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あなたの洋服は誰が作っているか?

Twitterに投稿した内容ですが、大事なテーマなのでnoteにも書かせて下さい。

今週はバングラデッシュのラナ・プラザで1,100人以上が死亡したビル崩壊事故を契機に生まれたFashion Revolutionが主催するFashion Revolution Weekです。3年前に作った動画の紹介と少し思った事を書かせて下さい

3年前この動画をFashion Revolution Week用に作った時は敢えて多くの事を語らず、見る人に感じてもらおうと思ったのですが、その時とは考えを変え、自分が言葉で発信する事でより多くの人に理解が得られ、ファション業界が少しでも良い方向に向かうのであれば、そうすべきだと思いました。

まずこの動画で伝えたい事は、ファストファッションの安価な洋服も高級ブランドの洋服も基本的にいくつもの工程を人が縫っていると言う事です。
フォロワーさんには洋服に携わっている人が多いので、言う必要もないのかもしれませんが、機械が洋服を作っていると思っている人が一定数いるのも事実です

動画の中では私が生地や資材を小売りで買い、一人で全行程を縫っています。勿論物価の違いやマスで生産する事を考えれば、資材のコストや費やす時間が異なる事はわかっています。だとしても人が多くの工程を経て作られている服の値段が適正かどうか、フェアな取引が行われているか一度考えてみて下さい

その答えがこの動画の中にあります。

これは2ユーロのTシャツという有名な動画なので見た事がある人も多いと思いますが、先述のFashion Revolutionが行った社会実験の動画で、自分の周りにある洋服がどのような労働条件で作られているかについて考えるように促しています

ファストファッションというものが台頭し、洋服の値段が下がった事を何となく享受してしまっていますが、それは技術の革新や効率化によるものだけではないという事実があります。労働力の搾取によって今の価格が成り立っているという側面が確実にあります。

先進国の企業が自国より物価の低い国を生産拠点として質の良い安価な商品を消費者に提供しようとする事自体は否定しないですが、
しかし貧困が問題になっている国の人々をさらに搾取する事はあってはならないはずですし、誰かの犠牲のもとに成り立つファッションも受け入れられるものではありません。

では私達は何をするべきか、何が出来るか。
まずは先程の動画にもあるように、知ろうとする事から始めればいいと思います。不況が長く続き、失業率も高い中、ファストファッションを完全に否定は出来ません。またボイコットすれば解決する問題ではありませんし、するべきでもないと思います。そういった企業が現地の雇用を生んでいる事もまた事実です。

自分の着ている洋服が何処で作られているか、誰がどういう労働環境で作っているかを知ろうとする事、生産過程の透明性を企業に求める事は、企業側に労働環境の改善を促し、ラナ・プラザで起こった様な悲劇を繰り返さない事に大きな効果があると考えられます。事実、大きな企業で自社の製品が作られている環境を把握していない場合すらあります。

またより多くの人がデザインや価格のみではなく、そういった背景も含めて洋服を選ぶ基準にしてもらえれば、企業の過度な価格競争に歯止めをかけられます。現在の衣料の販売価格を5%上昇させ、上昇分の30%を労働者の賃金に回せれば、労働環境の改善がかなり進むというデータもあります。

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自身もブランドを運営しているので、販売価格を5%抑えるのにどれだけ努力が必要かも理解しているつもりですが、企業がそれに取り組む事はイメージを上げるだけではなく、持続可能なファッションを構築する事に繋がります。

ファッションで犠牲になる人をなくすため、より楽しく素敵なファッションを未来に繋げるため、この機会に少し行動してみませんか。一人一人の小さなアクションがファッションを変えるだけではなく、ファッションが他の社会問題も解決するかもしれません。

宮白羊


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