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「会議の極意」~その壱 PM編~

「会議の極意」を現場のプロフェッショナルにお聞きするシリーズ第1弾。
初回は「PM(プロダクトマネジメント)」がテーマ。
経験豊富な渡辺さん(通称:ナベさん)にPM職1年目の北岡さんと一緒にお話を伺いました!
ナベさんの金言続出。そもそも会議ってなくてもいいかも。。。という事態にもなったPM編。
ぜひ最後までお読みくださいませ。  (進行・編集|高比良)

お二人の自己紹介(ちなみになべさんの写真は6年前のもの)

高比良|北岡さんが感じる会議の課題ってどういったものですか?

北岡|例えば、事前の情報共有会議がぐだぐだになりがちで、何の時間だろう?PMが出席する必要あるのだろうか?と思うことが多いです。どうやって会議を仕切るのか?会議に自分が必要なのかを判断しどう対応するのか?というのがわかりにくいと感じています。
案件の会議は基本プロデューサーが進めると思っていて、例えば制作発注はプロデューサーからPMが受ける会議というイメージなんですが、ナベさんの場合はナベさんがまるっと会議を進めているイメージなんです。だから今日はそのやり方をどうしてるのか、お聞きしたいと思います。

高比良|ありがとうございます。これから質問しながらナベさんにお答えいただきましょう。

会議の予定を誰かに委ねることはスケジューリングとは言わない

高比良|まず、どういった会議を主催したり参加していることが多いですか?

渡辺|案件の制作発注会議を主催することが多い。他には、お客さんが実現したい内容に装飾や造作との絡みがあって、専門職でしか解決できない会議に招集がかかることもある。

高比良|先ほどから出ている制作発注会議ですが、これは、プロデューサーからPMに招集がかかることが多いですか?

渡辺|それが多いかもしれないけど、自分の場合は先々の計画を立て、早めに担当者に声をかけて、こちらの都合がいいタイミングで時期を指定している。それでも進まない場合は、スケジュールをこちらから決めている。

北岡|自分は待ってしまうことが多いです。一度決まったスケジュールもリスケになってしまうことも多くて。

渡辺|案件の規模にもよるよね。規模が大きくなると、みんな早めにという意識にもなるしね。
アドバイスとしては、案件規模によらず、こちらの希望を伝え続けることは大事。リスケされることも見越しておく。主導権を持つ方が当然進めやすい。誰かに委ねることはスケジューリングとは言わない。自分で予定を組めなくなるよね。予定を組んでみてできないなら、できないことも伝える。

確認事項が発生する会議はNG。事前の準備が「その場で解決」につながる

高比良|成功とは言えないNG会議とはどういう会議ですか?

渡辺|これは意味ないかなあ、と思うのは、「追加の確認事項が多い会議」。その会議でクリアにするはずだった内容が「確認しておきますね」となる会議。
こういうことが起きないように会議の前に「これを聞くから確認しておいてね」とコミュニケーションした上で会議を招集する。

例えば、さっき北岡が話していた、「自分がその会議に必要なのか?」というのがあったけど、まずは「何の目的の会議なのか、自分が必要かどうか」を事前に確認する。聞いてみると「必要ないかも」と返答がきたり、ちょっとだけ必要だったら後でもいいし。ただ聞かないとわからない。会話して内容を確認して、必要ないと判断すれば「出席しなくてもいいかな」と提案することもある。

北岡|受け身になっているとだめってことですね。

渡辺|そう、有益な状態になるように準備することが大事よね。
それと、会議では「その場で解決すること」を意識している。例えば、社内はまだしもお客様との会議はコントロールしにくい面もある。受け身になることもある。
そういう時は招集された意味、役割を事前に社内打合せで確認するようにしている。
これをしないと「わかりません、確認します」になって、さっきNGって言った会議と一緒になってしまう。だから、できるだけ社内で情報を集めて先回りして確認しておく。

会議のゴールは課題の解消でなければならない

高比良|具体的に当日までの準備、最中、会議後はどういった工夫を実践していますか?

渡辺|まず自分が知りたいことを書き出す。特に制作発注であれば、図面以外の情報で聞きたいことを書き出しておく。会議最中のことだと、例えば図面の内容であれば、あっちこっち飛ばないように、最初から順番通り進める。ページごとに。

高比良|例えば、脱線することってあるじゃないですか?その案件以外の話になったり。

渡辺|必要ならばしょうがないが、会議の目的に沿っているか、どうかでその都度判断してそれは会議の後で、と制することもある。

北岡|脱線だけじゃないんですが、どんどん時間が延びちゃうんですよね。。。

渡辺|それって、会議のゴールは決まってるの?それは誰のための会議になってる?
北岡が知りたいこと聞きたいことを解消することが会議のゴールでなければならない。
自分のことで関係しているもので伸びるのは致し方ないかもしれないけど、自分で設定できているかどうかは大事だよ。

北岡|ゴールを決めて、ですね。それと会議の途中でも、逸れてきたら、「それは今じゃない」とかを言い出す判断も遅いのかも。会議に参加してて「あれ?関係なかったかも」と思うこともあって。ゴールが見えてないのかもしれないです。

渡辺|経験かもしれないね。自分で考えておけば、考え続ければ、判断できるようになるよ。

それは本当に会議をしなくてはならないのか、判断する

高比良|ちなみに会議のゴールって参加者に共有してますか?

北岡|意外と、事前にここ確認しますって伝えていても、会議の場で相手から「あ、ここ確認します」ってなることも多いイメージなんですけど。。何もクリアにならないままの会議になることもある。

渡辺|ほとんどがそれだったら、リスケしかないね。あとは「会議じゃないと得られない情報なのか?」ということもあるよね。そうじゃなければわざわざ会議じゃなくて、スラックでもいいよね。

北岡なんか集まることがマストな感じがしていたかも。。

渡辺|そこも判断だよね。なんで集まるのか。会議でいきなりではなく、ちょっとずつコミュニケーションに臨むことで会議しなくても済むのかもしれない。

高比良|会議じゃないと得られない情報ってなんですか?

渡辺|例えば、制作発注は関係者で「通し」で確認することで情報がすり合わされていく。そういった中で共通化する必要がある情報かな。単発の内容は1対1の対話で十分。スラックでいい。案件に必要な申請などの確認は別の場でもいい。制作発注がスタート、というわけではない。その前からコミュニケーションしながら、自分からアプローチして内容を詰めていく。

北岡|案件にアサインされてから自分から情報をとりに行くようにしているし。。。もしかして、私、会議しなくてもいいかも?

渡辺|案件の規模によってはそうかもね。

高比良|会議の後にやってることってありますか?

渡辺|制作発注の場合は、その場で図面に書き込んでいく。制作発注は図面が全ての共通言語。その疑問を潰しこんで共通化することが制作発注会議。書き込んだ内容を共有している。

北岡|自分は確認した内容を清書しなおしています。

渡辺|図面にない情報を拾ってそのまま関係者(制作担当者・パートナー)が流用できることを意識して会議中に図面に記載する。誰かが使うことを意識していれば、清書する必要性もないよね。

明日からやってみよう、「事前準備とゴール設定」!

高比良|ナベさん、まず、明日からできるマネしてほしいことってなんですか?いろいろと出てきたと思いますが。

渡辺|北岡が明日からやろうと思ったことは何だった?

北岡①準備②ゴールを決めること。
会議を自ら回そうとは思ってなかった。プロデューサーがやってくれる中で拾えなかったものを後で聞くことになってたから、まず事前準備をしないとな、と思いました。

渡辺|それは「自分の確認事項をまとめておいて、ここがわかれば発注できる、にする。」かな。

北岡|会議がなくても進行できるかもしれないという感覚になりました。不明点を明らかにして、いつまでにそこを確認してほしいかを伝えるだけでも、わざわざ会議して相手の時間を使ってもらうこともなくなる。
「会議を設定しないと情報をもらえない、会議があるから」というのが前提になっていた。
会議開催がひとつの期限設定になることはあるけど、そもそもその必要性があるのか判断することが大切ですね。

ナベさんと北岡さん

編集後記 「会議の極意」 ~PM編~
ナベさんの様々な「会議の極意」は、自分だけでなく関係者にとっても無駄がなく、全員が「前進すること」を感じさせるものでした。

ナベさんの教えまとめ

ナベさんは最後に、「これは自分がやっていることであって、他の人にまるっとマネできることではないかもしれないけど、自分なりにできることを一生懸命やっていけば、おのずとできるようになる」と話していました。
今回ナベさんが流れるように自身の方法を語ってくれたように、それが意識されていることが大事なこと。
みなさん、ぜひ参考にして会議をよりよいものにしていきましょう。


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