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2023年の2月を振り返る

先月に「今年は毎月振り返りnoteを書くぞ」と、ガラにもなく宣言めいたことをしてみた。

宣言とか、目標とか、そういうものはしたり立てたりするもんじゃない、はしたない。とおじいちゃんからの教えを守り続けてはや54年。なのに、しちゃったのにはわけがある。

と、思いますか?

これがとくにわけはないんですね。あるとすれば毎週水曜日の駄文のテーマがひとつ固定されるのでラクちん、ということぐらい。

さっそく2月をふりかえってみます。


おまえそれはないだろう

すごいニュースが飛び込んできた。2月17日に横浜でクルマやバイクなど5台を巻き込んだひき逃げ事故が発生しました。

その映像を見たら衝撃的だった。

無防備に交通ルールを守って停車しているバイクやクルマに、思いっきり突っ込んでいるのだ。おかげでバイクのライダーなんて両手をあげて一回転ぐらいしてるし、追突された軽自動車に後ろからぶつけられた原付きの運転手(警察官)も倒れたまま動かない。

そしてぶつかってもおかまいなしに、まさに「ゆらぁ…」というオノマトペがぴったりな感じでゆっくり走り去っていった。

このひき逃げ犯人は翌日未明、早々に逮捕されるのですが(そりゃあそうでしょう、警察は身内が被害に遭った場合、普段の何十倍もの本気度でホシをあげにかかりますからね)なんと、事故後に壊れたクルマで散髪に行っていたんだそうです。

散髪ですよ?

いくか?普通…

さらに彼(78)は「事故を起こした記憶もなく、逃げた認識もない」と容疑を否認します。

こ・こ・ま・で・な・ら・ば・ま・だ・い・い・が

なんと、後日、この犯人の家族が言うことにゃ

「最近、物忘れが多かった」

おい!

それじゃなにか?このひき逃げ犯(78)はクルマを運転して、何かを轢いたりぶつけたりしたときの衝撃を秒で忘れて床屋にいったのか?

おまえ、それはないだろう。

と、つぶやいた刹那、ああ、これは志村けんさんのギャグでもあったなあ、と思い出す。

いい人ばかり天に召されて、ヤバい輩ほど世にはばかる。2月も相変わらず世知辛い。


リバー、ようやく読了

極度の遅読家である。短編やエッセイの類でもまとまった分量を読もうとすると、めまいがするほど時間がかかる。あまりの遅読ぶりはオーガニック積ん読につながり、書棚にはページの開かれていない本が山ほど溜まっている。

それでいて大の本屋好き、本を買うのが好き、ときた。

おそらく頭が悪いのだろう。昔、糸井重里さんの「萬流コピー塾」でお題が『東大』だったとき「頭が悪ろうて受かりません。」という作品があった。とても他人事とは思えないコピーだった。

そんな下手の横好きが今月、奇跡的に読了できた本がある。

奥田英朗の『リバー』である。

買ったのは昨年秋。あれは10月だったろうか。ここからもみなさん、わたしがいかに遅読かおわかりいただけるでしょう。

圧巻の656ページ。ぶ厚い。全盛期のB-ingぐらい厚い。あの頃のB-ingはそのまま営業リストとしてビリビリに破られて活用されたっけ。

そんな記憶はともかく、この『リバー』をなんとか読了しましたよ。奥田英朗さんは好きな作家の一人で、前作『罪の轍』も長い時間をかけて読み終えました。ちなみに『罪の轍』は670ページ。

読書好きの方には650ページ超ぐらい容易いかもしれません。しかし遅読病(もう病といって構わない)のぼくにとっては無酸素でエベレストに登るのと同じぐらいのチャレンジ。

もちろん奥田英朗さんの文章は非常に読みやすいです。読みやすいのですが、それでも物語の出だしはどうしてももたるというか、なかなかギアが入らないのです。ぼくにとっては、ですけど。

だけど『罪の轍』のときもそうだったじゃない。最初はなかなかとっつきにくくて3回挫折した後、どうしようもなく暇な時に最後の賭けで2章まで無理やり読み進めたら、あれよあれよという間に引き込まれて寝ないで完読したじゃない。覚えてないの?

と、自分にムチを打ったら上手いことハマり、2日で読了しました。面白かったです。賛否あるだろな、とアマゾンレビュー読んだらやはりそうだった。とはいえ遅読のぼくに650ページ読ませるんだからすごい。

なんでそんな思いしてまで本を読むのか?

なんでですかね。


ChatGPTに仕事を奪われる日

そんな日が来るのだろうか、とぼんやり考える。しかしそもそも文章を書くのが下手くそなぼくは、かえって助かるのでは?ともおもう。

企画やアイデアを入力したら文章にしてくれる。

最高じゃないか。

はやく来てくださいChatGPTぼくの仕事を奪うところまで!

それはともかく。

2月はありがたいことに忙しかったです。そしてこのままの勢いで3月も忙しくなりそうです。本当にありがたい。

以前はニッパチと言って2月と8月は暇だったんですけどね。インターネットとコロナでそういういにしえの商習慣は消えていくんですかね。

それはそれで寂しいですけどね。


追悼 岡田徹さん

先月、高橋ユキヒロさんが宇宙に帰ってしまったと思いきや、追いかけるかのように鮎川誠さんが。他にもジェフ・ベック、バート・バカラック、ハイスタのツネさん。音楽界以外でも目黒考二さん、信藤三雄さん、松本零士さん、そして笑瓶ちゃん。

両手の指の間からサラサラと砂が落ちていくかのように、好きだったり影響を受けてきた音楽やデザインやマンガやお笑い、つまりサブカルチャーの送り手がこの世から消えていく。

そしてまたひとり。ムーンライダースのキーボード奏者、岡田徹さんが片道切符で宇宙に旅立たれていきました。

岡田徹さんといえば、あのプリプリことプリンセス・プリンセスの命名者であると同時にクラッシュ・バンディクーのテーマソング『クラッシュ・万事休す』の作曲者でもあります。すごい。生活のあちこちに岡田さん節が。

2月のぼくのヘビロテはNHKで放送されたユキヒロさんの追悼番組で知った大貫妙子さんの30枚目のシングル『ふたりの星をさがそう』でした。この曲のレコーディングがユキヒロさんの生前最後のドラムプレイだそうで、それを思うだけで鼻の頭がツンとします。

聴いていただければわかると思いますが、この曲のドラムでもエイトで刻むハットに気分でシャッフルが入るユキヒロさんグルーヴは健在。どこでハネるかを完璧にコピーすべく何度も繰り返して聴いていました。これ、ユキヒロ派のドラマーならわかると思います。

しかし、岡田さんの訃報が飛び込んできてからは…

『いとこ同士』一択です。

岡田徹さんのご冥福をお祈りします。


今年に入ってから毎月毎月追悼ばかりしている。

毎月毎月と書いて気づいたけどまだ2月なんですよね。この追悼ラッシュがどこかで落ち着くことを切に願うぼくなのでありました。

それでは3月もがんばらないでいきましょう。

引き続きよろしくお願いいたします。

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