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ほとんどの自動車事故は油断から
結論から言います。自動車事故のほとんどはドライバーの油断から生まれます。これはもう疑いようのない事実。
せんだってのおれの話を聞いてください。
ある日曜の朝、ヨドバシAKIBAに向かって愛車を走らせていました。クルマは初期型のフィアットパンダ。94年式ですから27年落ちになります。重ステの左ハンドル。鉄板一枚で風切り音もうるさく、雨漏り上等のゴーカートみたいな小型車です。おまけに交差点でよくエンストします。
でもそれが気に入ってるんだから仕方ない。
前日の土曜日まで約一週間、辻堂にあるイタフラ中古車専門のガレージに預けていました。ステアリングシャフトやオイルの交換など、足回り全般にわたってメンテナンス。そのおかげで珍しく快調でした。
自宅から約30分で到着。開店したばかりの時間ということで地下2階の駐車スペースが空いていました。ここは混んでいると地下6階あたりまで降りる羽目になります。ラッキー!とかいいながらエスカレーターに一番近い場所にレッツパーキング。
まずは最上階の本屋さんから。しばし立ち読みを楽しんだのち、メガネ屋を冷やかしてからカフェスタンドでアイスコーヒーを注文します。席に座ってストローの袋をあけたところ、ふだんならスルーする館内放送がなぜか耳に入ってきました。
…世田谷ナンバー………青色のフィアットでお越しのお客様、大切なお話がありますのでお車までお戻りくださいますようお願いします
最初のナンバーのところは聞き逃したのですが、そしてぼくのパンダは青ではなくスプリンググリーンなのですが、なんとなく胸騒ぎがします。大切なお話は駐車場でするもんじゃないです。
まあ、とはいえ、パンダといわずにフィアットと言っているのでぼくのことじゃないだろう。最近はフィアット500の新型が街にあふれているし。と思いつつ、駐車場に行くと…
デデーン!パンダ、アウト。
あろうことかぼくのパンダは隣のハイエースが出庫する際にハンドル操作ミスで当てられてしまったのでした。右側のサイドランプが粉々に破壊され、バンパーも曲がり、ボディにも傷が。
まあ傷はそれ以前からあちこちにあるのでいいのですが、とにかくウインカーが機能しないのはまずい。それにフレームにも影響がありそうです。
せっかく昨日、辻堂から帰ってきたばかりなのに……翌朝一番でレッカーを呼んで、引っ張ってってもらいました。
診断の結果パンダは全治1ヶ月半。ヘッドライトもやられているらしく、部品の入手に時間がかかるとのこと。
そして、ここからが本題なのですが、代車としてあてがわれたのがこれ。
デデーン!トヨタ・WiLLサイファ
トヨタが異業種合同プロジェクト『WiLL』に参画した際に開発されたブランドコンセプトカーで、当時としては先進の技術が満載。デザインも奇抜。色味も個性的。故にそんなに売れないというガックシ・カーでした。
2002年から2005年にかけて製造販売されたうちの一台だったので、16年~19年落ちのまあまあ古いオンボロ代車なのですが…
■ ■ ■
これが乗ってみると、まあ走ること走ること。ちょっとアクセル踏むだけであっという間に100キロまで加速します。しかも加速に対するストレスがまったくない。そしてステアリングはちょっと切っただけでクルクル回るレスポンスの良さ。
しかもブレーキ。軽く足裏に体重乗せるだけでドンッ!と効きます。剛性もしっかりしていて、風切り音なんて聞こえません。ゆえにスピード出しても恐怖心がまるで湧かない。車線変更もあらよっと、てな感じ。
「なにこれ…めっちゃラクやん」
ガレージを出て国道一号に入る頃にはすっかり魅了されてしまいました。いちいちクイックなレスポンスとハンドリングは運転していることを忘れさせるのに充分。パンダだと横浜新道を走るのに必死のパッチなのに、WiLLならサクサク行ける。
いわゆる運転疲れとは無縁なのです。
しかも常にエアコンが快適空間を演出してくれる。梅雨時から猛暑の期間乗っていたんですが、なんならもう代車のままで…という禁断のセリフが喉元まで出かかりました。
そして、この便利な乗り物に乗ってぼくが出した結論。
それが
これはいかん
これは油断するし、事故るわ
無理もない
というものです。
こんなカンタンにスピードが出せたり恐怖心を感じずにハンドル切れる鉄の塊に乗ってると、自分の運転技術を過信する人が多いのもうなづける。
ヤングも爺さんも余裕で油断するだろう。スタバ片手にタバコ吸ったりスマホやりながらハンドル握る輩が出てくるのもわかる。
こんな快適な乗り物に乗っていたら運転の怖さ、自動車が凶器に変わるなんて感覚、覚えていろというほうがハードル高いです。しかも19年落ちのトヨタ車でこんなに快適なんだから、いま世間を走ってるクルマなんかほとんど全部自動運転みたいなもんじゃないか。
と、いうわけで。
大事なことなのでもう一度いいます。
ほとんどの自動車事故は油断から生まれます。そりゃ一部、整備不良やリコールレベルの故障もあるでしょう。あるいは避けがたい事態もあるかもしれません。しかしそれを除けばほとんどが運転手の油断がそもそもの事故のきっかけになるのではないか。
いや何も自分が古くて快適ではないクルマに乗っていることを正当化したいとかそういうわけではありません。あれは趣味で乗ってるだけで、決して他人様におすすめできるものではないです。
ただ、せめて高性能のクルマに乗っている方ほど油断しないようにしてほしいとおもいます。
自分の運転技術を過信しないこと。油断しないこと。それだけで不幸な自動車事故は必ず減るとおもいます。高齢者はMT限定にしたほうが事故が減る、という説もあながち間違っていないかも。
俺ほんと嫌いなんですよ、交通事故。
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