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テフロン加工フライパンの化学

油系料理の上限温度は250℃程度

水と油の沸点は、水は100℃、油は種類により様々で300℃や500℃のものがあるそうです。油はその温度に達するまでに引火や発火する危険性がでてくるため、沸点近くでの調理はできません(そういう時は炭火を使いましょう)。なので、実際に料理で利用できる上限温度は引火点の300℃付近までで、そこから少し安全マージンを取って「250℃未満ならまぁ大丈夫でしょう、そん時は立ち上る煙と格闘することになりますけどね」というのが化学的な根拠になっています。

テフロンは空焚きに弱い

さて、つい最近まで個人的に疑問に思っていたのがテフロン加工のフライパンの安全性についてです。「焦げ付かなくて手入れが楽々」っていうフレーズでお馴染みですね。テフロンは下のWikipediaの画像のようなポリエチレンの水素原子を全部フッ素原子に置き換えた構造をしています(オゾン層を破壊する「フロン」と名前が似ていますが全く別物です)。これだけで耐熱性、耐薬品性が段違いに高くなっています。

自分は「テフロンの耐熱上限は260℃なのに、テフロン加工のフライパンはガスの直火があたってるところだと余裕でその温度を上回るから分解して危なくないの?」と思ってました。Wikipediaの安全性の項を読むと、確かに空焚き(あと材料が少ない状態での強火とか)はそうなるからダメと書いてありますね。

テフロン加工フライパンで煙が上がり始めたら危険なサイン

水か油を使う料理の場合、それらがフライパンの表面を覆ってテフロンの青天井な温度上昇を抑えてくれるので、空焚き状態には至りにくいのかな?と個人的には考えています(正しいかどうかはちゃんと調べないと分かりません)。特に、油は危険なサインとして200℃で煙が出始め、テフロンがダメージを受ける危険領域に近づいていることを教えてくれているのでこういう時は火を弱めるのが無難です。

もし、(一般には無害と言われている)テフロンの人体に対する安全性を気にしたり、また温度を気にせずに調理したいというのであれば鉄やステンレス、セラミック製のフライパンを使うという手が良さそうですね。

ネットを少し調べてみたら「テフロンが焦げ付かない理由」とか「テフロンの危険性」などを書いたサイトはたくさん出てきました。でも、「テフロンがフライパン上で分解しない理由」なんていう化学的興味に答えてくれるサイトは出てこなかったので上記の通り推測するよりありませんでした。いやはや、本当のところはどうなんでしょうねぇ? (    'ω'    ) っ🍳

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