ヤバイと感じた時、30秒でその場を立ち去れるか?
いまから25年ぐらい前の話。
両親からの大学卒業祝いということで、ぼくは初めての海外旅行に行けることになった。当時はネットもなかったので、自宅に毎日届く朝日新聞の広告に掲載されていた1ヶ月の語学学校ツアーに申し込んだ記憶がある。
行き先はニューヨーク。当時から洋画、洋楽にどっぷりハマっていたぼくには、まさに聖地とも言える憧れの場所だった。
滞在中の一ヶ月、午前中は語学学校に通い、クラスが終わるとニューヨーク観光という、社会人になったいまでは考えられない、なんとも贅沢な毎日を過ごさせてもらった。
とはいえ、終盤はさすがに観光名所巡り飽きてきて、夜は映画館で最新映画を観るのが楽しみになっていた。そこで、「ヒート」という作品に出会う。
プロ強盗ニール(ロバート・デ・ニーロ)と、ロサンゼルス市警強盗殺人課の刑事ヴィンセント・ハナ(アル・パチーノ)の攻防戦を描いた、アクション犯罪映画なのだが、その映像美と2大スターの名演技は強烈に心に焼き付き、いまでもマイファイバリットムーヴィーの一つだ。
この映画の中で描かれるプロフェッショナル強盗ニールは、いつ警察に目を付けられても30秒以内で高飛びできるよう、自宅には一切の家具を置かず、家族もいない。いざ自分の身に危険が迫ったら、物理的にも心理的にいつでも高飛びできるよう徹底したミニマム化された生き方を貫いている(職業=強盗という倫理的な問題はさておき)。
そんなプロ強盗デニーロが、仲間のちょっとしたミスから身元が割れ、アルパチーノにどんどん追い詰められていく。そして、この街を出ていく前に最後の大仕事をしようとしている直前にこの二人がカフェで対話をする名シーンがある。
この7分近くある長尺会話シーンで、強盗ニールは強盗としての、自らの掟を語るのだが、ここで冒頭に記載した名セリフ「ヤバイと感じた時、30秒でその場を立ち去れるか」が出てくる。
このシーンが好きすぎて、何度もリピート再生をしてきた。そして、自分の人生に置き換え、自分の身に万一なにかあったら30秒でその場を立ち去れるだろうか考えてきた。
コロナのときも痛感したが、人生においては、数ヶ月前には予想もしなかったことが現実に起き、生活が一変するのである。自然災害以外でも、隣人トラブル、子供への脅威、何らかの犯罪に巻き込まれることが絶対ないとは言い切れない。
もしそういう状況に追い込まれたら、自分なら何秒でその場を立ち去ることができるか?
僕の場合、「モノ」に関して言うと、一切躊躇なくすべてを捨て去り、30秒でその場を立ち去ることができる。
持ち家も、車も所有せず、コレクションなどモノへの執着がないので、とにかく自分と家族の身が最優先であり、スマホと財布を手に取るだけで、いつでもその場を立ち去れる。
ちなみに、個人的に必要な情報はすべてクラウドに分散して置いてあるので、ネットにアクセスできる環境が見つかれば、もとの生活に必要な情報はほぼ入手できるようなバックアッププランも常に意識している。
さらに、個人的に利用頻度の高い娯楽、趣味(読書、音楽、映画)などもすべてクラウドにあるので、そういった意味では世界中どこに行っても、生活を継続できる環境は整えられている・・・・。
今日の結論としては、、、、ミニマリストは絶対にこの映画「ヒート」を観たほうがよいということだ。
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