とか思ったなぁ。

明確に、ここから大人、というよりは、グラデーションのように、これらの経験や感覚が積み上がったのだろう。ダブル成人も過ぎ、「まだ子どもですっ!」と声高に言える気はしないので、もう大人なんだろうけど。

子どもから見た「おとな」

「おおきくなったら、なんになる?」

これ、こどもの頃必ず聞かれる質問。
4歳娘は「エルサ」と答える。(言わずもがな、アナと雪の女王に出てくる、女王エルサです)

小学校の卒業文集とかにも出てくるお題。
12歳だった私は「小学校の先生」と書いていた。

この時の文集を見返して思うのは、子どもから見た「おとな」は限られている、ということ。手(または目)の届く範囲にしか大人は存在しないからに他ならない。

直接知っている、または一方的にでも何らか知っている「おとな」の職業につく人、になりたいか、もしくはなりたくないか、でこの質問に答えることが大半。

これは意外と長いこと続く現象で、中高生になると「まだやりたいことなんてわからない」ってちょっと現実的になり、「つぶしがきく」学部を選んだりする。この辺のことは、またどこかで書きたい。

憧れの「おとな」って

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実は昨日、訃報を受け取った。
同じ楽団に所属していた、95歳のビオラ弾きのKさん。元旦がお誕生日で、2日は元気に過ごし、3日に眠ったまま亡くなったそう。大往生だ!

大往生が憧れ、ではなく、Kさんの佇まい・在り方が大好きだった。早くに自転車で練習場に訪れ、準備も率先して、誰よりも謙虚で、飲み会にもいつも参加。団員みんなに声をかけ、ニコニコ笑みを絶やさず、180人もいる団員みんなの憧れで、宝だった。

初めて会った時には既に70代で、なんの仕事をされていたのかは知らない。

けど、名実ともに「おとな」であり、素晴らしいおじいちゃん、大好きだった。時節柄お別れにも行けず、、心の中で手を合わせる。

限られた「おとな」サンプルとして

こどもの世界に登場するおとなが、みんなKさんのようであるはずもなく、そうじゃなくていいんだけど、

わたしが触れる子どもたち(我が子に限らず)にとって、良くも悪くも限られた大人のサンプルになっていることを、時には自覚しながら過ごしたい。

この先、今ある職業はほぼ消えると言われているけれど、在り方として、ああなっても、こうなっても、楽しそう!ってこどもたちがワクワクできるようなおとなでありたいなぁと思うのです。

皆さんからのサポートは、子どもたちと新しい体験をしたり、新たな学びのために使わせていただきます。