フィーゴの魔法
当時の試合を、見直してて思ったのはフィーゴって、わりとルーレットしてたんだなぁと。
マドリーであんまりイメージなかったのは、ジダンの方が印象強かったからだと思う。
ドリブルも改めて見直すと変幻自在。
ダブルタッチと切り返しが多い。
しかも、相手の目の前で深い角度でグッとフェイントをかけて、反対側から抜ける。
重心が凄い。
そして抜けたら、ターゲットに向けて余裕をもってクロスする。
2歩くらい歩いてゆっくり正確なコントロール。
ボールに合わせるだけ。
そんなイメージ。
そのボールコントロールはホントに魔法だ。
たぶん、ハイライトで観ても解ると思う。
ボールが意思を持っている。
そう、勘違いするような妙技だ。
ベンゼマのボールタッチは、ジダンを思い起こさせるが、フィーゴの"それ"は誰なんだろう?
フィーゴのプレイにはゆとりがある。
もちろん、歩いてサボってるわけではない。
落ち着きがあるのだ。
焦ってギリギリまでクロス上げれないとか、走りすぎてライン越えるとかは、記憶にない。
右サイドでフリーでもらって、狙い澄ましてアーリークロス。
毎試合3回はそんな場面に遭遇する。
ドリブラーなのに右サイドでフリーなのに疑問が浮かぶと思う。
突破したから、ではない。
すでにフリーなのだ。
フィーゴにボールが渡る時には。
それは、当時のデル・ボスケ監督がもたらした魔法に秘密がある。
左サイドには中央よりにジダン、左サイドバックは勿論、ロベルト・カルロスがいる。
当時のマドリーは、少ないボールタッチで相手を翻弄。
スペースを突いて、敵陣深くへ、そして左右どちらか余裕があるサイドへパス。
そこからフィニッシュワークへと繋げるチームだった。
パスワークで相手陣内を切り裂き、両サイドからの攻撃。左がダメなら右のパターンは勿論ある。
例えば、ロベルト・カルロスやジダンがボールを持ったが、相手のプレッシャーなどでゴールまでには繋がらない、しかしクロスを上げる余裕はある。
そんな時は逆サイドへサイドチェンジするのだ。
そうすると、左偏重なディフェンスにより、フィーゴがフリーになる。
フィーゴは落ち着いて、状況を整理して攻め直すことができる。
故に狙い澄ましたアーリークロスを蹴ることができたのだ。
あくまで、攻めの1パターンでしかないのだが、当時はよく目撃した場面だ。
右サイドの相方、ミチェル・サルガドとの連携の話もしよう。
とにかく、この2人は息が合っていた。
相手はフィーゴにばかり目を取られるが、サルガドのスペース作りは素晴らしかった。
フィーゴがクロスを上げられない場面に出くわしでも、サルガドがスペースでフリーになりパスを受けてクロスやパスをして、ゴールに結びつける。
そんな場面も何度となく観てきた。
ジダンやロベルト・カルロス、そしてフィーゴ。
そして、右サイドバックには鉄人のミチェル・サルガドがいた。
とにかく走るタイミングが素晴らしく、フィーゴのプレイを無駄にすることが無かったのではないか?
そんな印象すらある。
彼ら2人の連携は自分としては、ラウルとモリエンテスくらい息がピッタリだと感じるほどに、魅力されるコンビネーションだった。
次回は、"誰が蹴るんだよ会議"の話
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