アフターコロナの旅コラム 2 〜真逆の感情にフォーカスする〜
おはようございます。小原白山です。
今日もプノンペンから。宿のレストランで執筆しています。
あなたにとっての旅の魅力は何ですか?
カンボジアのコーヒーはとっても苦い。
10年前、カンボジアの家族と出会って住み着いたころ、市場でコーヒーを頼んだ時に「ブラックで。」とお願いしたら、周りの全員が目を丸くして驚いたことを今でも思い出します。
カンボジアではコーヒーには砂糖が通例なんですね。
僕にとっての旅の魅力のひとつは、自分の世界の小ささに「気がつく」ことです。
世界にはそれぞれに当たり前があって、その当たり前は自分にとっての非常識だったりします。
そこに気がついていくのが面白い。
さまざまな国でさまざまな当たり前を体験すればするほど、「なんだっていいじゃん」という気持ちになってきます。
コーヒーの例で話せば、「コーヒーに砂糖なんて!」と思っていた僕が、「コーヒーに砂糖って癒されるー!」ってなったわけです。
「お前はモグモグ食べるのが面白い」と言われたこともあります。現地の食事の時間です。
「音を立てて食べるのは良くない」
という日本の常識を見事に覆されたわけです。
その国では「音を立てて食べることこそが美味しさへの感謝の印」なのですから。
この「なんだっていいじゃんマインド」が意外と大切で、これがつくと人を許せるようになってくる。
例えば、空港の列で前に割り込まれりしたときも、「急いでるんだなぁ。」とか「とても疲れていて少しでも早く座りたいのかな。」なんて、おおらかな気持ちになれます。
そして、イライラすることへの自分の罪悪感が癒されて、いい気分が還ってきます。
般若心経の中に「遠離一切顛倒夢想(おんりいっさいてんどうむそう)」という一説がありますね。
正しいと思い込んでいる間違ったことは夢のような虚しいものなので、その思い込みから離れなさい、といった意味です。
ひとつの凝り固まった考えから自由になることが、ごきげんで暮らす第一歩かもしれません。
暗闇から抜け出すための一番簡単な方法は、もがいて出口を探し回ることではなく、そこに光を灯すことです。
貧しさから抜け出すための一番簡単な方法は、小さな「ある」を感じることです。
憎しみから抜け出すための一番簡単な方法は、些細なことに「愛」を意識することです。
真逆の側面を「知る」だけで、人生はガラリと好転するものなんですね。
そんなことを考える、プノンペンの朝でした。
文末までお付き合いいただきありがとうございました。さて、コーヒーを飲み干して、お昼にはいよいよ家族の村に向かいます。
それではまた。
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