緊急事態宣言下の口説き方
なんて不謹慎な、と、目を三角にしてお怒りになられるご貴兄ご貴姉もいらっしゃることと存じます。最初に謝っておきます。ごめんなさい。
ただですね、そうしょっちゅうあるわけでもない緊急事態宣言、ただ自粛しているだけというのも、なんというかもったいないじゃないですか。MOTTAINAIはいまや世界共通語ですよ。NAINAI16はシブがき隊のデビューシングルですよ。
ということで上野アメ横商店街のお菓子屋さんばりに「おまけ、おまけ、おまけ、はいこれもおまけ…」と追加延長が止まらない緊急事態宣言下の渋谷の街でナンパはどう変わっているのか!チャラいファッションベンチャーの代表たちはどんなキメ台詞でギャルを口説いているのか!この実話ナックルズみたいなテーマに渋谷勤務歴8年のわたしが鋭く切り込みます。
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「すごくいい不織布マスクあるけど、どう?」
いっとき「ダッサ!」と軽蔑の眼差しでみられていた不織布マスクですが、ここのところウレタンやポリエステルマスクへの不信感から評価が鬼のようにV字回復しました。
だからといって「すごくいい」ってどういうこと?抽象的すぎね?でも渋谷のギャルは強引なベネフィット提示に弱い。「マジ?SHARPのマスクよりいいんならナシよりのアリで…」となびいてくれるはず。
「大丈夫、20時までだから!」
なにが大丈夫なのかわかりませんが、とにかくナンパされる側のギャルにとって終わりが見えているのは安心材料のひとつ。それを見こしてこんなフレーズも定番化していると聞きます。
もちろんナンパ師たちは20時で終わらせるつもりはありません。ラストオーダーをしつこくかわし、お店のスタッフの心証も悪くなる一方ですがお構いなしです。ただしやりすぎると気が立ってる飲食店店主から袋叩きにあうので要注意。
「どこも閉まってるからホテル行こうよ」
20時までのお店を追い出された後、2軒目を探して彷徨うのですが、やっているのは漢気あふれるグローバルダイニングか一家ダイニングプロジェクトぐらいなもの。火の消えた繁華街で次に繰り出すセリフがこれです。
ポイントはどこで発出するか。ベストは円山町ですが、裏渋谷通りあたりも気分です。坂を登ったり降りたりしながらのシチュエーションにピッタリのフレーズ。ただし間違ってもMIYASHITA PARK周辺で言わないこと。ホテルまで遠いので途中でバラシかねません。
「白州の次亜塩素酸水割り、一緒に飲まない?」
これは…狙っているのか、それともテキーラチャレンジに次ぐ天才起業家のお戯れか。白州が8,500円(税別)というプレミアム価格で再発されたニュースは新しいですよね。
そんな高級ウィスキーをよりによって次亜塩素酸水で!?果たしてウィルス撃退効果はあるのでしょうか。その前に違う角度からの健康被害を招きそうでそれはそれでロシアンルーレットみたいでハラハラします。
※次亜塩素酸水は飲んではいけません。ダメ!絶対!
「緊急事態宣言が終わるまで離さない!」
ロマンチックだかなんだかよくわかりませんし、いったいいつ離してくれるのか。3月21日まで抱きつかれているのか。再延長もあるのか。
どっちにしてもナンパ師にそんなことされてもうれしくないですよね、ギャルのみなさん。え?そんなことない?渋谷には『職業、イケメン』がウジャウジャいる?もう勝手にしろ!
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と、いうことで渋谷のナンパ師とギャルにとって緊急事態宣言はハロウィンみたいなものだそうです。やれやれ。
まったくいつから日本はこんな国になってしまったのか…誰が悪いのか。大人が悪いのか。大人って誰だ。あ、オレか。本当にごめんなさい。なんか今回は最初から最後まで謝ってますが、せめてかっこいい大人になりたかったよ、と、昨夜つよく思いました。これを見て。
かっこいいとは、こういうことだよ。と、こちらの御三方+ワタナベアニさんが教えてくれます。若いうちに見といたほうがいいよ。オレみたいに歳とってからではもう追いつこうにも取り返しがつかないです。
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