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現代版イニシアティブ論

カゼミロの移籍に関して、少し触れたいと思う。

ここでお涙頂戴記事を期待された方には、残念ながらご希望には添えない。

とはいえ、カゼミロのユナイテッドでの旅路の幸運を祈っている。

No.14の系譜から外れた異質


さて、本題に入ろう。
個人的に、カゼミロがNo.14を明け渡した意義は大きい。

グティやシャビ・アロンソの系譜を外れた、同郷の先輩でありマケレレの相方であったフラビオ・コンセイソンが背負っていた16番が似合う選手だと感じ続けていたからだ。

だからと言ってマドリー退団後にどこに行ってしまったのか忘れてしまうような先輩とは違い、カゼミロは多くのタイトルをマドリーにもたらしてくれた。
そして、彼はサンパウロから獲得したとはいえほぼマドリーで育ってきたと言っても過言ではない。 

順調すぎる程に成功を掴み続ける程の進化を続けてきたカゼミロは、云わばパトリック・ヴィエラに近い。

相手からボールを奪い、相手の攻撃をスペースを潰して阻止することに特化しているだけではなく、場合によっては前線に絡んで得点を奪う。

それを高次元でこなしていた存在だった。

20年前には希少種だった原初的な万能型のセンターハーフで、その中でもより守備力に秀でた選手だと感じる。

現代版イニシアティブ論

ボランチ、ピボーテ呼称は様々だが、言語の違いであり中盤の舵取り役という意味では同じである。

知識不足の日本のメディアが拡げたせいで、いつしか守備専門のミッドフィルダーというイメージを定着させたが、主導権を巡るポジションのことを言う。

現代サッカーにおいて攻撃優勢を獲得し続けることは必須である。

何故なら、サッカーは得点を取らなければ勝利することが出来ないからだ。

それは昔から変わらないが。

ボール支配率が相手より勝っていても試合に負ければ敗者だ。 
そして、1つの試合で勝ったからとはいえ、優勝トロフィーを1つも獲れなくても、それはまた敗者なのである。

高機動長距離防衛システム

マドリーは今シーズン、中盤のゲームチェンジャーと成り得るチュアメニを獲得した。

彼の長い脚によるボール奪取能力と中盤深い位置からのロングパスによる展開をマドリーでも披露してくれることを期待している。

極端な話をしてしまえば、クロースの展開力にボール奪取能力が備わったと言えるからだ。
そして、フィジカルコンタクトも秀でており当たりにも強い。

次世代の高い機動力による防衛と長距離展開も可能なパス能力は中盤のどころか、試合そのものの主導権を刈り取ってしまうことすら出来るようになるかもしれない。

そして、チュアメニのような選手が当たり前になるのが近い将来のサッカーなのかもしれない。

新たなる万能型の予感

昨シーズン終盤のカマヴィンガの覚醒には、目を見張るものがあった。

加入当初もプレー時間を与えられていたがボール奪取の際にファールを取られることが多々あり、途中から出場機会を失っていた。

ところがマドリーがCL決勝トーナメントに駒を進めたことで再び出番がやって来る。

そのチャンスをしっかり生かして強烈なアピールへと繋げたことが嬉しい。

長い脚によるボールを刈り取るセンスと的確なタイミングでのスライディングによるボール奪取能力と機動力を行かして前線へと攻め上がる姿勢はチュアメニに負けず劣らずである。

中距離パスでの展開や相手を剥がして連携から前進するさまは今後、モドリッチにも匹敵する程の存在に成り得る。

若くしてレンヌの天才と呼ばれた彼が、マドリーでさらなる活躍をしてくれることを期待せずにはいられない。

近未来ミッドフィルダーの先駆け

現代においてモドリッチは万能型の頂点に君臨していると言っても過言ではない。

カタラン大好きお花畑は意味不明な持論を展開するだろうがスルーします。
獲得タイトル数が並んでから出直して来て下さい。

チュアメニやカマヴィンガは勿論だが、モドリッチのような選手がミッドフィルダーと呼ばれる時代が近い将来やって来ると感じる。

時代を経る事にサッカーは展開速度が上がってきている。

それよりも超高速とも感じる試合の流れを局面が変わる事に的確な回答を行える「舵取り役」が当たり前に現れる時代がすぐ目の前まで来ているのだ。


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