No.11に宿る魔法と技巧
"彼"の移籍先はピン側まで来ているのか、それとも、ようやくグリーンに乗ったのか……
先日、ベイルの移籍についてこう記した。
あれから1週間でベイルの周囲は瞬く間に変化した。
「スパーズ復帰」、それはあまりにも素早く、そして、何も問題なく決まった。
打たれたティーショットがホールに落ちる寸前で止まっていたのだ。
2013年の夏の終わりにホワイトハートレーンを後にしたウェールズ代表は、2020年の秋に同じ場所に建て替えられた "新築の我が家" トッテナム・ホットスパースタジアムへと帰還したのだ。
前年の2012年にマドリーへやってきたモドリッチを追いかけるように、移籍してきたベイル。
2020年、彼はレギロンを追いかけるようにマドリーから旅立った。
スパーズ復帰は歓迎によって迎えられた。
17-18シーズン、キエフで行われた決勝戦でビッグイヤーを手繰り寄せた勝利の立役者に感謝するとともに、彼の今後の幸運を願っている。
マドリーでは、色々あったけども……………
ベイルが背負っていた11番はアセンシオに受け継がれた。
かつてオーウェンが背負った、その番組はいつの間にか"呪われた"と化していた。
ワンダーボーイの成績自体は悪くなかった。
少ない出場時間の中でリーガでは、13点を記録している。
得点効率が良かったにも関わらず、移籍金捻出の為にニューカッスルへと移籍することになったが故の無念が宿ったのかもしれない。
その移籍金は、セルヒオ・ラモスを獲得するだったことを考えると、結果としてはむしろ良かったと思う。
その後、07~09シーズンの2年間はロッベンが、そして、13~ベイルが背負うことになるのだが、入れ替わりも激しく、とても花形とは言えない背番号だった。
ロッベンもベイルも、負傷が多かったこともあり、イメージはまさしく"呪われた"No.11と化していた。
しかし、そこに光明が差した。
アセンシオがNo.11を纏うことになったのだ。
「闘牛士」と呼ばれる彼が、迫る猛牛をその技巧でいなし、魔法のようなプレーで観衆を沸かせてくれることを期待している。
24歳になり、遂にエースナンバーを背負うことになったのだから―。
アセンシオの新シーズンが今、始まろうとしている。
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