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【月刊あんスパ通信】テレビ番組制作の現場は荒廃しているか
いきなりでなんですが、ぼくは筋金入りのテレビっ子です。共働きの両親のおかげで物心つくかどうかの頃にはテレビが育手でありました。
いちばん古いテレビの記憶があさま山荘事件の中継。三歳半ぐらいでしたが中継をリアタイで観ていました。その後の人格形成に及ぼした影響はどれほどのものか。
以来、50年間を通じて朝、目覚めと同時にテレビをつけ、夜、床につくまで視聴するという生活態度を貫いてきました。
居酒屋時代は板場のジュンさんから「ヨネ(ぼくのあだ名)にとってテレビのボタンはセックススイッチなわけだから」と評されるまでに。セックススイッチの意味がわかりませんがなんだか重要な感じがして、誇らしく思ったものです。
ですから昨今の「若者のテレビ離れ」「テレビはオワコン」「NHKをぶっこわーす」といった風潮は非常に嘆かわしいのであります。
つまり、私、テレビの味方です!
なのですが。
つい先日、どうにも看過できぬ放送があり、ここに筆を取った次第であります。
テレビが
あの愛すべきテレビが
この我が身と一心同体であれ!と誓ったテレビが
その(くどいからやめます)
それは日曜の平和な晩餉に訪れた
とくにこれといって観たい番組があるわけでもなくともブラウン管になにかが映っていないと落ち着かない。これをナンシー関症候群といいます。「そんなへんな病気聞いたことがない」と思われるかもしれませんが、いまぼくが考えた病なので、ご存知なくても不思議ではありません。
いつものように純米酒、そのときは田酒だったかな。美味しいヤツをキューッとやりながらふと、SONY製40インチモニターに目をやると。
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な、なんですと!?
とうとう我らがヨコイ、あるいはそーれ、もしくはチャオ、はたまたユウゼンが全国ネットの電波に乗るのか!?
するとそんな期待をよそに、画面に登場したのは
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なんやねん!パスタ・デ・ココかい!とちょっぴりガッカリ。だってパスタ・デ・ココといえばちょうど去年のいまごろ、虎ノ門から撤退。在京あんかけフリークたちを泣かせたばかり。
さらに、言うてもあんかけスパとしては後発中の最後発。しかし画面には愛知No.1とあります。これいかに?
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そんな胸のざわつきをよそに番組は進みます。
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あんかけスパの味や伝統でいえばヨコイやそーれ、チャオがNo.1の座を巡って鎬を削っています。それなのにパスタ・デ・ココとは…
と思っていたらふいに答えが!
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なるほど店舗数かよ!そりゃ資本力が違いますがな、資本力が。
ひた隠しされる不都合な真実
確かに、愛知県では店舗数No.1でしょうよ。28店舗もあれば。しかし在京あんかけスパフリークとしてはその前に、東京に負けた、という事実をキッチリ白日のもとに晒さないといささか不公平ではないか!と思うのです。
そして、いささか、と書くだけで村上春樹感が滲み出るのでこれからも積極的に使っていこうとも思うのです。いささかね。
にも関わらず
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いや、東京に無い、じゃないよ。
あったのよ。花の都大都会東京に。
奇跡を生み出すスーパーシティ、TOKIOに。
どうした?TBS!東京ブロードウェイシステムの名にかけてこのクオリティでいいのかよ!俺が赤坂の第三本読室に出入りしていたときの、あのときめきのKAKIEMON仕出し弁当にふさわしい番組づくりの熱はどこいったんだよ!大部屋で睨みきかせてた桂さんはもういないのかよ!
なんて、若干オーバーに思ってみたりしました。TBSには青春の思い出が詰まってますので。
テロップにも検閲が!?
それだけならばまだいい。あろうことか当番組では名古屋人、いや愛知県民の誇りでもある名古屋弁にまで検閲のメスを入れたのである。
以下のキャプチャをご覧ください。
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違和感を覚えた人はまごうことなき名古屋人か、名古屋弁ネイティブスピーカーですね。上智大卒かな。
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情報操作はテロップにとどまることなく、なんと市井の善良な一般人にまで及んだ!
名古屋人は間違ってもこんなことは言わない。
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この年齢の方はぜったいに使わない言葉だ。
ここまでくれば生粋の名古屋人ならずとも賢明な方であればググっていることだろう。
そう!
名古屋では「熱い」「熱々」などという表現は一切つかわない。
「ちんちん」だ。
ちんちん。この芳しい伝統の方言。素晴らしいじゃないか。尾張名古屋の文化がエッセンスとして詰まっている言葉だ。
何がおかしい?
何もおかしくない!
何が恥ずかしい?
何も恥ずかしくない!
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これは店長らしいが、貴様も名古屋で商売するならそんな他人行儀な標準語を使わずに
「名古屋の人(じん)はちんちんの料理がどえりゃあ好きだでねぇ」
堂々と胸を張って言わんか!ちんちんと!
まさかTBSは…放送禁止用語か何かとごっちゃにしているのか?わが愛すべき故郷の言葉、名古屋弁で熱いをあらわすちんちんを、まさかの放送禁止扱いに…?
わたしは義憤にかられて赤坂まで馬を走らせた(嘘です)。
ちなみに熱々がちんちんですが、それよりもっと高温の場合、ちんちこちんという表現になります。出世魚か!
結論は特にない
それはまあ、いつものことなんですけどね。
ただこの番組、学びもありまして。
これまであんかけスパの麺は2.2mm以上の極太麺以外認めない、というのが常識でした。
そしてそれはあんかけソースとの絡み、相性がいいから、という理由が一般的でした。ぼくも当然、頭からそう思っていたのです。
ところが、この番組では新事実が暴露されていました。
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なるほど!太麺はソースとの絡みがいい、というのは裏返して言えば普通の麺だと絡む以前にちぎれちゃう、ということなんですね。
これには鈍器で後頭部を殴打され、意識不明の重体になりました。
ふだんから偉そうに「物事は裏側から見てこそ真実があるのじゃぞ…」などとのたもうておりましたが、ぜんぜんぼくの目は節穴でした。そういう発想があるとは!
いやあ、テレビはまだまだ侮りがたし。オワコンなんてとんでもない。
『坂上&指原のつぶれない店』かなり面白いですからぜひチェックしてみてください。今回の放送を見逃した方はTVerで!(なんの宣伝?)
そんじゃーね!
(いつもくだらない話にお付き合いくださり、ありがとうございます)
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