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ギリシャ旅行記02~島に逃げたい女達の逃避行~

【第1話はこちら↓】

【前回までのあらすじ】
「島に逃げたい」と友人に嘆いたところ、コンビニ行くくらいのノリでギリシャ行きが決定し、日本から25時間以上かけて、ギリシャ語も英語も危うい乙女2人が異国の地に降り立った。
2人の運命やいかに。
以上

サントリーニ島へ着いたのは、夜10時過ぎ頃だ。

サントリーニ島は、ほぼ崖に建物が建っているので階段の段差がきつい。しかも階段の高さがバラバラで1段1段の幅も異なる。階段をのぼるだけなのに今までにない筋肉の使い方を強要されるので、運動不足の二人には些かつらいものがあった。

ホテルに近づいたところで、息切れしている私たちを迎えてくれたのは、爽やかなイケメンギリシャ人。身長が180㎝はあるだろうか、細身に短髪で茶色のくせ毛が島の薄明かりに照らされていた。挨拶をすると、私たちの超絶重いスーツケース二つを軽々と持ち上げ、颯爽と階段を下っていく。そのスピードに全く追いつけない運動不足2人組。迷路のような道を下ったところに、優しいライトに照らされたホテルの入り口が見えてきた。

私たちが宿泊したホテルは、「ダナ・ヴィラス」。サントリーニ島の日没をかぶりつきで見ることができる最高に美しいホテルだ。洞窟タイプの部屋には小さなキッチンとジャグジー付き。サントリーニ島は白を基調とした建物ばかりで、室内の壁も真っ白だった。部屋に入った瞬間に、もうすでにだいぶ満足な私たちだったが、長時間の移動で疲れが限界に近かった。さて、もうシャワーを浴びて寝ようかという時に事件は起きた。

友人が充電器をコンセントに差した瞬間、
パッアアアン!
という音と共に火花が散り、部屋が真っ暗になった。

や・り・や・が・っ・た。 

…つづく

部屋のバルコニー

聖菜

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