見出し画像

思いでもろもろ

どうしよう。

今日は消したり書いたりしている。書く時は一気に書き上げる方だから、書くことがよほどないのか(そんなことはない)、ただ気分が乗らないのか(そんなこともない)どっちなんだい。

話すより書く方が好きだ。言葉は取り消せないところに怖さがある。「なんちゃって」で済まないのが言葉だ。「今の忘れて」と言われて本気で忘れたこと、ない。そもそも「今の忘れて」と言う時は、明らかに言葉を取り消したい時だ。相手の記憶から取り消したいほどの言葉って何だろう。

パソコンに慣れすぎて、「なかったことにする」という行為が軽くなっている。キーボードをぱちぱちすれば、消すも復元するも修正するも作成するのもおちゃのこさいさい。だからだろうか、現実も、簡単に「消して」過去に「戻れる」と思ってしまう。感覚がバグって、取返しのつかないことに対して罪悪感が薄れる。いつでも消せるから。戻せるから。でもさ、俺たち人間だってこと、わすれちゃあいけないぜ。

人間は上書き保存で出来ている。辛い記憶も良い記憶も一日、数時間、数分、数秒単位で上書きされていく。過去は捨てられないまま、何層にも重ねられた今の下敷きとなって、ぺしゃんこになっている。

たまに大掃除をして、ぺしゃんこになった過去のしわを丁寧に伸ばしてやる。ものは大切にしましょうって言ってたし、ほら、何でもかんでも捨てればいいってもんじゃないし。捨てたら地球に悪いし。捨てないって地球を守ることだし、そう、「捨てない」ことは、きっとそんなに、悪いことじゃない。

捨てるのはあの世へ行くときだけでいい気がする。
捨てるもの、多そうだな。

風より。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?