見出し画像

ラウルとモリエンテス

ラウラウとモリモリ。
90年代後半~00年代初頭のスペイン代表主力であり、マドリーの2トップだった。

ラウルはご存知、スペインの至宝としてマドリーの栄光の7番をハゲ鷲軍団(ハゲてはいない)のリーダー、ブトラゲーニョから引き継ぎ、歴代リーガ得点228点を残した。現カスティージャの監督である。

モリエンテスは1997年にサラゴサから移籍してきた。
186cmの高い打点のヘディング、両足共に精度の高いシュート、相方の影に隠れがちだがオシャレなプレーも得意な選手であった。
ラウルとのコンビは素晴らしくピッチの中ではお互いが輝き、ピッチの外でも仲良しだった。

2002年8月31日インテルから"Fenomeno"ロナウドが移籍してきたことにより、モリエンテスの序列が下がってしまうこととなる。
たしかに、怪我をした後とはいえ、ロナウドのスピードはとてつもなく、またフィニッシュワークも素晴らしかった。
日韓W杯の得点王の実力を考えれば避けられないものであったわけだが…

どこぞのスペイン語を覚える気がないウェールズ人も、スピードと抜け出しという点ではロナウドに近いところがあるが、フィニッシュワークの精度とボールコントロールについてはどうしても大五郎カットには敵わない。
ミドルシュートなどの武器は持っているが、それでもバロンドール獲りたいならやる気だしてほしい。スパーズあたりに移籍してから。


03-04シーズンにモリエンテスはモナコへレンタル移籍することになる。
CL 準々決勝でマドリーと対戦し、土を着けて実力をマドリディスタに示したのはマドリーにとってはなんとも皮肉である。(このシーズン、モナコは準優勝だったが、モリエンテスは9得点で得点王)

また、この年に銀河系軍団にはベッカムが加入したが、自分の個人的の意見としてはラウルとモリエンテスがベッカムと共に躍動するエル・ブランコを見たかったものである。

その後、モリエンテスはリバプールで1シーズン、バレンシアで3シーズンを過ごし、マルセイユで現役生活に一旦幕を降ろした。(引退後、解説者を経て6部で3試合出場した)


結果的に、03-04以降 モリエンテスがマドリーを離れ(05-06に復帰はしたが)、ファンニステルローイという相棒をラウルが得るまで無冠の時代を経験したのは、少なからずチームの親和性が崩壊したからなのは間違いない。

マドリディスタからも愛され、退団会見で涙をみせたモリエンテスの姿に自分はとてつもない寂しさを感じたものだ。


モリエンテス。
以前、日本のメディアからのインタビューで、当時貴婦人から買い戻しを行使し、その後スタンフォード・ブリッジに活躍の舞台を移したロシアW杯スペイン代表落選さんと引き合いに出されて、彼は頑張っているよと励ましていたが、彼とモリエンテスとのプレーの違いをわかることの出来ない日本のメディアに憤りを感じたこともある

そんなマドリディスタからもブーイングの対象となる裏切り者にも、優しいコメントを残すモリエンテス。プレーで魅力するだけでなく、引退後も彼がマドリディスタに未だに愛される理由がわかる気がする。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?