見出し画像

コミケのある街

『キューポラのある街』といえば吉永小百合さんの可愛さが炸裂する、もうそれだけで話が入ってこないんだけど観終わったあとになんか胸にひっかかるものがありなぜか再び観てしまい、すると今度はあらためて吉永小百合さんに会いたくなり三たび観てしまう(以下繰り返し)という永久機関映画の傑作です。

わたしが住んでいる街にキューポラはあるか。

キューポラなんてねえよ。

一本もないわ。

その代わりといってはなんですが

コミケはある。コミケのある街、といって差し支えないだろう。

コミケ102は8月12日・13日

わたしがそもそも親切な人間で、しかも今日から夏休みだワショーイ!で、なおかつ月内締め切りを5本と来月締め切りを3本も抱えていなければおそらくここで『コミケとは』という解説で1500文字ほど費やしていたことでしょう。

しかしいかんせんそんな余裕はツユほどもないのでwikiから引用する。

コミックマーケットは毎年8月(通例、8月15日頃の旧盆にかかる週末)と12月(通例、12月29日から31日)の年2回、東京国際展示場(東京ビッグサイト)に開催される。現在の開催期間は主に3日間。8月に開催されるものは「夏コミ」、12月に開催されるものは「冬コミ」と呼ばれる。2022年8月現在、開催回数は定期開催だけで100回を数える。

wikipediaより引用

わたしの住まいの最寄りの駅はゆりかもめなら「有明テニスの森」なのだがJRに直結するりんかい線だと「国際展示場」になる。

そう、国際展示場なのだ。

パイルダーオンみある外観

国際展示場といえば、コミケ会場である。

すなわちわたしの街には年に2回、コミケがやってくるのである。

その足音は一週間前から

わたしおよびわたしの街の住民たちはコミケ来襲に敏感である。

コミケ開催日を失念してうっかり当日に渋谷や新宿方面で用事をつくってしまったばっかりに駅構内で無限地獄に蹂躙され、いつまで経っても埼京線接続川越行き12両編成に乗れないという悲劇が毎年繰り返されている。

そうしたうつけ者の叫びを耳にするたび、わたしの住む街の住民たちは小刻みに身体を震わせ「くわばらくわばら…」と呪文を唱えるのだ。

一度でもそうした目に遭ったものは(わたしのことです)もう二度とあのようなつらい思いはしたくない、という強迫観念からコミケアンテナを張り巡らせて8月と12月はビクビクしながら暮らすのである。

そんなわたしたちに呼応するかのように、国際展示場駅は開催日の約1週間前あたりから狼煙をあげ、銅鑼を叩き、指笛を鳴らす。

「コミケがくるぞー!!!」

朝からこれだから確かに疲れるわ!
毎回気合の入った飾り付け
印刷屋さんも稼ぎ時ですな

ある日いきなり、それまでの何でもない日常に、コミック濃度の高いこれらコンテンツが侵入してくるのである。

ねぇCVってなに?

女の子の顔がぜんぶおんなじに見えるのは俺が高齢者だから?あとみんなえらい胸が太いですな。月曜からたわわでついガン見してしまう。

いっちょかみの知識を仕入れる狩り場

そして「そうか…今年もまたやってくるのか」とあらためて気を引き締めるのである。

アニメ好きだよね。お、おう…

ちなみに前々日ぐらいから駅直結のコンビニではこういう感じでモードに入る。

台風でも来るのかよ…来るのか

ふだん使いの住民のひとりとしてはううむ…とうなだれるしかない。

コミケのメリット

そんなものがあるのかわからないのだが、思いつくままにあげてみよう。

◎りんかい線の収益向上
ふだん経営状態が心配になるぐらいガラッガラのりんかい線。少なくともわたしが利用する時間帯(朝9時5分・夜21時過ぎ)は確実に座れる。

というか本当に利用客が少ない。このままでは運賃値上げの憂き目に…とつい心配してしまうのだがコミケ開催日に関して言えば杞憂である。

高度成長期の山手線ばりのラッシュだ。ホームには人があふれ、温度が上がり、不快指数もマックス。三本ぐらい見送らないと乗れないのである。

コミケ時の構内アナウンスもふるっている。

「みなさま、只今ホーム上大変混雑しております。どうぞ次にまいりますりんかい線大崎行き、大崎止まりの列車をご利用ください。埼京線接続列車に乗りたい気持ちはよくわかります。よくわかりますがこのままではホームから人があふれてしまいます。どうぞ到着の大崎行きをご利用くださいますようどなたさまもよろしくお願いします!」

駅員の心の叫びなのである。

とにかくコミケ開催日は絶好の稼ぎ時なのだ。なんなら三割り増しの特別料金でも設定してガッポリいっちゃって!

◎周辺のホテルの収益向上
昨年のコミケ開催日、うっかり近所の有明ガーデンに車ででかけてしまった。有明ガーデンはショッピングモールやスパ、シアターを擁している複合施設だが、なんとなく高そうな感じのホテルも隣接している。

そして地下駐車場でつながっていて、ホテル客用の駐車場を横目に地上に出る設計だ。ふだんそこにはアストンマーチンとかフェラーリとかマセラティとか、とんでもない高級車が停まっている。

だがコミケ開催のその日、ホテル客用パーキングに並ぶのは…色とりどりの『痛車』なのだ。しかもチバラギっぽいクレスタとかブルーバードではなく、明らかに高級外国車。

そのおそらくガラスコーティングしたら軽く10万超えそうなボディに「けいおん!」とか「ゆるキャン!」とか「転生したらポチタだった件!」みたいな大胆ペイントを施した神をも恐れぬ痛車がずらり。

もったいない。エンツォ・フェラーリが見たら鉛玉ぶち込んでくるぞ。

これはいったいどういうことか。

わたしはふたつの可能性を考えた。ひとつはオタクの富裕層化。そしてもうひとつは富裕層のオタク化である。いったいどっちなんだろう。どっちのほうが幸せなんだろう。

まーた眠れなくなっちゃった。

ちなみにコミケ開催日はショッピングモール地下駐車場は「特別日」と設定され、イオンカード会員といえども一切の特典が認められない。

ちぇっ。

◎治安の向上
わたしは毎朝愛犬の散歩をするのが日課だ。夏場は4時半、冬場は5時半ごろ近所を歩き回る。わたしの住んでいる街は極度に進化させた弊害として一戸建てがなく商店なども見当たらない。

犯罪の温床としてこれ以上ほっともっとな場所もないだろう。こども110番の店なんかないから。子供会会長の自宅はタワマン28階だったりする。暗いうちは危険と隣り合わせなのだ。

しかしコミケ開催日は交通費や宿泊費すら同人誌やえなこりんのアクスタなどで溶かすために節約節約、と自宅から歩いて聖地を目指す猛者どもが暗いうちからぞろぞろと姿を見せる。

そしてコミケ参加者というのは実に平和主義だ。人畜無害なのである。そりゃそうだろう、朝もはよからやおい本やえなこりんのポロリを求めて身体を張るような連中だ。暴力とは無縁の存在と言っても過言ではなかろう。

結果、街の治安は普段以上の水準までレベルアップすることになる。

と、思う。

まとめると

特にまとまる話でもないことはすでにおわかりかと思う。

とりあえず今年の夏コミケは8月12日と13日だそうです。

阿部寛のホームページには及ばないが、なかなかレガシーなデザインのサイトを見てほしい。ほっこりするぞ。もちろん表示速度も早いぞ。

そして台風7号がコミケへの出展表明をしたらしい。くれぐれも参加者が災害に巻き込まれないように最大限の注意を払って開催してください。

漫画とかアニメとか好きなことのために集まってきたのに酷い目に遭うなんて悲しすぎるからな。

わたし?

仕事してます。がんばんなきゃ!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?