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嫌いじゃないわ。《公園ランチ》

 公園ランチ族である。

 私の好きなパーソナリティ・伊集院光さんは高校の頃、学校に行きたくないのにお母さんはお弁当作りに情熱を注いでいたため、それを「要らない」などとは到底言い出せず、一人、公園を渡り歩いて弁当を食べたのだそうだ。
 でもって、そうやって弁当を食べた経験は、ひたすら寂しいものだったらしい。

 フツウはそうだよね。それは私にだってその感情に覚えはある。
人の笑い声やほんのりとした人々の熱気の中で食べるランチって楽しい、と思う感覚も持っている。
 が、たくさんの人とランチしているといつかは出てくる噂話がどうにも好きじゃなかったり、割と人と感性が微妙にズレることの多い私には、人から投げかけられる「ね、そう思わない?」に時々うまく対応できず…。
今やすっかり一人メシの心地よさの方が身についてしまった。

 もちろん雨や極端な暑さ、寒さに見舞われる時には公園に行ったりはしないが、そうじゃない時の公園ランチは気持ちいい。
 アウトドア用の座布団をベンチに敷いて座る。ラジオクラウドでお気に入りの番組を聴きながら背の高い木を見上げる。鳥が鳴くのが聞こえることもある。仕事の緊張から解放される。たまに本を読むこともある。
 この、自分の感覚を取り戻せたような感じが私をリラックスさせてくれる。いい昼休みを過ごせたなぁ、という充足感に満たされるー。

 これがいい。

 昔は一人メシって、人格否定されるくらいのネガティブな世論を呼び込んだものだけど、最近はそうばかりでもない。過ごしやすい世の中になったことを感謝したくなる。多様化を認める社会、有り難し。

 時々、孤独を感じることもある。
でも、嫌いじゃないわ。

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