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とにかく、短い文章が好き

 仕事において、かなりの時間、「文章」を考えることに割いている。しかも、「できるだけ短くすること」に労力を割く。

 もちろん、目的は、いかに伝わりやすくして、読み手がならかのアクションを起こしてくれるか?そこにつきるのだが・・・・。

 ぼくの場合は、ほぼ自己満足的に、短い文章にこだわっている。なぜなら、僕自身が短い文章が好きだからだ。

 小学生のとき、星新一の本に出会ってから、ずっと短編小説好きだし、いまだに長い小説は読めない。短いエッセイ、短い小説、とにかく短いのが好き。でも、短歌や詩、俳句には何度チャレンジしてものめり込めない。

 一番好きなのは、広告コピーかもしれない。基本、広告コピーとは、ある商品や企業の魅力を伝えるために考えられたものだとおもうのですが、じつは、わたしたちの人生に気づきを与えてくれる作品がたくさんある。

 というわけで、定期的に広告コピーの本を集めた本ばかり読む。

 つい先日読んだ「ずっと読みたい0才から100才の広告コピー」という本は、0才から100才まで、それぞれの年齢に適したコピーを集めるというユニークな構成になっており、自分の年齢までのパートは「あーわかるわかる!なるほどね!うまいこというなあ〜」と共感しながら読むことができる。

そして、自分にとってこれから迎える未来の年齢パートは、「へーそんなことを感じるようになるのか!」などと想像がふくらみます。

各歳において、個人的なお気に入りだったコピーは・・・

■2歳
「お前も親になればわかる」は、ほんとうでした。

「お仏壇のコガ」勝浦雅彦

■11歳
子供は、大人が経験したことのない社会を生きていく

「東京 学校法人 雙葉学園」 北川譲

■19歳
部屋探し、完了。
恋に落ちる準備、完了。
好きな人に、裸より先に見られるのは、お部屋です。

「ハウスメイト」小林麻衣子

■41歳
挑戦する人か、人の挑戦にあれこれ言う人か。

「東京海上日動火災保険」 磯島拓矢 小山佳奈 岩田泰河

■55歳
これからの人生で、一番若いのは今だから。
※伊能忠敬は55歳のころから17年をかけて日本全国を歩いて測量し、『大日本沿海輿地全図』にて作成し、国土の正確な姿を明らかにした。

「アートネイチャー」いとうとしこ

■63歳
人間は、飛べない。だから、飛行機という翼をつくった。
人間は、弱い。だから、社会という絆をつくった。
人間は、未完成だ。だからこそ、いろんな課題に立ち向かいながら、
理想のあしたをつくろうとする。
人間だけが、目をあけて夢を見る。

「三井物産CM」石井ツヨシ

■96歳
こころ残りの大半は、言えなかった「ありがとう」だったりします。

「平安閣グループ」森俊博

■98歳
家族は、面倒くさい幸せだ。

「信濃毎日新聞社・創刊140周年記念『家族のはなし』 585秒」淺井勇樹

 広告コピーを集めた本は、コピーライターの方が何百という候補の中から選びぬかれた珠玉の言葉ばかりで構成されていているので、SNSを眺めているより、だんぜん素敵な言葉に出会う確率が高い。

 おすすめです。

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