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台湾政府がマスクのリアルタイム在庫状況を公開し、数日で50以上のアプリが爆誕

新型コロナウィルスによるマスク不足が深刻な台湾ですが、政府の中央健康保険庁が30秒ごとのマスク在庫状況をCSV形式で提供し、瞬時にシビックテックコミュニティや企業が反応し、多くのアプリを開発しています。冒頭のスクリーンショットはそのアプリの一つ。

行政側のデータについてはこちらで公開されています。

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↑中央保険庁のWebページ(Google翻訳)

台湾のシビックテックコミュニティである g0v(ガブゼロ)のウェブサイトには、2月8日現在で28の地図アプリ、14のLINEアプリケーション、2つのチャットボット、19の情報提供系サービス、4つのモバイルアプリ、4つの音声アプリ(SiriやGoogle Voice アシスタント対応)、その他1つのサービスが記載されております。このサイトは誰でも更新できるようになっており、今も増えていっています。

なぜリアルタイムの在庫を政府が把握できるのか

台湾と言えば、昨年からデジタル担当大臣であるオードリー・タン氏が注目されていますが、リアルタイムでマスクの在庫がわかるシステムがあり、それをオープンデータで即座に公開できるということにまず驚きました。

g0v のメンバーに仕組みを聞いたところ、こういうことのようです。

・新型コロナウィルスの拡大によるマスク不足の対策として、マスクの購入には保険証の提示が義務付けられるようになった
・台湾の保険証には IC チップがついており、保険適用薬局はICチップリーダーを使い、処方箋が必要な薬に関する事務をもともと行なっていた
・そのため、マスク販売に関するリアルタイム情報を政府は把握することができる
・その情報を、行政のサイトやアプリだけでなくCSVファイルで公開することにした

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実際のcsv。30秒ごとにアップデートされる(URL

さらに、入局管理局のデータとも連携しており、過去14日以内に中国本土への渡航歴がある人が来院した場合に医師側に通知をすることもできているそう。

こういった使い方は、マイナンバーカードの保険証利用を進めている日本政府にも参考になるのではないでしょうか。

シビックテック側の反応

一方、シビックテックコミュニティである g0v サイドでは、もともとマスクハッカソンなるものをやっており、市民ベースでマスク在庫を可視化するウェブサイトなどを作っていました。しかし、今回の政府方針を受けて即座にそのデータの利用を開始、上記のHackMD 上にも情報を集約し始めました。

また、政府のCSVには含まれていなかった緯度経度情報を付与し GeoJson形式にて公開 するなど、アプリの開発効率を上げるためのサポート情報も公開しています。

普段から政府とシビックテックコミュニティの関係が近いからこそのスピード感が素晴らしいですね。

情報を人に届けるにはコストがかかる

日本では、昨年経済産業省が cashless.go.jp を公開した際、キャッシュレス還元店舗のリストを20メガを超えるPDFで公開し、「なぜオープンデータで公開しないのか」と話題になりました。また、その後リリースしたアプリも大変低い評価だったことを覚えています。PDFの公開直後に株式会社Zaimが勝手バージョンで地図機能を公開し、最終的に経済産業省がデータ連携先企業として認め、Zaim がキャッシュレス還元マップの提供を行うということになりました。

情報というのは、公開するだけではなく、必要な人に必要な形で届けてこそ意味があります。人に情報を届けるにはコストがかかります。時には開発費以上のコストが必要です。民間企業が自分のアプリをインストールしてもらうためにどれだけのコストをかけているか、使い勝手を上げるためにどれだけ投資しているかを調べてみると良いと思います。

特に、迅速に多くの人に届けるべき情報があり、注目度が高い場合は、オープンデータが向いています。

こういったことを説明する際によく行政の方から聞くのが「悪用が怖い」という言葉。しかし、実際には注目される案件であればあるほど、自浄作用が働きます。オープンソースソフトウェア(OSS)コミュニティでは、公開されているソースコードが多くの人の目にさらされることで品質が向上していくという考え方があります。オープンデータも同様で、行政と協働する市民や企業を増やすことで、高い自浄作用を期待することができるのです。

行政だけの問題ではない

行政側だけでなく、民間側も、g0v に学べることは多いです。そもそも民間側が活発だからこそ、行政側もこういった動きを安心してできるという側面があると思います。行政側に文句を言うだけではなく、ぜひ自分たちで手を動かしましょう。 2月22日には、Code for Japan が隔月で開催しているオープンハックデーがあります。誰でもプロジェクトを始められ、仲間を集め、プロトタイピングに参加できる場です。エンジニアだけでなく、さまざまな人がふらっと遊びに来るゆるいイベントです。行政の方も大歓迎。

会場リストはこちらの方が最新。東京、神戸、札幌、裾野、生駒、奈良で開催予定です。

この記事を読んで興味を持った方、ぜひ遊びに来てください!初心者大歓迎です!

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Happy Civic Hacking!
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位置情報系シビックハッカー。「テクノロジーで、地域をより住みやすく」をモットーに、会社の枠を超えて様々なコミュニティで積極的に活動する。HackCamp代表/Georepublic Japan CEO/Code for Japan
コメント (1)
マスクの消費状況については仕組みを理解したのですが、各店舗の入荷情報はどのように把握しているのでしょう?流通関連のシステムも政府は持っているのでしょうか?
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