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大きな独り言

このタイトルは、2年前に保存されていたやつだ。そういうヤツがあと4つくらいあるから、これからはちょくちょく保存されていたものを発掘し展示できるような作業をしていきたい。

そんなわけで第一弾。「大きな独り言」

これはもう独り言ではないのではないか、という話はよいしょとしておいて。

9月になった。善人にも悪人にも等しくやってくるもの、それは季節だ。日本に生まれた宿命である。季節はグラデーションのようにまろやかに変わっていく。今は夏と秋が入り混じった時期。セミとトンボが共存し、

セミ「トンボさん、そろそろあんたらの出番やな」
トンボ「せやな。ほなセミサン、今年の夏もお疲れさまでした」

なんて会話を繰り広げる大都会トウキョウ。きっと生物は季節の引継ぎをしている。この引継ぎが終わったらきっと秋になるのだ。もしかしたら、生物が季節を動かしているのかもしれない、なんて思う午前7時前。

私が生きてきた中で一番きれいな記憶は何だろう。きっと今ではない。もう絶対に戻れない遠い過去にある気がする。私はタイムマシンが出来たら、絶対過去に行く。未来になんか行ってやらない。

過去に行きたくなるのは、今になって、その時間に戻りたくなるほどの美しさを感じることが出来たから。美しさは時間の経過と距離が必要らしい。だとしたら、どうやら私は美しいものの近くにいられない性質らしい。

私は今日も過去に美しいものを探しに行く。

風。

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