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嫌いじゃないわ。《生物という科目》

 バリバリの文系である。
 物語がいつもそばにあったし、物語によって魂のレベルで救われたことも何度もある。だから書くことを、常に仕事に据えて来た。

 故に、というかその流れで、というか。学生時代から理数系の成績がからっきし伸びなかった。1+1=2 は理解できても、世の中そんなに単純に物事が運ぶわけないじゃん、と小学生当時でも疑いながら学んできたのだから、まぁ、上達はしない、成績も上がらない。
 高校に入学して初めて理科が細分化された。で、その中の物理も似たような理由で伸び悩む。すなわち「風が吹いたり石にぶつかったりするから、物を投げてもそこまで計算通りの放物線描くわけないじゃん」となるわけだ。
 思えばこのこだわりで、勉強では損してるんだけど…。

 そんな理数系苦手一辺倒だった私が、
タイトル通り「嫌いじゃないわ」と思えた理数系の科目が一つだけあった。
それが「生物」。

 私にも生物だけはスラスラと学習できたのは、
この科目だけが「生き延びたい」「生き残りたい」というキーワードで
読み解いていける科目だったからだ。進化の理由も、細胞がどうして奇妙な形を成しているのかも、このキーワードがあれば大体、理解できた。
 要は、生物だけが私にとって「物語」が息づく理数系の科目だったのだ。

 お陰で一時期、国語の次に生物の成績が良くなってしまい、
ひょっとして生物だけなら理系の学校に進めるかも、
進むのもありかも、とまで思い詰めるほどに!
(いや、それだけじゃ無理だって、と当時の私に突っ込みたい)

 理系科目の中で、唯一とも言える快挙な思い出でした。
もっとも、変なこだわりを持たずに取り組めたら、他の科目だって楽しめたのかもしれない。
そう思ったら、ちょっと惜しいけどね。

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