見出し画像

エスカレーターの片列で人が歩かないようする方法はこれか!

いまこの本を読んでいる。

本書の中で、「エスカレーター問題の解」という話があるのだが、この答えがかなりヒットしたので、記しておく。

お題は、「どうしたらエスカレーター上で人が歩かないようにできるか?」というもの。

日本では、片側は立ち止っている人の列で、もう片方は歩く人のために空けておく、という慣習がある。しかし、実はこれ、混んでいるときは両方に立つ方がたくさんの人数をさばくことができるそうで、片方ずつで異なる運用は非効率らしい。

この悪しき日本の慣習を変えるにどうしたらよいのか?

たとえば、
・エスカレーターの段差を2倍にすれば疲れるので歩かなくなる
・2列だから「片側」という概念が発生するので、いっそうのこと1列にする
というようなアイデアがある。

でも、筆者はたまたま訪れた香港のエスカレーターで素晴らしい解決策を体感する。

香港に出張した僕は、驚愕の風景を目にした。
香港エスカレーターで、両側にきちんと人が立っているのである。
そこで、エスカレーターに乗ってみた。
理由は瞬時に理解できた。
高速なのである。
日本の普通のエスカレーターに比べて、体感的には2倍ぐらい速い気がする。
そもそも速いので、人々はあまりエスカレーターの上で歩かないのである。

人の心理と行動の関係は、非常におもしろい。このようにちょっとした「仕掛け」によって、世の中の仕組みを変えることができるのだ。

こういう「仕掛け」を知るとワクワクしてくる。

もう一つ、20年ぐらい前に出会って、いまだに思い出す、人間の心理を利用したアイデアを紹介しておこう。

【課題】
◆10階建てのオフィスビル、エレベーターは2台
◆テナントが埋まると、エレベーターホールに人だかりができて苦情が殺到
◆「もっとたくさんの人がすばやく乗り降りできる方法」を検討
・もっと大きいエレベーターにする
・エレベーターを新たに設置する
・階段をエスカレーターに変える
・テナントに依頼して、始業・終業時間をずらす

【解決案】
◆エレベーターを軸に考えることを辞めた
◆人間の心理的側面から「どうやったら待っているときのイライラを減らすことができるだろう?」と考えた
◆「鏡に映る自分の姿をチェックしていれば待ち時間も短く感じるのでは?」という仮説から、エレベーターホールの壁全面を鏡に取り替えた

その結果、見事に利用者からのクレームが減ったという。

こういう「生活の身近な課題」を解決する仕事って素敵だな〜と思うのですが、よくよく考えると、どんな「仕事」も本質的な目的は「課題解決」だし、自らも関わっていることに気づいた・・・・。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?