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アナザーラウンド | Druk

まぁ北欧のやつら大酒飲みだよね。

冴えない高校教師マーティンを演じるのは“北欧の至宝“と呼ばれるデンマークの俳優マッツ・ミケルセン。同僚の仲良しおじさん達で集まった時に「人間は生まれながらにして血中アルコール濃度が0.05%低すぎる」というノルウェーの哲学者フィン・スコルドゥールの理論をもとに、「血中アルコール濃度を常に0.05%に保つことによって仕事の効率や生活における質は向上するのか」という実験をしようじゃないかということになるところから話は始まる。

ヘミングウェイのように飲酒は夜8時までとする。アル中にならないよう週末は飲まない。とルールを決め、0.05%を保つため仕事中もこっそりと酒を飲みながらもアルコール度数計測器で濃度をこまめに測るなどと真面目にみんな取り組み、それぞれの生活に変化が及ぶのだが…

まぁ、酒は飲んでも飲まれるな、ですよね。

ちなみにデンマークでは16歳以上は店でお酒を買える(バーやレストランなどで飲んでいいのは18歳以上)ということで、マーティン達の高校生の教え子らが卒業パーティで昼間から酒を飲みまくるどんちゃん騒ぎを始めるのに「え?」とちょっとギョッとするが、ベルギーやドイツも同様に16歳からお酒OKなのでビールが美味い=酒飲みの国ってことよね。

決して飲酒を助長するような映画ではないのだけど、気持ちよさそうに酒をひたすら飲み続けるのを見ていると見ているこっちまで飲みたくなってくる。

この映画の一つの見どころにもなっているのが、マッツ・ミケルセンのダンス。
彼がバレエをしていたことはどこかで読んで知っていたのだけど、本作の序盤で「ジャズバレエをやってたんだろ〜?踊れよ!」と促される場面があり『これは、フリなのか…?』と思わされるがそこでは踊らず。踊らんのかい、と思っていたらラストシーンでビールを気持ちよく飲みながらダイナミックに踊るという伏線回収。
ダンスシーンはもちろん全てマッツが踊っているという。
ちなみにマッツ自身は本作で踊りたくなかったらしいけど、監督の猛説得に折れて踊ったらしい。最終的な出来を見てやっと納得したとか。

結局ジャズバレエって何?という疑問は残るんだけど、こんなに最初から最後まで飲みまくる映画もなかなかないので面白く鑑賞しました。
ジャンルとしては、ヒューマン・コメディといったとこなのかな。

本作で印象の残る音楽、Scarlet Pleasureの“What A Life“もよかですね。

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