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次の『シン・○○○』を予想する

巷では『シン・ウルトラマン』が公開されていますね。『シン・ゴジラ』『シン・エヴァンゲリオン劇場版』に継ぐシン・シリーズ第3弾。次に控えているのは『シン・仮面ライダー』です。

この『シン』ですが、いくつもの意味が含まれていることはご存知ですか。「新」「真」「神」…さまざまなシンがそこに憑依しています。庵野秀明カントクはネーミングセンスも抜群ですね。

あまりにも言葉の佇まいと世界観がリンクすることから、ワクチン接種会場に侵入して逮捕された反ワクチン団体『神真都Q』を「シン・しんとキュー」と誤読してはばからない人も一人や二人じゃないみたい。

正確には「やまとキュー」だそうです。
メロリンキューかよ。
やまと、て。
ゾッキーかよ。

ことほど左様にわたしたちの生活に浸透しつつある単語、シン。もうこうなったら早いうちに次のシンをみつけて商標登録しておかないと!という焦燥感から水曜日の昼下がり、わたしはペンを取ったのであります。

シン・仁義なき戦い

まずはわかりやすく映画界隈から。深作欣二監督の不朽の名作、仁義なき戦いを現代版にアップグレードしてみませんか、という提案です。

たとえば…舞台を広島から大胆に名古屋に移してみる。ヤクザ同士の抗争を強引に薬剤師同士の合コンに変えてみる。ヒロポンはあぶなっかしいのでごまぽんに、地獄のキューピーは恐いので天国のアオハタに。

「お前ら構わんけ、そこらの店ささらもさらにしちゃれや」

という名台詞も

「おみゃあさんらええでよぉ、そのへんの店ちゃっとわやにしたりゃあ」

なんとも間延びした、ある意味平和な空気が漂いますね。

シン・全日本プロレス

さあ、いきなりややこしくなってきました。これは略すとシン日?シン全日?それともゼン日?いったいどっちなんだ!そんな声が東京は板橋、大山に佇むプロレスショップ『アメリカン』から聞こえてきそうです。

どうせストロングスタイルの全日にデーハーな新日の選手(オカダ・カズチカを筆頭とする)を混ぜて、ショーアップの要素を馬場元子にも見せつけるつもりなんだろう…というのが大方の予想だとおもいます。

しかし花道にレーザー光線などを当てたりしたらその瞬間に元子との間に確執が生まれることでしょう。三沢光晴と同じ轍を踏むわけにはいきません。また青木篤志や井上凌ら地味がレスリングシューズを履いているような選手たちがひきつけを起こしてしまいます。

そこで提案。

令和に生まれしシン・全日本プロレス、その実態はサバイバル飛田率いる埼玉プロレスであった!という設定はいかがでござるか。

埼玉プロレスといえばスーパーの駐車場にブルーシートで作った特設リング、“空き缶ポイ捨てへの怒り”ボーキサイト・ミディアムに代表される怪奇レスラーで知られるインディー団体。ほうっておくと自然に潰れてしまいそうな絶滅危惧種をなんとか次の世代に遺したい。そんな生温かい目で見守ってほしいのです。

こういう形のSDGsがあったっていいじゃない。

シン・大学進学制度

これは結構マジで考えていること。ぼく高卒なんですが、上京して就職して30過ぎて真剣に仕事と向き合うようになった頃、ものすごく大学に進学したかったんです。

仕事の道を極めようとすればするほど、知識がいる。教養がいる。そのことに恥ずかしながら社会に出てからずいぶん経って気がついた。

人が大学に進学すべきタイミングって、こういうときだと思うんです。

それこそ真剣に、当事者意識をもって、主体的に学問に取り組むんじゃないか。なんたって必要にかられてるところもあるし。

じゃあ社会人大学行けばいいじゃん、との声もありますね。でも働きながらの学業がどれだけハードル高いか。どうしてもどちらかにウェイトを持っていかれてしまい、結局中途半端になりがちです。それに、大学に通うことに対して理解のある会社は残念ながら少ないでしょう。

この大学全入時代、流されるまま特に目的も持たず進学する学生さんも多いと聞きます。みんながみんなじゃないけどね。

だから、こうする。

まず高校までは義務教育にする。そして高校卒業時に一度、全員が就職する。就職先で社会人の経験を積み、三年後と五年後に大学進学のチャンスが与えられる。もちろん進学しないでそのまま仕事に就いてもいい。

なんかそのほうが学びに身が入るというか、有意義な人生の過ごし方ができるんじゃないかと思うんですよね。成人の年齢も引き下げられたことだし。どうです?シン・大学進学制度。ねえ、そこのお役人

シン・計算機

モノシリーズからはシン・計算機がエントリー。あくまでも計算機能に特化していた電卓が大幅にアップデートされるとどうなるか!?

まず音楽が聴けるようになります。ヘッドフォンはブルートゥースで接続。もちろんソースは配信で。どんなに難しい計算の最中もお好きなミュージックでノリノリ。最高です。

さらにキーの数をもう少し増やしてみよう。文字を打ち込めるようにすると、できることの幅が広がります。あわせて画面のサイズも縦横グンと広げてみる。なんならディスプレイもあり?

いろんなアプリを電卓上で走らせるためにもネット接続も必須ですね。メールもSNSもやりほうだい。地図アプリを入れればナビにも!結構な勢いで高性能化が進んでおりますが…

…あれ?これってスマホのことじゃね?

シン・リジィ

は、アイルランドのロックバンドですね。シンシリーズ関係ないです。どうしたんでしょう、もうネタが尽きたんでしょうか。ちょっとスランプ気味かもしれませんね。寒暖差スランプ。

せっかくですのでシン・リジィ、紹介しますと。ツイン・リードギターで時にはハードに、時にはメロディアスに、また時には叙情的に曲を奏でるご長寿バンド。結成が1969年でいまだに活動中とのことです。あなた、今年で53年目ですよ。

そんなレジェンドですから「神」という意味で「シン」を名乗っているんじゃないか、とうっかり思い込みがちですがノンノン。ノンノンシェフです。調べてみると漫画に出てくる「ブリキのエリザベス(Tin-Lizzie)」という名前のロボットが由来とのこと。

ですので今回の企画とはまったく関係なく、結成から53年経ったいまも、そしてこの先も変わらず輝き続けることでしょう。

シン・リジィ。ぼくも大好きなバンドです。

■ ■ ■

ほかにも『シン・カレーライス』『シン・シンデレラ』『シン・浜田省吾』など枚挙にいとまがありません。しかしキリがないのでこのへんで。

いかがでしたでしょうか、次にやってくるであろう「シン・○○○」を予想する。もしかするとあなたのまわりにもアップデートかけることで、昔の輝きを取り戻すモノやコト、あるいはヒトがいるかもしれませんよ。

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