医学生の「受験ごっこ」について
こんにちは。
刺激的なタイトルをつけてしまいました。
でも、そうなんです。
みなさんがインターネットで遭遇する医学生。
USMLEに合格!
CBTで学年一位!
医師国家試験で一般臨床が9割!!!
彼らのことを悪く言うつもりはないのです。
というか、単純に尊敬します!!!
ですけど、
少し私の話を聞いてみてください_(._.)_
医学部に入るまでに、みなさんは苛烈な受験勉強を乗り越えたと思います。
○○模試で偏差値△△だった!
クラスの中で××番だった!!
Aちゃんは今回のテストで何番だったのかな?
Bくんに数学で勝てた!!
高校までの勉強は、受験という最終関門を突破するために競争する必要がありました。中学受験だってそう。どの順位に、どの偏差値に属しているかによって、自分の人生が決まってしまうのですからね!
でも、大学ってそうじゃないんです。
そこらへんを書いてみました。
■医学部では特に、順位とかどーでもいい。
医学部は確かに特殊です。4年生には全国の医学部生が一斉に受ける試験(CBT)があり、確かに全国順位が出ます。6年生になれば医師国家試験を控えており、模試を受ければ学内での順位が出ます。
でも、何のために模試を受けるかといえば、医師国家試験に合格するためです。医師国家試験って、少し特殊な試験なんです。
簡単に言うと、
受かるための試験ではなくて落ちないための試験
なんですね。だから、順位が高いことには何の意味もないんです。
一番最悪なのは、順位を上げることが目的になっているパターンです。
順位が上がれば、机上の医学知識は多く身についていくでしょう。
だとすれば、より多く将来の患者さんに還元することができます。
こういう考え方なら、素晴らしいんですけどね。
■大半の医学部生は、高校生のときと同じ感覚です。
うちの大学でCBTトップ成績だったXさんという人がいます。
一方で、CBTトップが目標だったYくんとZさんという人がいます。
彼らは、Xさんの足下に及びませんでした。
よくお話させてもらってたんですけど、Xさんって
「わたしにとって必要なことを勉強していたら、トップになってしまいました。そんなつもりじゃなかったのに悪目立ちしたくないので困ります…。」
って言ってたんですよー。
実際、YくんとZさんが質問攻めしてましたからねー。かわいそう。
結局のところ、必要に迫られる勉強には不純な動機は勝てないのですー。
まあ、それはいいとして。
■医師って利他的なお仕事ですから。
私たちが勉強しないといけないのは、患者さんを救うためですー。
順位を上げて優越感に浸るためではないのです!!
「テストに出るから」勉強する
「テストに出ないから」勉強しない
自分より点数が低い人を軽蔑する
勉強せずに受かったアピールをする
こういう姿勢って患者さん的にはどうなんでしょうね???
■わたしも、人のことは言えません。
この記事で書いてるんですけど、わたしも入学当初は
「首席を取れるように頑張って勉強するぞー」
とか思っていた人間です。ですけど、それって
■患者さんのこと全く考えていないですよね?
患者さんの役に立ちたいと思って勉強した結果が首席だったら立派だと思うんです。本当に。
順番が違う。
「わたしは何でも知っている」という風に木で鼻をくくるような態度を患者さんに向けちゃう人を何人も見てきました。
でも、たかが20年そこらしか生きていない私たちに何が分かるんでしょう?
確かに生活習慣病の患者さんとか、指導しないといけないです。
でも、人生の先輩として尊敬するべきだと思うんです。
誤解しないでください。
一生懸命勉強するのは当たり前です。けど、それが自分が優越感に浸るためだったら大した成果は出せないと思った方がいいです。いま結果が現れても、そんなのじゃモチベーション続かないと思います。
■何のために勉強しているのか、考えてねっていうことです。
わたしは痛感しました。なので、
「自分にとって重要なこと」だし、「将来患者さんのためにもなる」
ようなことを優先して勉強しているつもりです。
たぶん賛否両論あると思います。
何かあればコメントくれると嬉しいです!
それでは、またどこかでお会いしましょう…。
2022/02/18:初版
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